JEEP GRAND CHEROKEE ジープ グランドチェロキー
これまでのジープとは明らかに一線を画する
チェロキー初の4輪独立懸架サス、ジープ初のエアサス、初物づくしだが本筋は見失っていない
■渡辺敏史の見解
チェロキー系としては初めて4輪独立懸架サスを採用し、さらにジープブランドとして初のエアサスも採用(日本仕様はオプション扱い)と、新型グランドチェロキーはドラスティックな変更を遂げて登場した。
ブランドフィロソフィに関わるほどの決断を下した背景には、メルセデスとの契約によるMLクラスをそのベースとするなど、動かせない事情もあっただろう。が、彼らが自らオフロード性能を犠牲にしてまでプレミアムSUVの一般的要件を重視することはあり得ない。現に新型グ ラチェロは他のジープモデルと同様、世界一過酷ともいえるルビコントレイルでのオフロードテストをクリアしているという。
エンジンは新開発の「ペンタスター」と呼ばれる3.6LV6と、従来からの5.7LV8ヘミという2本立て。日本市場へは当面、V6のみの導入となる。可変バルブタイミングなどを導入し、前型V6に対して1割以上の燃費低減を実現しながら得られた出力は286hpと、2割以上の出力向上を果たしたこれに、組み合わせられるATは5速。そしてフルタイム4WDシステムには「セレクテレイン」と呼ばれる統合型の電子制御トラクションシステムが新た
に採用された。走行状況に応じて5つのモードを任意設定することで、駆動配分やESP及びエンジン・ミッションマネジメント等、12もの項目が最適化されるこのシステムは、悪路においてのみでなくワインディング
を想定したスポーツモードまでも備えているところが興味深い。
ワインディング走行は、これ
までのジープブランドのイメージを覆す軽快感と安定性に満ちていた。前20:後80という大胆な旋回重視の駆動配分に振れたのは、まさに4独サスの恩恵によるところだろう。こういった場面でのエアサスの追従性もリニアなもので、ステアリングフィールなどはゾクッとさせるほど艶めかしい。無論、V6エンジンの軽さもこの軽快感・一体感には大きく作用している。
加えて画期的にリファインされたオンロードでの快適性。だとすれば犠牲にしたのはやはり悪路走破性では…という想いも、新型グラチェロはあっさり覆す。
必要な作業はセレクテレインを適切な位置にするだけ。それだけで特別な技術を要することなく難所を滑らかに、しかし力強く走破するイージーさもまた、これまでのジープとは一線を画するところだ。
日本への導入はこの年末から年明けにかけて。その期待には十分応える仕上がりだ。
SPECIFICATIONS(3.6L Limited)
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:5AT
LENGTH:4822mm
WIDTH:1943mm
HEIGHT:1781mm
WHEELBASE:2915mm
WEIGHT:2307kg
SEATS:5
ENGINE:V6
DISPLACEMENT:3604cc
POWER:210kW(286hp)/6350rpm
TORQUE:347Nm/4300rpm
USE FUEL:PREMIUM
CONSUMPTION(Combined):11.4L/100km
TIRES: 265/60R18






