CHRYSLER GRAND VOYAGER クライスラー グランドボイジャー
あなたは使いこなせるか
世界初のミニバン、クライスラーボイジャー。これまでミニバン初の機能を約60も創出
その第5世代モデルがついに上陸した。従来比で30点以上の新装備を加えるこの新型、相当に使えます
新型グランドボイジャーのスタイリングは個人的にかなり気に入っている。これまでのキャブフォワード型から比べるとずんぐりむっくりしていて、どこかレトロな雰囲気を漂わす。まるで、「洗練」とか「都会的」といったキーワードから「クラシック」とか「郊外」に移行したようだ。
訊けば、デザインを担当したのは300Cのデザイナーだという。50年代のレターシリーズを現代に蘇らせた人物だ。そのため、ディテールを見ていくとその流れを汲んでいることがわかる。大きめなメッキグリルやボンネットセンターのプレスラインなど、300Cと共通するデザイン処理が施される。これらがクライスラーブランドの新たなアイデンティティになるかもしれない。
それはともかく、新型はロングホイールベースのグランドボイジャーだけのラインナップとなった。それじゃショートホイールベース車はというとダッジブランドへ移行。北米ではジャーニーという名で売られる。ちなみに、日本ではその名が使えず、ダッジJC(ジェーシー)となる。導入は少し遅れて今秋となる予定だ。
さて、そんなグランドボイジャーだが、デザインの変更とともにサイズも微妙にアップしている。全長は5145mm、全幅は2005mmというから立派だ。3080mmというホイールベースもクラストップレベルといえるだろう。シャシーフレームは基本的に従来のものを踏襲するが、リアサスを長年愛用してきた一枚リーフからコイル式に代えるなど新たな試みが取り入れられる。これは主にカーゴスペースの効率を上げるものだが、乗り心地の面でもプラスに働いていることは確かだ。
パワートレーンは従来のV6 OHVを3.8リッターにスープアップ。最高出力を193psとしている。実際の走りも低回転のトルクが増し、出だしがスムースになったことで扱いやすさが高まった。ただ、クルマの性格上高速域でガンガン飛ばすようなセッティングはされておらず、速度が上がるとそれまで静かだった室内がにわかに騒がしくなる。ロードノイズが主な原因だが、3列目シートでは排気音も少々気になるところだ。
駆動方式は従来あったAWDが姿を消し、FWDだけとなる。これはStow’n Goと呼ばれる2列目、3列目シートの床下収納のためで、プロペラシャフトが物理的に通せなくなるからだ。ただ、このシートの床下収納はかなり実用性が高い。場面によっては1列目だけの巨大なカーゴバンとして使える。趣味のマウンテンバイクやサーフボードもすべて飲み込むといった感じだ。
その他のフューチャリングポイントとしては、室内の間接照明などが挙げられる。オーバーヘッドコンソールに沿った青い光がムーディな演出をしてくれる。また、通常はめ殺しとなる2列目サイドウィンドウが半分くらい開くのも創意工夫の後だろう。それに、これでもかってくらいの数ある収納箇所もこのクルマならではのワザだ。なんてプロファイルのグランドボイジャー。こいつを使いこなせればアナタは相当な趣味人だ。
SPECIFICATIONS(Touring)
PRICES:4,609,500yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:5145mm
WIDTH:2005mm
HEIGHT:1755mm
WEIGHT:2030kg
WHEELBASE:3080mm
SEATS:7
ENGINE:V6 OHV
DISPLACEMENT:3782cc
POWER:142kW(193ps)/5200rpm
TORQUE:305Nm(31.1kg-m)/4000rpm
USE FUEL:PREMIUM
FUEL CONSUMPTION(10・15 MODE):6.8km/L
TIRES:225/65R16
文/九島辰也 写真/河野敦樹











