ASTON MARTIN RAPIDE アストンマーティン ラピード
リムジンじゃない。4人乗りのスポーツカー
ラゴンダの復活というべきか、ついに姿を現した4ドアのアストン。そのスタイルはまさにアストン流のスポーツカーだ
■石川真禧照の見解
ラピードに乗ってきた、というと大抵の車好きは、パナメーラとどう違うのと聞く。その答えはラピード試乗会のディナーの席で隣に座ったドクターウーリッヒ・ベッツ社長の言葉をまず聞いてほしい。「パナメーラ? あれはugly(=意味は辞書を引いてください)だろ?4人の乗員のことを考えたから911がブクブク太ってしまったんだ。でもラピードは違う。DB9がそのまま4人乗りになったんだ。つまりラピードは4人乗りのスポーツカーさ。パナメーラはリムジンだよ」。ポルシェに在籍したこともあるベッツ氏はライバル心をちらつかせながら熱く語ってくれた。
翌日、たった1台しかない試乗用は来年2月の発表を前に、まだ未完成の部分もあるが、「エンジン、ミッション、ブレーキ、サスペンションは最終仕様」(チーフエンジニア サイモン・バーンズ)に仕上げられていた。
試乗はいきなりリアシートからだった。Mr.バーンズがラピードのリアシートのドアを開けてくれた。彼の運転で出発。左右2名分のセミバケットシートはやや細身で体にフィットし、しっかりと体をホールドしてくれる。レッグスペースは身長170cmクラスでもOK。ヘッドスペースも十分に確保されている。ベッツ社長は身長180cmが4人乗って長距離ドライブができる、といっていたがそれはかなり我慢強い人だろう。ユニークなのはリアシートに座ったときのドアガラスの位置。ボディデザインを重視したことで、かなり低い位置にある。170cmの人だと顔の下あたりがリアウインドウになる。座った感じはマツダRX8のイメージだ。
試乗は高速道路で軽く160km/hを出すが、風切り音も小さく不快感はない。ブレンボ製の鉄とアルミの1ピースブレーキの利きもしっかりしている。6速ATやセンターパネルのボタン式ATセレクターなどのレイアウトはDB9と同じ。アストンがテストに使う牧草地の中の1車線の公道を走る。V12、6L、460ps+6速ATのビッグトルクと4人乗ってもボトミングしないサスペンションの乗り心地の良さも感心したが、回頭性の軽さや車との一体感は確かにスポーツカーだ。来年2月といわれている正式発表が楽しみになってきた。
試乗から戻った私にサプライズ。11月に公開予定のトヨタiQのアストン版「シグネット」をこっそり見せてくれたのだ。その話は別の機会にするが、まさにミニ・アストン! 猛烈にカッコよかったことを報告しておく。
SPECIFICATIONS(Rapide)
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6Semi-AT
LENGTH:5019mm
WIDTH (inc.mirror):2140mm
HEIGHT:1360mm
WEIGHT:1950kg
SEATS:4
ENGINE:V12
DISPLACEMENT:5935cc
POWER:350kW(477ps)/6000rpm
TORQUE:600Nm/5000rpm
USE FUEL:PREMIUM 90.5L
TIRES:245/40R20・295/35R20






