VOLKSWAGEN SCIROCCO R フォルクスワーゲン シロッコR
オッサンが普段着できる! ホットハッチ
シロッコにゴルフR譲りの2LTSIターボエンジンを搭載。こちらはRシリーズ初のFFモデルだ
■西川 淳の見解
コンパクトスポーツカーといえば、所謂“ホットハッチ”の出番だ。庶民のアシ!にホットなエンジンを積み込んで楽しむクルマ。そのオールマイティさで都会のスポーツカーと呼ぶにふさわしいカテゴリーだろう。
がしかし! 最近のホットハッチはどいつもこいつも何だか子供っぽい! とボクは思っていたりする。走りは素晴らしいのにやたらとアグリーで勇ましいカタチ(エアロ)だったり、そうかと思えばパワー自慢の過激走りだけが魅力だったり。スポーツカー大好き人間としては、本当は毎日のアシとしてホットハッチに乗ってみたいところだけれど、四十過ぎのオッサンが普段着できて乗り味もオトナのオトコのホットハッチがないのだ。
見つけた! ホットハッチ、というか、クーペっぽいけど、またそこがいい。シロッコR。FF最“快”のスポーツカーだ。
VWの“R”としては初のFFである。同時期デビューのゴルフRは4モーションで、走りの質がまるで違っていた。端的に言って、シロッコRの方がしっとりしている。ゴルフRの方が刺激も強くわかりやすいけれど、そこがかえって四十のオトナにはしんどい。ほどよく角の取れた、でも走らせればもの凄くスポーティなシロッコRが断然、おっさんスポーツカーとして格好いい。いや、もちろん老若男女に似合うとは思うが…。
もうちょっと大人しい顔つきでもいいと思うが、これでもほどよくスペシャルで、よくまとまっている。インテリアにはもう少し色気が欲しいところ。その辺はドイツ車、へたくそ。
加速中はパワー、フィールともに素晴らしい。特にDSGの切れ目にバッバッバッと聞こえる適度にラウドで勇ましい排気系の音が耳と右足裏に心地いい。
圧巻はコーナリングだ。FFだというのに、後輪が鬼のように接地している。ホンマは4駆ちゃうん? と思ったほど。シャシーとタイヤのマッチングもよく、粘り腰かつ自然な反応で、切り込んでいくのが楽しくてしょうがない。ちょっとタイトなコーナーから高速ベントまで。曲がっている最中の手応えも、フロントエンジンを意識させないもので、ただただシャシーのメカニカルな動きとタイヤの路面への食いつきだけを報せ続けてくれる。こんなFFスポーツカーは、初めてかも…。
問題は、だ。ちょっと値段が高い。否、ノーマルのシロッコがかなり高いから、ゴルフとゴルフRの関係に比べるとまだ得な気がするが、やっぱり絶対的にちょっと高いのが玉に瑕。
SPECIFICATIONS (SCIROCCO R)
PRICE:5,150,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:6DSG
LENGTH:4255mm
WIDTH:1820mm
HEIGHT:1420mm
WEIGHT:1410kg
WHEELBASE:2575mm
SEATS:4
ENGINE:INLINE4 DOHC TURBOCHARGED
DISPLACEMENT:1984cc
POWER:188kW(256ps)/6000rpm
TORQUE:330Nm(33.7kg-m)/2400-5200rpm
FUEL CONSUMPTION(10・15 MODE):13.0km/L
TIRES:235/40R18






