ポルシェ 911 タルガ4/4S
最もラグジュアリィな911
LEDを用いたフロント&テールランプ、ダブルクラッチの2ペダルMT、直噴エンジン…
大きく進化を遂げた997は順にそのラインナップの幅を広げ、そして、新世代911の雄、タルガの登場である
日本のマーケットにおける911タルガの位置付けは、イマイチぼんやりとしたものだ。クーペでもカブリオレでもない割り切りの無さと、高温多湿の我が国では歴史的にタルガモデルの人気が出なかったことが原因だと思われるが、ワールドワイドで見ると実は最もラグジュアリィで実用的な911という理解が一般的である。
ナロー時代に、安全性を否定されたカブリオレスタイルを捨て、それでもオープンエアを!と生まれた、言わば苦肉の作、アイデアがタルガトップだった。名前は当時、ポルシェが大活躍した公道レース、フローリオ家楯(=伊語でタルガ)杯に由来するもの。70年代にはシリーズの4割がタルガだったといわれ、82年に930ボディでカブリオレが復活してもなおその人気は衰えることがなかった。993で現在と同じ方式のガラスルーフスライド開閉タイプへ。996ではポルシェ博士念願のガラスハッチも手に入れて、シリーズ中最も実用的なモデルとして君臨するに至る。
そして997以降、ベースを4WDモデルのカレラ4&4Sに限定したため、実用性はもちろんラグジュアリィさ、ステータス性でもノーマルシリーズトップに躍り出たのだった。
そんな997タルガ4&4Sが、911のビッグマイナーチェンジを受けて新世代へと移行した。メカニズム的には、既報通り、新しい直噴ユニットとPDK(ポルシェ・ダブル・カップリング)クラッチシステムがニュースで、4WDシステムにもリアLSDが標準で組み込まれるなど、その走行性能は著しく向上している。タルガではリバウンドストップスプリングを設けてサスセッティングを若干コンフォート寄りにチューニングしたらしい。
ガラスルーフを確認せずとも、横から見ればノーマルの911クーペではなくタルガであることが分かる。ルーフエッジに沿ったトリムがぎらっと光っているからだ。これはアルマイト処理が施されたポリッシュアルミニウム製で、サイドウインドウの後端が鋭く尖がりながら閉じており、大変美しい。最もラグジュアリィな911であることをこの一点だけで表現し尽くせているように思う。また、カレラ4&4Sがベースゆえ、リアはタルガ4&4Sともにワイドフェンダーである。
ガラスルーフそのものは前型と同じ。約7秒で開閉が完了する。電動式ロールアップサンシェードの遮光率を上げるなど、日光対策が進んだ。
ニュー911の乗り味についてはもう何度も触れられているので繰り返さないが、PDKのスポーツ+モードにおける制御の剛胆さだけは特筆しておく。加えて、実はMTの具合も相当に素晴らしい。反対にキレイに回るが味を失った3.8ℓエンジンには、エコ時代の流れを感じた。
タルガシリーズの美点は、その乗り心地の良さだ。路面からの入力がシートからガラスルーフに向かってきれいに収束し消えていく。運転席はもちろんのこと、助手席でも不快ではない。
髪を乱さないオープンエアもなかなかいい。男女2人で楽しむハイエンド911として、もう少し高い評価を、この日本で得てもいいはずだ。
SPECIFICATIONS(TARGA 4)
PRICE:14,660,000yen
DRIVE SYSTEM:4WD
TRANSMISSION:7Semi-AT
LENGTH:4435mm
WIDTH:1852mm
HEIGHT:1310mm
WEIGHT:1530kg
WHEELBASE:2350mm
SEATS:4
ENGINE:FLAT6 DOHC
DISPLACEMENT:3614cc
POWER:254kW(345ps)/6500rpm
TORQUE:390Nm/4400rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRES:235/40R18 295/35ZR18














