ポルシェ911
より速く、快適に。やはり最新は最良である
タイプ997が第2世代へとモデルチェンジした。直噴エンジンとダブルクラッチ式
トランスミッションである「PDK」を搭載。マイナーチェンジとは呼べない大変革である
ポルシェ911が新型に変わった。正確にいうとタイプ997が前期型から後期型になった。
いわゆるビッグマイナーなのでボディの基本は変わらないが、フロントとリアは細部のデザイン変更でイメージが確実に変わった。
特にフロントは前期型より一段とモダンに見える。
こういった外観の変化の小ささに比べると、その中身は驚くほど大きく変わっている。エンジンに関する事前の情報では、排気量3.6.と3.8.の水冷水平対向6気筒が直噴化される、と聞いていた。
たしかにそのとおりだったが、それらのエンジンはブロックから新たに起こされた、まったくの新開発ユニットだったのである。
しかも、カレラ用3.6.とカレラS用3.8.のボア・ストロークが、互いにまったく異なるのも凄いところだ。
前者は97×81.5㎜の3614㏄、後者は102×77.5㎜の3800㏄で、後者がかなりショートストロークなのもとても興味深い。
パワーとトルクは、3.6.が345psと390Nm、3.8.が385psと420Nm。パワーは前期型比でそれぞれ20psと30psの増強だが、直噴化によって高圧縮比が可能になったのが効いている。
後期型のもうひとつのトピックは、従来からのティプトロニックSに代わって、噂されていたPDK=ポルシェ・ドッペルクップルングがついに市販車に搭載されたことだ。
これは80年代のグループCレーシングカー、956に装着していたものに端を発するポルシェ独自開発のツインクラッチ式2ペダルMTで、変速機は7段。
新型は車重の増加が少ないためパワーアップがそのまま動力性能に結びつき、MTの0-100km/h加速はカレラが4.9秒、Sが4.7秒になった。
しかもPDK装着車は4.7秒、4.5秒へと、さらに0.2秒ずつ短縮される。
最高速はカレラSのMTでついに大台を超えて302km/hに達する。
ポルシェの本拠地シュトゥットガルト近郊で開かれたプレス試乗会では、3.6.のカレラと3.8.のカレラSの、クーペとカブリオレに乗った。
新開発のフラット6はいずれも活気に溢れ、しかもトップエンドまでスムーズに回り切るが、ボア・ストロークの数値から予測したとおり、3.8.の方がよりシャープで熱い回り方をする。
一方、注目のPDKだが、その完成度は期待どおりで、Dレンジにおける自動変速は発進の瞬間もその後の加速もスムーズだし、マニュアル操作した場合の変速も素早く決まる。ただし、ティプトロニックSの方法論を踏襲した操作系には少々疑問を感じた。
ステアリング左右に備わるシフトスイッチは、いずれもステアリング表側から押すとシフトアップ、裏側から押すとシフトダウンするが、他のクルマのシフトパドル操作に慣れたドライバーにとっては、若干違和感がある。
クルマ全体としては一段と快適さを増したという印象で、新たに電子制御ダンパーのPASMが標準装着されたスポーツシャシーの乗り心地が従来よりずっと快適なのが、特に記憶に残った。
日本でのデリバリー開始は秋になる模様だ。
SPECIFICATIONS(CARRERA)
PRICE:12,370,000yen
DRIVE SYSTEM:RR
TRANSMISSION:7Semi-AT
LENGTH:4435mm
WIDTH:1808mm
HEIGHT:1310mm
WEIGHT:1415kg
WHEELBASE:2350mm
SEATS:4
ENGINE:FLAT6 DOHC
DISPLACEMENT:3614cc
POWER:254kW(345ps)/6500rpm
TORQUE:390Nm/4400rpm
TIRES:235/40ZR18 265/40ZR18













