AUDI R8 SPYDER アウディR8スパイダー
姿に見合う、クーペより上質な乗り味に
クーペの特徴だったサイドブレードを取り除き、オープンモデルはよりプレーンなスタイルとなった
■桂 伸一の見解
R8に、ソフトトップを持つスパイダーが誕生した。エクステリアはそれまでの“クーペ”に対してコンパクトなキャビンとエンジンフードによる独特なスタイリングでR8にもうひとつの個性を与えている。
いわゆるスーパーカー的なアグレッシブな威圧感などない、上質なオトナのプレミアム・スーパースポーツのR8だが、走りはウルトラスーパーである。
50km/hまでは走行中でも19秒で開閉可能な電動ソフトトップの重量は30㎏。その分が増加した車重は1720kgで、上屋のバランスの悪化を嫌い、カーボンを多用したリアカウルの関係で、操縦性にクーペとの違いは感じられない。と言うより、スパイダー専用に与えられたサスペンションやアップデートされた最新の各種制御により、乗り味はさらに上質になった。
南仏ニース空港で受け取り、海岸線をカンヌに向かって優雅に流す。その姿が実にキマっている。ひとたび右足に力を込めれば、自慢の直噴5・2ℓV 10が牙を剥く。0→100km/hを4・1秒で、 12・7秒後には200km/hに達し、最高速313km/hの世界に造作なく引き込むパフォーマンスは、姿からは想像できないが、紛れもないスーパーカーだった。
速度規制の厳しいオートルートで、カッ飛ぶ地元勢を追走する。オープンでの200km/h走行はウインドディフレクターの効果はあるが、さすがに頭上の走行風の騒がしさはあった。
走行フィールはステアリングを補舵するだけでオンザレール。微動だにしない安定性がクワトロならではだが、低くワイドなプロポーションのR8はさらに次元の高い安心感がある。
一方、峠ではクーペよりも滑らかな路面との接地感とサスのストローク感、巻き込むように曲がる軽快なハンドリングなどの違いを感じつつ、後方からナマで流れ込むV 10のF1サウンドに魅了される。
フェラーリのようにゲートが刻まれた6速MTとクラッチを自動制御するRトロニックを乗り比べた。変速ショックのない進化したRトロニックの、スロットルとクラッチの完璧な制御を味わうと、MT派の立場をあっさりと覆して、やはり時代はRかな、と。シフトダウン時のワンッ~ワオーッ…なんて完璧な回転合わせにゾクゾクする。
トップを閉めた時はクーペと遜色ない静粛性を持つから、一台二役を完璧にこなすスパイダー。クワトロ+スーパースポーツの超速の安定性、という意味でライバルは同門にいるだけか。
SPECIFICATIONS (R8 スパイダー)
PRICE:22,500,000yen
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:6Semi-AT
LENGTH:4434mm
WIDTH:1904mm
HEIGHT:1244mm
WEIGHT:1720kg
WHEELBASE:2650mm
SEATS:2
ENGINE:V10 DOHC
DISPLACEMENT:5204cc
POWER:386kW(525ps)/8000rpm
TORQUE:530Nm/6500rpm
TIRES:235/35ZR19.295/30ZR19






