JAGUAR XF ジャガーXF
欧州Eセグメント最良
昨年のフランクフルトショーでSタイプの後継として発表されたXF
もう間もなく日本へもローンチされる。しかも想像以上の出来のようで・・・
結論から言いたくなるクルマは久しぶりだ。
実際、私は日本に戻るなり、会うクルマ好きに片っ端から触れてまわっている。『ジャガーの新しいやつはライドフィールが素晴らしい
』、と。
正直に言うと、XFのカタチを初めて見たときには“こりゃ相当やばいな”と思ったものである。もちろん、いい意味じゃない。古典的な
モチーフの継続や発展がユーザーの心を捉え損なったとは言え、そりゃないだろうという想いが強かった。特にあの顔立ち。アクの強さや
ユニークさが評価される欧米市場ならともかく、日本じゃダメだろうな、と(基本的にはそこだけ今も同じ気分だが)。
フォルムに関しては、ショーや写真でことあるたびに見て、だんだんと見慣れたというか、積極的な気持ちになっていた。何よりもこの
流麗なキャビンライン(結果的にXKクーペと同じ角度でピラーが立ち上がり、そしてリアエンドに向かって流れ落ちているという!)に惹
き付けられている自分がいた。ひょっとして格好いいかも?
地中海に降り注ぎ波を真っ青に染める穏やかな陽光によって“浮き彫り”にされたXFは、果たして見事な存在感を見せていた。試乗車は
、いずれもV8の自然吸気とスーパーチャージャー付き。XJ&XKシリーズで既にお馴染みのエンジンだ。
エンジンやドライブトレインといった主要メカニズムだけでなく、サスペンションシステムもXKシリーズのものをベースとする。要する
に、走りのベンチマークはスポーツカーであるXKなのだ。ただし、ボディ構造はスチールメイン。
キーケースをもって乗り込む。スタートボタンの照明が赤く灯り、それがどっくんどっくんとまるで心臓のように鼓動する。本当に音が
聞こえてもいいのに、と思いつつON。すると、こんどはシフトダイアルがせり上がり、エアコンの送風口が回転して姿をみせる。走り出す
までの悦びの演出は、これからの流行りになるだろう。
頭上の照明とグローブボックスには新たにジャガーセンスと呼ばれるタッチセンシングシステムを導入した。触れると光る開くというも
の。新しさを細かく演出してみようということか。
オーディオはスタジオ用高級機材で有名なBowers&Wilkins。各種最新AV周辺機器のインターフェースも充実している。
ダイヤルをDレンジに回し、スタート。ちょっと荒れたニースの町中の路面を、いとも涼しげにクリアしていく。接地感に優れ、リニアリ
ティも申し分ない。フラットなライドフィールで爽快だ。
高速道路では、ドイツ車とはまた違う、委ねられた安定感をみせる。何が何でも路面に押し付けるのではなく、ある程度ドライバーの腕
に直進することを任せるという感覚は、ジャガーならでは。
ワインディングを攻め込むと、爽快さはいっきに快感へと昇華する。エンジン種類に関わらず高級サルーンであることを忘れて知らぬ間
にドライビングに熱中する自分がいる。本当によくできたドライバーズサルーンだと思う。
恐らく今、欧州Eセグメント最良の選択肢だ。
SPECIFICATIONS(4.2V8)
PRICES:8,700,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4961mm
WIDTH:1877mm
HEIGHT:1460mm
WEIGHT:1749kg
WHEELBASE:2909mm
SEATS:5
ENGINE:V8 DOHC
DISPLACEMENT:4196cc
POWER:219kW(298ps)/6000rpm
TORQUE:411Nm/4100rpm
USE FUEL:PREMIUM
文/西川 淳 写真/ジャガージャパン











