FIAT 500C フィアット500C
気持ち良さ倍増、失ったものは何もない
かつてのチンクエチェントにも用意されていたオープンモデルの現代版が登場。今月末には日本でも走り出す
■河口まなぶの見解
今年のジュネーブで発表された"500C"にイタリア・トリノで試乗した。
500C最大の特徴は"普通じゃない"オープン構造。窓枠を含むルーフラインを残したまま、天井部分がキャンバストッ
プ的に後席後方まで大開口で開く。実はこれ、先代モデルにも存在していた。現行フィアット500自体が、1957年に登場した先代のヌオーバ500
の復刻版だが、オープンモデルの500Cもその伝統を踏襲しつつ現代的にアレンジを施して復活した、というワケだ。
ではオープン化されて走りの方は?ルーフラインが残るオープンだけにボディ剛性の低下はほとんどナシ。だから単純にオープンエアの気持ちよさだけがプラスされている。
しかもオープンは走行中でも開閉可能な気軽さを備えているのも良い。またサンルーフ的に使えるから、排ガスが気になる都会でも迷うことなく瞬時に開閉できるのも魅力だ。
ノーマルは走らせると、なぜか不思議と楽しく気持ちよい走りが味わえるのが真骨頂だが、500Cはさらにオープンエアの楽しさ気持ちよさを加えた
のだから、まさに現代最強のアイドル的クルマだ。
500を単なるリバイバルフェイクだと笑い飛ばす人も多いが、なかなかどうして、中身は相当にマジメで笑って誤摩化せないほど仕立てのいいコンパクトカーだ。日欧の人気の高さがそれをよく物語っている。
500Cは、コンセプトリバイバルなオープンモデルだ。ピラー部分を残すことで、500最大の魅力であるシルエットを完璧に守った。2層の電動ソフトトップはガラスのリアウインドウ部分まで開くが、いったんルーフ部分だけオープンで停止する。荷室を確保するトランクの開き方も特徴のひとつ。フロントスクリーンが2" 5㎝ほど上方に伸びた。
メカニズム的にはサルーンとまったく同じで、骨格もほとんど変わらないから、試乗した手応えもほぼそのまま。それでも、トリノの街を走り回っているうちに気分がどんどん高ぶっていくのは、走りの素性の良さに加えて、空が見え風のにおいを感じることができるからだ。
"上"しか開いていないから風の巻き込みも少ない。けれども確実に外と中の空気は混じり合っている。日和がよければ、それが運転をいっそう楽しくしてくれる。質のいいダウンサイジングの選択肢だ。
SPECIFICATIONS (500C 1.2 8V POP)
PRICE:2,390,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:5Semi-AT
LENGTH:3545mm
WIDTH:1625mm
HEIGHT:1505mm
WEIGHT:1020kg
WHEELBASE:2300mm
SEATS:4
ENGINE:INLINE4 SOHC
DISPLACEMENT:1240cc
POWER:51kW(69ps)/5500rpm
TORQUE:102Nm(10.4kg-m)/3000rpm
TIRES:185/55R15










