BMW X6M/X5M ビー・エム・ダブリュー X6M/X5M
Mの本質はSUVでも変わらない
SUVで、4WDで、ターボで、トルコンAT…Mにとって初めてづくしのモデル。果たしてその乗り味とは
■西川 淳の見解
Mの新境地である。
イメージがガラリと変わりつつ、本質ではMらしさを守った。一見、相反することをサラリとやれてしまうあたりが、Mの凄さ。新しいファンを獲得するに違いない。
Mにとっては、初めてづくしのモデル。クロスオーバーSUVはもちろん、4WD/ターボ/トルコンAT、と生粋のMマニアなら首を傾げそうなアイテムが並んでいる。
この字面だけをみて、堕落したと思うのは早計だ。"運転して楽しい"がMの本質。相手がSUVということで、機能性を損なうことなくドライビングファンも実現したかった。そのためのソリューションが、大量採用されたM初アイテムだったというわけ。結果的に右足さえ我慢すればSUVとしてフツウに使えるクルマになったから、より多くのBMWファンに受け入れられるだろう。
ベースはX5/X6の50i。注目のエンジンはもちろん、トランスミッションやシャシー、足回り、そして最近のBMWといえば各種電子制御系、などなど、走りに関わる全てに、Mの手が念入りに入っている。ちなみに、X5MとX6Mの間にパフォーマンスの違いはない。
というわけで、真っ赤なX6Mに試乗した。街乗りは至って快適。はっきり言ってノーマルの50iとどこが違うんだろう、と最初などは完全に拍子抜けした。もちろん、それなりにハードな乗り心地ではあるが、オーバー500.という数字から想像できるような気難しさやレーシーさには無縁の快適さ。インテリアのラグジュアリィな雰囲気も手伝って、Mであることをすっかり忘れる。もうちょっと硬派な演出があってもいいのに、と逆に思ってしまうほど。
ところが。ひとたびサーキットに持ち込むと、性格が一変した。こんどはSUVであることを忘れて、ドライビングに熱中できる、背が高いだけのハンドリングマシンに。視界がいいぶん、コーナーの先が読みやすい。電子制御は決して出しゃばらず、ドライバーのテクニックの一部に成り済ましている。めちゃくちゃ運転が上手くなった気分で攻めていけるから、我を忘れて楽しめるのだ。
上げ底NAのようなエンジンフィールも素晴らしいが、加速を支えるトルコンATも面白かった。シフトチェンジ時に燃料を一瞬カットする制御が入り、トルコンながらダイレクトで俊敏なギアシフトができる。燃費にも寄与するから、重量級高性能モデル用として、重宝しそうだ。
SPECIFICATIONS (X6M)
PRICE:14,900,000yen
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4876mm
WIDTH:1983mm
HEIGHT:1684mm
WEIGHT:2305kg
WHEELBASE:2933mm
SEATS:4
ENGINE:V8 DOHC
DISPLACEMENT:4395cc
POWER:408kW(555ps)/6000rpm
TORQUE:680Nm(49.0kg-m)/1500-5650rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRES:275/40R20・315/35R20










