MERCEDES-BENZ SLS AMG メルセデス・ベンツSLS AMG
ともかく曲がる、曲がる。右足がうれしくなる
実は復刻版を意図したものではなく、AMGの基本設計が偶然かつてのSLSに似ていたから…そんな逸話もまた伝説の予感である
■桂 伸一の見解
「うっわー凄いー!!」と助手席の住人が悲鳴をあげる。じつは運転席でも同じ思いなのだが、まだ"ステアリング"というつかまる部材があることが救い。
低く、広く、軽く、重量バランスに優れ、しかも強烈なグリップ力を誇るコンチネンタル・スポーツコンタクト5P(パフォーマンスの意味)という、SLS専用タイヤが路面に噛みつく。鮮烈な印象を乗員に与えてくることに改めて感動する。
そのコーナリング性能の高さには唖然とする他ない。いや、あまりにも高いコーナリング速度とGフォースを受けて、頭がクラクラし始める。冗談でも誇張でもない。サンフランシスコ近郊にこれほどS字コーナーが連続する山岳路があることも初めて知ったが、フロントエンジン/リアドライブのスポーツカーに、公道でこれほど衝撃を受けたのも初めてだった。
ともかく、曲がる曲がる。
1cmステア操作すると10cmインを向く。そんな感覚で、ゴムやブッシュ類の、しなりもたわみも、グニャリといった逃げが皆無。ステア操作したと同時、ロールとともにノーズが平行移動して曲がる。だからその横Gが乗員を直撃する。空力的なダウンフォースを受けたフォーミュラマシンが、丁度こんな感覚で曲がるのといっしょ。
AMG曰く、フロントエンジンのスーパーカーだという。それが大袈裟でも偽りでもない事実だということは証明された。
ただし、別な意味での驚きは、広大なアメリカの地で眺めてもビッグスケールなボディサイズ感ということだ。フリーウエイはまだしも、ひとつの車線いっぱいに…。街乗りでは停車中のクルマを避けるのに完全に対向車線に入り込む。フロントガラスから先端まで2m!!
フラッ
トなボンネット故に特に長く幅広く感じられる。
速度規制の厳しいアメリカ西海岸だが、周りの状況を確認しつつアクセルを深々と踏み込んだ。トランスアクスルの効果から駆動力がダイレクトに加わり、矢のように直進する超高速安定性。無論、最高速の317km/hに挑戦はできないが、0→100km/h加速3・8秒。0→200km/hを10秒台で駆け抜ける俊足ぶりは味わえた。アルミボディ/シャシーらしい硬質な硬さが伝わる。
細かな振動が足裏に伝わるあたりは、まだツメが甘いな。と思うのだが、それは「SL」と比較して。スーパーカーであるガヤルドやR8 5・2と比べると及第点。…と聞くと一刻も早く乗りたいだろうが日本へは2010年夏頃上陸予定。
SPECIFICATIONS
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:7DCT
LENGTH:4638mm
WIDTH:1939mm
HEIGHT:1262mm
WEIGHT:1620kg
WHEELBASE:2680mm
SEATS:2
ENGINE:V8 DOHC
DISPLACEMENT:6208cc
POWER:420kW(571hp)/6800rpm
TORQUE:650Nm/4750rpm
USE FUEL:PREMIUM/85L
TIRES:265/35R19・295/30R20






