CADILLAC CTS キャデラックCTS
ステレオタイプなイメージとの決別のとき
2代目となるCTSがようやく日本にも上陸した。クリーンでワイルドなスタイル、質感の高い内装
欧州のライバルCクラス、3シリーズ、A4に真っ向勝負できる新世代のアメリカ車だ
ためしにどこかで旧型CTSの様子を覗いてから、新型を見物にディーラーへ出かけて欲しい。クルマを良く知らない人なら単なるス
キンチェンジにしか見えないかも知れない。けれども貴方にモノを見抜く力があれば、新しいCTSに尋常ならざる進化の痕跡を見つけ、その
劇的なまでに変化した空気をめいっぱい吸い込むに違いない。
キャデラックはこのCTSをもってブランドリニューアルの新ステップに突入した。アメリカ車らしさ、モダンキャデラックらしさをまった
く隠さない、否むしろ大胆なまでに強調したスタイリング。ディテールの質感(ライトやメッキパーツなど)は引き上げられ、目立たない
ことを潔しとしない。インテリアには更に目を見張る。旧型と比べれば数世代の違いを感じる。新型アウディA4が登場した今となっては文
句ナシに1番とは断言できないが、それでもこのクラスでダントツの仕上げと言っていい。日本仕様にはポップアップ式のナビシステムが装
備された。
導入されるグレードはエンジン違いの2.8L V6 と3.6L直噴V6の2モデル。いずれもヨーロッパ仕様がベースで、今のところ左ハンドルのみ
だ。それゆえ、透明のリア周りウィンドウや灯火類が以前、本誌でも紹介したアメリカ仕様の先行試乗リポートのモデルとは異なっている
。少しだけ"いかつさ"が薄らいだように見えるから、プライバシーガラスの有無が雰囲気に与える影響は大きい。
試乗したのは3.6Lモデル。18インチの高性能サマータイヤにザックス製ニボマットダンパーをリアに組み込んだ、本国では所謂パフォー
マンスパッケージと呼ばれる最上級グレードである。
派手とも言えるインテリア。これだけ賑やかで主張が強くなると好き嫌いがはっきり分かれるかも知れないが、各部の仕上げは良好だ。
特にナビ周辺の処理が細やかで機能的。収納時も基本情報だけ見せる方法はなかなか上手いと思った。
クラストップレベルのパフォーマンスを持っていることは事前に知っている。日本の道での使い勝手ぐらいを見極めればいいか、と思っ
て乗り出したら驚いた。アクセルレスポンスやパワーステアリングのチューニングがアメリカで乗ったときよりもしっとり系に振られてい
る。アメリカ仕様を乗った際には、何が何でもガツンと反応するアクセルレスポンスや、極めてアメリカ人好みの機敏なステアフィールに
、ちょうど初期の日産スカイラインのように違和感を覚えたものだったが、それがある程度抑え込まれたように感じられた。
総合パフォーマンスは欧州Dセグメントのプレミアムモデルに決してひけを取らないもの。鮮烈な印象を残したハンドリングや安定感たっ
ぷりの走りも健在だったから、ヨーロッパ仕様になってさらに印象が良くなったと言える。
ステレオタイプのアメ車感、キャデラック感は捨てるべきときがやってきたようだ。高性能バージョンのCTS-Vには何と558PSの6.2Lスー
パーチャージャー付エンジンが積まれる。ベースモデルのデキの良さが伺えるというものだろう。
SPECIFICATIONS PRICES:6,200,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4870mm
WIDTH:1850mm
HEIGHT:1470mm
WEIGHT:1810kg
WHEELBASE:2880mm
SEATS:5
ENGINE:V6 DOHC
DISPLACEMENT:3564cc
POWER:229kW(311ps)/6400rpm
TORQUE:374Nm/5200rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRE:235/50ZR18
文/西川 淳 写真/尾形和美
ポップアップ式のHDDナビ&オーディオはアップル社、BOSE社と共同開発したもの。今や5.1チャンネルのBOSEのサウンドシステムを装備す るクルマは珍しくないが、そもそもの発端はキャデラックからはじまったものだという。それだけにその音の良さは群を抜く。またさらに iPodとの連携も秀逸。瞬時に自分のオーディオライブラリが画面に表示される。BOSE、アップル、そしてキャデラック、アメリカの3大ブラ ンドのタッグによって、現段階では最強の純正オーディオだ。遅れて2.8Lモデルも導入予定でこちらにもこのシステムを標準装備。よりコ ンフォート仕様の足回りを採用するようで、快適性重視のリラックス派にはそちらがいいかも











