Cadillac CTS-V キャデラック CTS-V
C63AMGより落ち着きがあり、M5よりも明らかにスポーティ
新世代キャデラックに設定された高性能シリーズが“V”。CTSが今年2世代目にバトンタッチし 満を持してCTS-Vの登場と相成った。まずはアメリカで先行試乗、日本への上陸は今秋の予定だ
04年。新世代キャデラックの端緒を開いた初代CTSにV8エンジンを押し込んだVシリーズが初めて設定され、欧州のM・ベンツAMGやBMW Mモデル、アウディS&RSに匹敵するアメリカン・ハイパフォーマンスカー・シリーズが誕生した。
Vシリーズはその後、STS-V、XLR-Vへとラインナップ展開され、CTS-Vもベースモデルのフルモデルチェンジに伴って、このたび第2世代へと進化を果たしたというわけだ。
年初のデトロイトショーに初見参。腰を抜かしそうなくらい驚いたのは、何よりそのスペックだった。スモールブロック6.2.V8OHVにスーパーチャージャーを付加して556hpを発揮。パワーユニットの組み合わせは同時デビューのコルベットZR-1と同じ(ただしエンジンそのものの作りや生産方法はまるで別物)で、ヨーロッパD&Eセグメントの高性能ブランドを軒並み上回る数字を誇っている。ドイツ高性能車好きをたじろかせ、クルマ好きの耳目を集めるのに、これ以上説得力のある数字はないだろう。
一体、どんな走りを見せるのか。ノーマルCTSの完成度の高さをみれば、相当に期待できそうだ。8月中旬、私はニューヨーク郊外の街、ホワイトプレーンズのリッツカールトン前に並べられた新型CTS-Vの前に立っていた。
先代(日本正規導入はなし)では6MTの設定しかなかったが、今回は6ATの用意もある。メッシュグリルのド派手なマスク、明らかに膨れ上がったエンジンフード、そしてブレンボブレーキを飲み込んだ19インチタイヤ&ホイールが“別物感”をアピールしてやまない。ちょっと近寄り難い雰囲気は、高性能車特有のオーラによるもの。
内装はどちらかと言えばダンナ仕様のノーマルとは全く違う雰囲気だ。モノトーンのセンタースタックとマイクロファイバー仕立てのトリムがレーシーささえ醸し出す。V字モチーフのレカロ革シートが体をカチッと心地よく受け止めた。
マグネティックライドコントロールダンパーが生み出す、筋が通って弾性のある乗り心地はいかにも欧州車的。高速スタビリティの高さも一級品だ。街乗りでは基準車より芯があって、かつ欧州ブランドほど硬くはない。絶妙のライドフィール。
2時間ほどのドライブを楽しんで辿り着いた先は会員制サーキットだった。いよいよ556hpの本領を試すとき。ヘルメットを被り、コースイン。
最初のストレートでいきなりフルスロットルを試みる。重低音のV8ノートをかき消すようにスーパーチャージャーの作動音が耳をつんざく。一瞬、クルマがひと回りもふた回りも小さくなったような錯覚を覚えると、ふわっと浮いた感覚がやってきた。そのまま分厚いトルクの波に乗ってストレートエンドに向かって加速する。
不思議と恐怖心はない。流れる景色とメーターを見る限り、恐ろしく速いのだが、手にアセ握る感覚もない。DセグメントのC63AMGやRS4よりも断然落ち着きがあり、EセグメントのE63AMGやM5よりも明らかにスポーティ。なかなかいいところを突いている。欧州勢の強敵になりそうだ。
SPECIFICATIONS
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6MT
LENGTH:4860mm
WIDTH:1842mm
HEIGHT:1472mm
WEIGHT:1905kg
WHEELBASE:2880mm
SEATS:5
ENGINE:V8 OHV SUPERCHARGED
DISPLACEMENT:6162cc
POWER:415kW (556ps)/6100rpm
TORQUE:745Nm(76.0kg-m)/3800rpm
TIRES:255/40R19・285/35R19















