FERRARI CALIFORNIA フェラーリ カリフォルニア
どえらいフェラーリが出て来たものだ
FRで2+2でリトラクタブルオープントップを採用。これまでなかった商品戦略は新たなフェラーリファンを生み出すのか
■西川 淳の見解
ある意味、どえらいフェラーリが出て来たものである。さすがはフィアットグループの1割強の利益を叩きだすブランドだ。これまでにない跳ね馬を走らせることで、また違う顧客を獲得するに違いない。
なにしろライバルはメルセデスSL 63AMG、そんな感じなのである。リトラクタブルオープンだからというわけではなく、ドライバビリティの敷居の低さからそう思うのだ。
とにかく乗りやすい。もちろん、現代のフェラーリはかのエンツォだって転がすのは簡単だったわけだが、そんな従来の跳ね馬に比べて格段に乗りやすくなったなんてレベルではなく、ジャーマンプレミアムブランドと比べても遜色のないライドフィールというレベルの話をしている。
つなぎのいいダブルクラッチ。低回転域からしっかりと実用トルクの出る直噴V8。ルルルルゥと走り出せば路面からの突き上げはあくまで小気味よく、上質なレザーで覆われているかのよう。最近のフェラーリの中ではダントツに均整の取れた、かつラグジュアリィなインテリアと相まって、スポーツカー的汗臭さ/泥臭さ/鈍臭さ(過去のフェラーリには必ず一定量のそれがあった)とは無縁の、実に快適なクルージングが楽しめる。
まあ、昔からのフェラーリファンは"跳ねとらんがな!"と悪態のひとつもつきそうだが、そういう人だって普段乗りにマセやAMGを乗ったりするわけだから「ぜひその代わりにどうぞ、しかも貴方の好きな馬印で」というわけである。
と、ここまで書くと、フェラリスタのみならず多くのクルマ好きが、それはフェラーリじゃないと言いそうだ。まてまて。実はこのクルマ、ひと皮むけばやっぱり跳ねてイタ。
オープンにして、ワインディングへ。街乗りでは"鳴り"を潜めていたエンジンが咆哮しはじめる。ズバッズバッと電光石火のシフトチェンジも、背骨がしびれるほど気分がいい。そして何よりも、FRスポーツカーとしての素性の良さが光る。腕さえあれば、ウエスタンスタイル(乗馬)で乗っても楽しいに違いない。
これまでになかったフェラーリである。これまでにない、ということは、これまでとは違う顧客/使い方をターゲットとした企画である。では、フェラーリは堕落したのか?
そうではない。昔ながらの真っ赤っかなファンに向けては、F458イタリアなる、もう名前だけでよだれモンのニューミッドを用意した。ためいきが出るほど、したたかだ。
SPECIFICATIONS(CALIFORNIA)
PRICE:23,600,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:7Semi-AT
LENGTH:4575mm
WIDTH:1910mm
HEIGHT:1325mm
WEIGHT:1860kg
SEATS:4
ENGINE:V8 DOHC
DISPLACEMENT:4297cc
POWER:338kW(460ps)/7750rpm
TORQUE:485Nm(49.0kg-m)/5000rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRES:245/40ZR19・285/40ZR19





