PEUGEOT RCZ プジョー RCZ
屈指のクオリティ、望外にこなれた乗り心地
あらたなプジョーのロゴをまとい、史上初の車名に数字がつかないモデルがこのRCZ。その出来は相当なものだ
■渡辺敏史の見解
量販グレードとの関連性をもたない、特別な名前が与えられたスペシャリティクーペをプジョーが発売するのは恐らく初めてだろうか。今年創業から200周年を迎えたということもあり、そのメモリアル的な意味合いも託されるRCZの欧州でのライバルは完全にアウディTT。そして日本ではフェアレディZ辺りもその範疇に入ってくる。
そう、輸入車のスペシャリティクーペとしては、RCZのプライスタグはかなり意欲的だ。アイシンAW製の6速ATを搭載する399万円の最廉価グレードでも、バイキセノンヘッドランプや電動調整式レザーシート、クルーズコントロールやパーキングソナーまでを備え、必要なのはナビくらいなものというほどに装備が充実している。そのクオリティはプジョーの現行モデル中屈指のもの。標準仕様にして、品質の高い人工レザーでラップされたダッシュボードは、その象徴ともいえるだろう。
RCZのプラットフォームベースは308のそれだが、サスペンションはフレーム類やブッシュ等も含めてリファインされ、挑発的なルックスとその歩を合わせたものだ。エンジンはBMWとの共同開発なる1.6L4気筒を同様に積むが、片や200psの6MTに対し、6AT版は低中速域での実用性を重視し156ps。同様にサスペンションチューニングも異なり、タイヤサイズも19インチと18インチで差別化されるなど、前者はスポーツ、後者はカジュアルといった棲み分けが施されている。
プジョーといえば…のフットワークに関しては、基本的に両車ともロール量を抑えた高レート設定ながら、低速域からよく動くダンパーに救われて乗り心地は望外にこなれている。これは両グレードに共通するもので、200ps・19インチのモデルにおいても不快感はほぼ皆無といえるだろう。一方で限界域の懐深さは156ps・18インチのモデルでも相当な領域にあり、サスペンションによる出来の差異はほぼ無視できる領域にある。
一方のエンジンは、吸気音を積極的に聞かせるレゾネーターを装着した200ps版の気持ちよさが際立つ。対すれば、充分に実用的な速さを備えた156ps版とて、凡庸なフィーリングと思えるかもしれない。しかしステップ比の細かい6速ATによるイージー&スポーティなドライブは車の性格とよくマッチしている。この辺り、帯に短し…的なところはあるが、個人的には、右ハンドルの設定も含めて生活親和性の高い6ATのモデルを積極的にお勧めしたい。
SPECIFICATIONS(RHD 6AT)
PRICE:3,990,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4290mm
WIDTH:1845mm
HEIGHT:1360mm
WEIGHT:1350kg
WHEELBASE:2610mm
SEATS:4
ENGINE:INLINE4 TURBOCHARGED
DISPLACEMENT:1598cc
POWER:156ps/6000rpm
TORQUE:240Nm/1400-3500rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRES: 235/45R18






