CITROEN C5 シトロエンC5
トレビアン! われわれのフランス車イメージのど真ん中にある
昨年のフランクフルトショーに登場したコンセプトモデル「C5 エアスケープ」のフォルムを生かし
C5が約8年ぶりのモデルチェンジ。C6の利点を生かしさらに上級に変身している
新型C5のコンセプトカー写真を見た時、“お、変わったねえ、雰囲気が。ちょいとドイツ車っぽくないか”なんて思ったものだ。
生産型の装いを見ても、押しの強い立体的な顔立ちや骨太なホイールとミラーのデザイン、目立つメッキパーツ、マッシブなフェンダー
ライン、そしてベルトライン下がどっしりとしていて痩せの無いシルエットなど、いずれもドイツブランドの得意とするところに思えたし
、リアランプ周りやバンパー下のまとめ方だって、どこかBMWっぽいというかアウディっぽいというか。ちょっとレクサス風にも見えたりし
て・・・。
しかし、快晴のリスボンで間近に接し、じっくり乗ったあとの気分は正にトレビアン。シトロエンは相変わらず、われわれのフランス車
イメージのど真ん中にあると言ってよさそうだ。
立派なボディサイズを手に入れた。先代も、M2(欧州D)セグメントにしては大きめで、そのことからもたらされる居住性の高さなどが売
りだったわけだが、そのまま進化を果たしたものと考えていい。全長4.8m超×全幅1.8m超×WB2.8m超というサイズ感はクラス最高レベルで
あり、ほとんどM・ベンツEクラスと比肩しうるもの。
自然の光の下で見ると、マスクの大きさがかなり強調されてみえる。ちょっとしたクーペのようなキャビンデザインと6ライトのサイド
ウィンドウ、凹面状のリアウィンドウ(サルーン)がいかにもシトロエンらしい。お尻がすぼまってみえるセダン(そういえば旧型は5ド
アハッチだった)よりも、リアにボリュウムのあるエステートの方がデザイン的にはまとまりがあるように思えた。リアランプの造形も凝
っているのはワゴンの方。
日本に導入される予定のガソリンエンジン系のメカニズムはほぼC6からのキャリーオーバーと言っていい。特に2L直4+4ATと3LV6+6AT
というパワートレイン系は何の変化も見られない。C6同様にハイドラクティヴ3+を備えるが、本国仕様にはメカサスの用意もある。
よりシトロエンらしさを感じたのは、2Lモデルの方だった。旧型の持ち味である、たっぷりとして懐が深く、優雅とさえ感じる乗り味に
いっそう磨きがかかった。Dセグとは思えぬ広々とした室内、静粛性ははっきりと向上し、手応えも自然なステアフィールはゆっくり旋回中
でも気持ち良さを覚える類のもので、ライド感覚はあくまでもフラット。ハイドロの良さが滲み出ている。ベロアのシートもすこぶるいい
。不満があるとすれば、やはり古くさいパワートレイン。いまどき、4速?
一方、V6車はどうだったか。これはもう“しっかり走る”C6以外の何物でもなかった。要するに、C6の◯と×をそのまま受け継ぎ、ボデ
ィの強さだけ最新型になったというわけだ。
あくまでもフラットなクルージング性はボディの強さによってさらに確かなものとなり、安心して“ぶっ飛ばせる”。反面、低速時のぎ
こちない動きや、やたらと重いノーズなど、ネガもまた増幅されていた。革シートも相変わらずヘタクソだ…。
SPECIFICATIONS
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4780mm
WIDTH:1860mm
HEIGHT:1450mm
WEIGHT:2500kg
WHEELBASE:2820mm
SEATS:5
ENGINE:V6 DOHC
DISPLACEMENT:2496cc
POWER:155kW(215ps)
TORQUE:290Nm(30.5kg-m)
文/西川 淳 写真/プジョー・シトロエン・ジャポン
PSAシトロエンプジョーグループに関して言えば、ディーゼルでは世界の先頭をゆくものの、そのぶんガソリンエンジンには手つかずのよう だ。直4、V6ともに進化らしい進化は見られない。パワートレインを“さぼった”分、内外装の質感向上に力が入った。特にインテリア。最 近のシトロエンの内装は、アウディと並んでデザイン力に優れていると思う。外径に沿って針が動くメーター、センターパッド固定のハン ドル、凝ったデザインのドアトリムなど見どころは多い。でかくなった最大の恩恵はリアシートに現れている。FFのDセグメントとしては異 例にちゃんと座れる。スペース的にはもちろん、背もたれもしっかりと機能していた。日本へは2ボディタイプ同時に秋頃上陸












