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FIAT 500 フィアット チンクエチェント

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流行モノと呼べない完成度の高さ

2004年のジュネーブショーに登場した1台のコンセプト「トレピウーノ」
往年のフィアット500を彷彿とさせるスタイルで反響を呼び、ようやく昨年市販化へ。そして今年、日本にもやってきた!

 昨年7月4日にそのデビューを、国を挙げて祝った新型500(チンクェチェント)。ちょうど50年前のその日に登場したのが、かの 有名なヌォーバ500だった。東京モーターショーに出展されなかったなど、待ちわびたファンをやきもきさせたが、このたびようやく日本で も発表され、プレス向け試乗会も開催されたというわけだ。  率直に言って、歓迎と失望の両面ある日本発表であった。歓迎なのはその値付け。ローンチ記念の200台特別限定車(233万円)はこの際 脇に置いておくとして、1.2Lながら本国でも最上位の装備内容となるラウンジ仕様の、しかもデュアロジック(2ペダルのセミAT)が225万 円で提供されるに、まずは胸をなで下ろした。もちろん、これだけではまだ少し高い気もするが、近い将来、200万円を切るグレードの設定 も予定されている。そのあたりへの期待もこめて歓迎としたい。

 失望したのは、ある程度予想は付いていたものの、オプション内容が限られていることだ。ヨーロッパでも納車待ちの長い行列ができて いるという人気モデルだけに仕様をあらかじめ絞って輸入する必要があった上に、あれもこれもじゃ価格設定も難しいことになりうるだろ う。日本市場というパイの、イタリアの乗用車にとってはとても小さく感じられるマーケットに向けて、本国ほどに潤沢な選択肢が用意で きないことは理解できる。

 ただ、パンダのときのようにボディカラーは全12色欲しかったし、インテリアトリムも15種類全部とは言わないまでも数種類は設定して 欲しかった。ホイール9種類、愉しく着飾るボディステッカー19種類なども同じ。およそ55万通りの500が生まれるというところにも楽しさ があったわけだから、何とか工夫してもらいたいものだ。

 ボサノバホワイトの特別限定車SSに試乗した。ラインナップモデルとの違いは、ボディ同色サイドモールやフロントフォグランプ、メッ キカバー付ヒーテッドミラー、フルオートエアコン、パーキングセンサーの有無である。もちろん、装備が充実している方がSS。白の他、 赤と青の設定がある。青もしくは黒のチェック柄をメインとしたインテリアのイメージは変わらない。

 試乗して改めて思ったのは、非常によくできた扱いやすい実用車であるということだ。ベースとなったパンダより明らかに静かで、地に 足のついた落ち着きのある走りをみせる。トレッド拡大など物理的な影響も大きい。それでいて、パンダに特徴的だった懐の深い走り味は 健在だから、2ペダルセミATの低速時におけるマナーや、完全オートマチックとした場合の変速におけるギクシャク感を除けば、ファンショ ンカーとだけ断じるのはもったいない話だと思う。実用コンパクトカーとしてよくできていた50年前のヌォーバ500ともシンクロするコンセ プトだと言えよう。

 ポケモンのように愛くるしい表情に、ユニークで見栄えのいいインテリア、よくできたシート、滋味あふれる走りのテイスト、など、流 行ものに終わらせない完成度の高さが500にはある。

 

SPECIFICATIONS(1.2 8V Lounge)
PRICE:2,250,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:5Semi-AT
LENGTH:3545mm
WIDTH:1625mm
HEIGHT:1515mm WEIGHT:1010kg
WHEELBASE:2300mm
SEATS:4
ENGINE:INLINE4 SOHC
DISPLACEMENT:1240cc
POWER:51kW(69ps)/5500rpm
TORQUE:102Nm(10.4kg-m)/3000rpm
FUEL CONSUMPTION(10・15MODE)15.6km/L
TIRES:185/55R15

文/西川 淳 写真/尾形和美

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ステアリングやシフトコンソールパネル、オーディオとエアコン吹き出し口のコンビネーションカラーはアイボリー、またはブラックに統 一される。シートは1960年代500Fの2トーンエフェクトシートと同じ手法を採用。座面にはダークカラーのファブリックを、上方の半月形部 分とヘッドレストはハンドルと同色にアレンジする。ラゲッジルームは容量185L、分割可倒式の後席格納時には最大容量550Lとなる。クロ ームパーツやフォグランプ、フルオートエアコンなどを標準装備する日本上陸記念の200台限定車Lounge SSはすでに完売という。