MERCEDES-BENZ SL-Class メルセデス・ベンツ SLクラス
熟成進み、ゴージャスさ極まる
01年に登場した現行型SLが7年ぶりのビッグマイナーチェンジを行った。顔つきは一新、中身は熟成され
SL55が最新63になるなど話題は多い。日本上陸よりひと足先にアメリカで試乗会が行われた
メルセデスのロードスター、SLにビッグマイナーチェンジが施され、まもなく日本でも発売される。主な変更点はデザインで、インテリア、エクステリアともによりスポーティになったが、それだけではなくエンジン、ハンドリング、安全性など多くの部分に手が入れられている。ベースのSLの改良に伴い、AMGのSL55がSL63に、またSL65にも変更が加えられ、特にSL63のトランスミッションが7速2ペダルになったことが新しい。さてSLにはCクラスなどの他のメルセデスがスポーツライクになったのに対して、 さらにロードスターらしさを求められる。SL350のV6エンジンは16%出力向上の316psとなり、特に高回転域での伸びがシャープになった。しかも音の変化は劇的で気持イイ!の一言に尽きる。やはりSLはオープントップで乗るべきだ。ノーズの軽い350は軽快でクイック、しかもメルセデスらしい落ち着いたステアフィールは絶妙なバランスだ。SLのメインストリームである。7速トランスミッションはシフトダウン時にはブリッピングをするので変速時のショックもより小さくなった。ギア比はもう少しクロスしていたほうが使いやすいが大きなトルクに支えられて不満はない。またサスペンションとボディの統合制御であるABCシステムの機能は優秀で、最新の電子制御システムの中でも抜群である。その乗り心地とハンドリングの両立はコンベンショナルなシステムでは望むべくもなく、できることならABCはぜひ装着したい。大径のタイヤサイズを感じさせないしなやかさだ。SDカードスロットに音楽の入ったメディアを差し込むとハーマン・カードンのオーディオが素晴らしい音を奏でる。シートに内蔵された首回りに温風を吹き出す新開発のエアカーテンを作動させ、オープンで走れば気持ちのいいことこの上ない。
SL63は自然吸気6.2リットルV8から518psを容易に発生させる。もちろんこのパフォーマンスも凄いが、それに加えて7速のスピードシフトが新しい。これは従来の7Gトロニックを踏襲しながら、トルコンを湿式クラッチに置き換えることでよりダイレクトな変速フィールを実現。変速に要する時間は1/10秒だ。もちろんオートモードもあり、トルコンATと扱いに変わるところはない。重量はマグネシウムを使うなどで80㎏の軽量化を達成している。コンベンショナルはSL350でも十分にスポーツカー然としているが、AMGとなるともはやモンスターマシン。ESPなどの電子制御系安全装備は万全のスタンバイ状態で、滅多なことでは姿勢を乱すことはない。それでもフルアクセルしたときのパワー感は凄いの一言に尽きる。でもこれで驚いてはいけない。6リットルV12にツインターボを組み合わせたSL65はなんと1000Nmのトルクを絞り出すのだ。0-60マイルはわずか3.1秒に過ぎず、レーシングカーも驚く加速性能を発揮する。凄まじい性能だが、ノーズの軽快さでは63には及ばない。いずれにしてもSLシリーズ、ゴージャスなスポーツカーである。
SPECIFICATIONS(SL350)
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:7AT
LENGTH:4562mm
WIDTH:1820mm
HEIGHT:1317mm
WEIGHT:1825kg
WHEELBASE:2560mm
SEATS:2
ENGINE:V6 DOHC
DISPLACEMENT:3498cc
POWER:232kW(316hp)/6500rpm
TORQUE:360Nm/4900rpm
TIRES:255/45R17
文/日下部保雄 写真/メルセデス・ベンツ日本












