AUDI TT RS アウディTT RS
復活の5気筒、その速さは911をもしのぐ
TTシリーズ最強の「RS」はアウディが再び開発した5気筒エンジンを搭載。今年度末には日本にも導入される予定だ
■河口まなぶの見解
最強の証RSの称号を持つため、超硬派かと思いきやさにあらず。
かつてWRCでアウディ=クワトロを広めた「スポーツクワトロ」へのオマージュと、流行のダウンサイジングを融合した“直列5気筒直噴ターボ”は、2.5ℓながら低速からトルクフルでどこまでも滑らか。感覚的に3.5~4ℓクラスの力強さだ。全開時は5気筒のバラつくビートが高揚感を生むが、加速感は意外にマイルド。気付けば200km/h超で滑らかかつ速さは911を上回る。
TT→TTS→TT RSの順で乗り味も硬く…と想像するが、体感はTTS同等かわずかに硬い程度。足が意外にしなやかに動き普段使いも厭わない。アウトバーンで250km/h超でもピタリと路面に張り付く。サーキットでも意外にボディの動きは大きく、ロールして接地するタイプだ。横置きエンジンと組み合わせるクワトロはスタンバイ式。ゆえに縦置き+クワトロの後輪駆動風味は味わえない。
性能はシリーズ中最強だが、味わいは超硬派でなく優れたGTのそれ。TT GTの名が相応しいか? もっともRSは“単に走りが高性能でなく、内外装の品質まで含め全ての頂点を意味する”と説明されて納得の一台。
■五味康隆の見解
アウディTTモデルに来年、最強グレードの「TT RS」が追加導入される。開発キーワードは、究極のパフォーマンスと純粋なドライビングマシン。レーシーな雰囲気を漂わす大型エアインテークや固定式の大型リアウイングなど専用外装を身にまとい、見た目からして導入済みのTTやTTSとは大きく違う。
注目は、アウディの歴史に深い関わりを持つ直列5気筒エンジンを復活させてきたこと。ビートのきいた独特の排気音の良さに加え、直噴ターボ技術により高出力と好燃費を両立。4輪駆動であるクワトロシステムが持つ高い安定性と相まって、0→100km/h加速を4・6秒でこなす鋭い加速力とサーキットを豪快に走れる走行性能を兼ね備えている。
驚くべきは、これら高いスポーツ性を得ていながらも、乗り心地が優れていること。クワトロシステムが走行性能を底上げしているので、足回りの強化を最小に留めることができたのだろう。TTやTTSと同等の快適性を持っているのだ。6MTの設定しかなくAT設定も欲しいところだが、アウディらしく全ての性能をバランスよく高め、楽に速く走れる乗り味に仕上がっている。
SPECIFICATIONS(TT RS Coupe)
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:6MT
LENGTH:4198mm
WIDTH:1842mm
HEIGHT:1342mm
WEIGHT:1450kg
WHEELBASE:2468mm
SEATS:2+2
ENGINE:INLINE5 TURBOCHARGED
DISPLACEMENT:2480cc
POWER:250kW(340ps)/5400-6500rpm
TORQUE:450Nm/1600-5300rpm
TIRES:245/40R18










