AUDI TT RS Coupe アウディ TT RS Coupe
単なるTTだと思ったら、大間違い
クワトロ社が手がけるアウディの頂点“RS”モデル。TTにもついにそれがお目見えだ
■松本英雄の見解
良質なモノをよく知る日本人を唸らせるクオリティの高さ、近頃、周囲のライバルの中でも群を抜いているのが、アウディである。1998年、初代のTTは、確かな質感とソリッドなデザインを融合、これまでになかったモデルとして登場した。そしていま第2世代となったTTはさらに進化を遂げ、今年2月に頂点となるモデルが追加された。“TT RS”である。
スポーツカーにとってフィーリングは重要である。シートはバックレストが大きくて安心感を与えてくれるもの。ホールド感は硬めだが、包み込み感はミディアムレアである。そしてステアリングホイールは極端に小径ではなく、微妙な入力操作を可能にする。下方向がカットされた形状は最小限の舵角でコーナーを曲がれと暗示している。アクセルワークを駆使すれば、オンザレールで速く走れる素養がある証拠だ。
ダッシュパネルは昔からスポーツカーでは定石の結晶塗装を現代的にアレンジしたもので、安全性に考慮しながらのソフトパッド成形。それゆえ眩しさを感じさせない確実な視界が得られる。
またアメニティ類のスイッチは小さく、あえて目立たぬよう器用にレイアウト。乗り手にさえ理解出来れば十分ということだ。
TT RSの最大の特徴は直列5気筒2・5Lターボエンジンである。5気筒はアウディ製のV10を半分にしボアを2mm小さくしたもの。ストロークはV10と同様だ。5気筒なのはクワトロS1からの歴史という意味もあるだろうが、簡単に言えば4気筒モデルよりも高出力が可能なのである。バルブの有効面積の増大と1気筒あたりの質量を抑えレスポンシブルになる。振動はバランスシャフトで解決はしているが、アイドリング時の振動はさすが5気筒という、ある意味ハイチューニング的な素振りを覗かせる。
そしてスポーツモードのスイッチを押すとそこは異次元の加速性能。3ペダルの6速MTのフィールはこれまた高級で、シフトリンケージに取り付けられたウェイトの慣性の勢いによって“スパッスパッ”と決まるのだ。その心臓部に見合ったアスリートの脚は“クワトロGmbH社 ”で セッティングされ作り出された。これが素晴らしく良い。クワトロによる恩恵もあるだろうが、サスペンションのセッティングによる接地感、安心感は大きい。
一見、冷たいリアルマテリアルの中に潜む人の経験によって出来上がった柔らかなシャシーバランス。いまこれを追従する車はないように思う。
SPECIFICATIONS (Coupe)
PRICE:8,350,000yen
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:6MT
LENGTH:4200mm
WIDTH:1840mm
HEIGHT:1380mm
WEIGHT:1500kg
WHEELBASE:2465mm
SEATS:4
ENGINE:INLINE5 TURBOCHARGED
DISPLACEMENT:2480cc
POWER:250kW(340ps)/5400-6500rpm
TORQUE:450Nm/1600-5300rpm
TIRES:255/35R19






