JAGUAR XJ ジャガーXJ
そのしなやかさ、まさにジャガー"マジック"
XJがついに新型へ。本質は失わずに、古典的な様式から一気にモダナイズされた
■島下泰久の見解
思えば1968年の初代XJ以来、40年以上も不変だった様式と遂に訣別したスタイリングは、より若く先鋭的なユーザーへとアピールするためだが、彼らの信条は今も「ビューティフル・ファストカー」で変わらない。新型XJは、それを現代の解釈で構築し直したわけだ。
インテリアも同様である。伝統的なレザーとウッドをふんだんに使いながら、高級ボートの船室をモチーフとするトリムにハイテクを巧みに溶け込ませたデザインは最新のモード感によって導かれている。
こうして新型XJにはギラギラとした妖しさ、あるいは艶かしさが甦った。しかも単純な色気というより、どこかひねくれた、あるいは不協和音をわざと入れ込んだようなブリティッシュなテイストを失っていないのが嬉しくさせるところである。
では走りはと言えば、これが期待以上のジャガー味に仕上がっていた。特に乗り心地。路面のうねりや段差をいなして行く際の、すべての角を丸めた、たおやかなタッチは絶品だ。
それでいてハンドリングは頼りなさとは無縁。ステアリングは指一本分にも満たない小さな舵角から正確に反応して思ったラインに乗せていくのが本当に容易い。こんなに大柄なサルーンなのに、こんなにしなやかな乗り心地なのに…。まさにジャガー"マジック"である。
チェッカー模様のボタンを押してダイナミックモードに入れればシャシーやエンジン、ATの設定をよりスポーティに振ることもできるが、しなやかに速いジャガーらしさを味わうにはノーマルモードに限るというのが個人的な印象だ。
エンジンはXFやXKでお馴染みのV型8気筒5ℓ直噴で自然吸気とスーパーチャージドを用意する。車重1850kg(日本仕様)からと、オールアルミボディのおかげで車体の軽いXJだけに、自然吸気でも動力性能は十分以上。しかしスーパーチャージドも、強化されたブレーキやサスペンション、電子制御LSDによって510psを過剰に感じさせないのだから、これはこれで恐れ入ってしまう。
持ち前の素晴らしい走りに磨きをかけ、そしてルックスも先鋭的なモダンブリティッシュスタイルへと大進化したXJ。新しい、今までより若いユーザーにアピールすることは間違いないし、一方で実際に街を走り出せば古くからのジャガー党の方も、きっと納得するのではないかと思う。まさに新しい時代の「ビューティフル・ファストカー」の登場である。
SPECIFICATIONS (Luxury)
PRICE:10,000,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:5135mm
WIDTH:1900mm
HEIGHT:1455mm
WEIGHT:1850kg
WHEELBASE:3030mm
SEATS:5
ENGINE:V8
DISPLACEMENT:4999cc
POWER:283kW(385ps)/6500rpm
TORQUE:515Nm/3500rpm
CONSUMPTION(10・15MODE)7km/ℓ
TIRES:245/45ZR19 275/40ZR19






