メルセデス・ベンツ Mクラス
クルマの“格”が一段上がった
05年に登場した第2世代のMクラスが3年の時を経てマイナーチェンジ
派手な変更はないものの、外観、内装、装備などすべてにわたって手が入れられている
Gクラス人気が今もアツい日本では実感が薄いが、世界的に見たメルセデスSUVの主力は、もはやMクラスである。何しろ、2005年に投入された現行モデルの世界販売は、すでに30万台を突破。間違いなく、このカテゴリーのトップランナーの一角を占めている。 それゆえに、登場から約3年を経て実施されるフェイスリフトも、決して大規模な変更を伴うものではない。しかし、内容はまさに痒いところに手が届くような広範なものとなっている。 まずはエクステリアでは、ヘッドランプの形状が変更され、ラジエターグリルがより大型化したフロントマスクが、やはり目立っている。大型化されたバンパーは、左右にフォグランプを埋め込んで、一層のワイド感を演出。下側はアンダーガード風の処理が施され、よりアグレッシヴでタフな雰囲気を醸し出している。 それに比べればリアビューの変更は軽微。バンパー形状が変更され、テールレンズがスモークタイプへと改められている。他にもドアミラーの大型化やルーフレールの標準装備化など、細部にまで手が入れられて、ユーザーの期待する押しの強さに一層磨きがかけられたという印象である。 現ユーザーにとっては、インテリアの進化の方が悔しいところかもしれない。ダッシュボードやドアライニングにはARTICOと呼ばれる人工皮革が張られ、またオプションとして、より豪華な雰囲気のツートーンレザーも選択できる。新形状のシートなども後押しして、まるでクルマの“格”が一段上がったかのように感じられるのだ。 実際、その走行フィーリングは確かにレベルアップを果たしている。まず印象的なのは静粛性。エンジン音やロードノイズは、現行モデルより大幅に低減されている。それだけじゃない。乗り心地も、しなやかさとフラット感が向上しているなど、スペックには大きな変化は無くとも、走りのすべてが明らかに洗練されているのである。 この新しいMクラス、日本導入の際には来年施行の“ポスト新長期”排ガス規制をクリアした「ブルーテック」が同時に投入されることになりそうなのもニュースだ。これは、E320CDIが積むV型6気筒3.直噴ディーゼルターボの細部をリファイン。さらに排ガス中のNOxを処理する後処理装置を組み合わせて世界一厳しい規制をクリアしながら、最高出力210ps、最大トルク540Nmという圧倒的な動力性能を実現している。 ガソリン車より低速域から力強く、それを可能にしたハイギアード設定によって、速度が高まるほどに静けさが強調される、その走りは、まさに目から鱗。しかも今回の試乗では一般道でリッター当たり11.1kmという好燃費をも記録してみせた。これならE320CDIと並んで、ディーゼルの魅力を大いにアピールする存在となるはずだ。 魅力、実力をさらに高めた新しいMクラス。しかも、この時代にぴたりとマッチしたブルーテックまで上陸するとなれば、今後は日本でも、その存在感は着実に増していくに違いない。
SPECIFICATIONS(ML320BlueTEC)
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:7AT
LENGTH:4780mm
WIDTH:1911mm
HEIGHT:1815mm
WHEELBASE:2915mm
SEATS:5
ENGINE:V6
DISPLACEMENT:2987cc
POWER:155kW(210ps)/3400rpm
TORQUE:540Nm/1600-2400rpm
TIRES:255/50R19











