MINI CLUBMAN ミニクラブマン
らしさはそのままに実用性をプラス
3月2日、ミニの日に日本でのデリバリーが開始されたミニのワゴン版クラブマン
右サイドとリアゲートにユニークな観音開きのドアをもつ実用性+趣味性を両立したモデルだ
その昔、イギリスの貴族は専用のクルマで猟りに出かけたという。さしずめ2ドアバンともいうべきスタイルで、要するにハンター
(一人もしくはペア)と銃をはじめとする装備類や猟犬などを積み込んでカントリーサイドへと向かう。そういうクルマをシューティング
ブレークと言った。
貴族性を物語るエピソードとして、例えばジャガーやフェラーリのクーぺをワゴンスタイルに改造したスペシャルモデルもあったが、も
っとも手軽なシューティングブレーク(でありそのイメージで楽しむクルマ)の1つがミニベースのトラベラーやカントリーマンだった・
・・。となれば、現代に蘇ったMINI にもそういうモデルがあっていいじゃないか。それがこのクラブマンである。
とはいえ、現代にこのクルマを純粋にシューティングブレークとして捉える人などいまい。そういうコンセプトに基づいた、より実用性
の高いミニだと考えれば判りやすいと思う。
実際、クラブマンを造るにあたって全長が24cm延ばされているが、これが実用性向上にかなり好影響を与えているのだ。
まずは後席の広
さである。ノーマルミニよりもホイールベースが8cm 延ばされたため、それがそのまま後席の足下スペース拡大に充てられた。8cmといえば
握りこぶし一つ分だから、コンパクトなミニの室内にあって相当に余裕ができたように思える。
また、使える後席へのアクセスは、運転席側(右)に設けられたクラブドアとBMWが呼ぶ観音開きの小扉を使えば2ドアよりはるかにラク
。ただ、歩道側でない右側開きということだけが日本の場合(イギリスもだ!)、もうひとつ不便だろう。
残りはラゲッジルームだ。両開きスプリットドアを採用した。全座使用の状態で260L、後席を倒せば930Lもの容量があるというから、実
用上の便利さは相当に確保されたと言っていい。
クラブマンはクーパーおよびクーパーSがベースで、6MTと6ATが用意されるのはベースモデルと同じ。ベース+23万円というのが車体価格だ。
クラブマンクーパーSの6ATに試乗した。当然ながら現行ミニの雰囲気で乗れるというのが第一印象だ。2世代目になった"ニューミニ"で
は、ゴーカート感が薄れよりフツウのクルマとして乗れるように既になっていたが、ホイールベースが延長されたことにより、その感覚が
一層強まった。
乗り心地は、何かを必要以上に感じさせないような程よい硬さに抑えられ、加速時においてもベースモデルよりしなやかな印象である。
そこに過激さはほとんど感じられない。特に感心したのが高速安定性。ベースもかなり改善されていたが、クラブマンになって高速でもマ
トモに走るように。唯一気になったのは、スプリットウィンドウのステー。リアガラスの真中で、視界が妨げられる。
気分よくフツウに走れるようになったらなったで、走りに個性に欠けているように思ったのも事実。無い物ねだりというべきか。いずれ
にせよ、ミニは欲しいが実用性云々が"買えない理由" になっていた人には、クラブマン登場は朗報だ。
SPECIFICATIONS(CooperS Clubman)
PRICES:3,180,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:6MT
LENGTH:3960mm
WIDTH:1685mm
HEIGHT:1445mm
WEIGHT:1250kg
WHEELBASE:2545mm
SEATS:4
ENGINE:INLINE4 DOHC Turbo-charged
DISPLACEMENT:1598cc
POWER:128kW(175ps)/5500rpm
TORQUE:240Nm/1600-5000rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRE:195/55R16
文/西川 淳 写真/篠原晃一












