ASTON MARTIN V12 VANTAGE アストンマーティン V12ヴァンテージ
コイツは本気のスーパーカーだ!
ヴァンテージの小さなボディに6LV12を押し込んだメーカー製の改造車。それはAMGともMとも違う独特の魅力がある
■西川 淳の見解
アストンマーティン史上、最強の市販モデル登場(今のところ)だ。小柄なヴァンンテージボディ(ホント最新高性能スポーツカーとしては小さい!)にDBS用の517 ps6LV12を押し込んだ。そう聞くだけで、武者震いしないか? ボクはした。エコな今どきなかなかないぞ、こんなムチャっぷりは。
かなりのフロントヘビーを想像されるかもだが、実はそれほどじゃない。もちろん、エンジン単体では100kgは重い。重いがフロントミッドに押し込み、ボディパネルやシャシーにアルミニウムやカーボンをいっぱい使って軽量化に勤しんだ結果、51:49という前後重量バランスを得た。FRのスポーツカーとしてはいい感じの割合だ。
ミッションは6MTのみ。最高速でこそDBSに一歩及ばない305km/hと発表されているが、0→100km/h加速ではDBSを上回る(4.2秒)。
つるんと格好良かったV8版のシルエットはそのままに、えげつないフロントバンパー&エンジンフード、ド迫力のカーボンリアディフューザーなどで、美しき野獣に変身。やっぱりこれくらいの“引っかかり”がないとスーパーカーとは呼べない。
インテリアも豪華ではあるが、硬派でスパルタンだ。前を向いている限り、DBSとほとんど変わらない。
クリスタルのキーをぐぃぃと押し込めば、エンジンスタート。かかった瞬間のサウンドは、もちろんDBS級にどう猛だが、クルマが小さいだけに“荒れ狂う”感覚も少し。身構える。
ちょっぴり重めのクラッチをゆっくり繋いでアイドリングスタート。トルクも十分、しずしずと動き出す。感覚が掴めたところで、おもむろにアクセルペダルを踏み込んで…途中でやめた。後輪と直結したかのような自分のお尻に、むずむずとした感触が伝わってきたからだ。ズルリといきそうな危ない予感。
この段階で、既にボクは圧倒されていて、コイツはスーパーカーだと確信していた。
恐る恐るガソリンを送り込むと…。クルマが小さいこともあって、弾けるように加速する。シフトアップの間も緊張は途切れない。タイヤのグリップを確かめながらギアを繋いでいく。その度に、少しのスリル。それが、間違いなく楽しい。
アクセルワークで容易にクルマの向きが変わり、フロントの重さもそれほど感じさせない。真剣にワインディングを走ったわけじゃないが、それが十分に楽しい経験であろうことは容易に想像することができた。
SPECIFICATIONS(V12 Vantage)
PRICE:21,735,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6MT
LENGTH:4380mm
WIDTH:1865mm
HEIGHT:1241mm
WEIGHT:1680kg
WHEELBASE:2600mm
SEATS:2
ENGINE:V12 DOHC
DISPLACEMENT:5935cc
POWER:380kW(517ps)/6500rpm
TORQUE:570Nm/5750rpm
TIRES:255/35ZR19 295/30ZR19






