BENTLEY BROOKLANDS ベントレー ブルックランズ
“優雅”の二文字に尽きる
ブルックランズとはかつてベントレーがレースで活躍した英国の伝統的なサーキットの名称だ
アルナージのクーペ版シリーズのトップモデルにふさわしいその贅沢さにもうため息しか出ない・・・
反りたったマスク、薄いサイドグラス、寝かしつけられたリアエンド。ベントレークーぺの伝統的な作法だ。継ぎ目のないボディワークが深く彩られて何とも言えぬオーラを発散する。台あたりの生産所要のべ時間は660時間。内装のウッドだけでも1ヶ月かかる。3割のオーナーが追加の"ニューコレクション"として買い求め、25%がクルー工場を訪れる。これぞ、モノより想い出。
メカニズム的には08年アルナージTを"チューンナップ"したものと考えていい。伝統の6.75L V8ツインターボエンジンは530PSにパワーアップされている。低回転域からのトルクのノリも随分と急だ。併せてシャシー&ブレーキ性能も大幅に引き上げられた。
特にブレーキが凄い。オプションのカーボン/シリコンカーバイド・ライトウェイトブレーキシステム(コンチネンタルGTのダイアモンドシリーズで登場済み)を選べば、アルコンの2ピースビックキャリパー(8ピストン)と内製のカーボンディスク(前420φ後356φ)が組み合わされる。乗用車用としては最大級であろう。
車重が2.6トンにも関わらず、そのパフォーマンスはスーパーカー級だ。0→60mph加速は5 秒フラット。最高速も296km/hに達するという。
見慣れた(といってもアルナージTやアズールを以前に試乗したことがあった、という意味だが)室内に腰を落ち着けたものの、心がまるで落ち着かないのはこの手のハイエンドモデルを試し乗りするときの常だ。身分不相応ってやつをこれほど感じさせるクルマは他にロールスロイスしかない。
キーを差し込み、スターターボタンを押す。野太い排気音がいっとき耳をくすぐる。ずっしりと冷たい感触のセレクターレバーをDレンジへ。小心者ゆえ"南無三"といった心境である。
ところが、走り出すとどうだ。まるで大きさを感じさせない。アルナージ系に比べて随分と"幅広く""引き締まった"印象である。地面に近く、フラットなライドフィール。スポーツカーのように低く伸びるキャビンを、中(運転席)からも認識できるからなのかも知れない。
ところが、走り出すとどうだ。まるで大きさを感じさせない。アルナージ系に比べて随分と"幅広く""引き締まった"印象である。地面に近く、フラットなライドフィール。スポーツカーのように低く伸びるキャビンを、中(運転席)からも認識できるからなのかも知れない。
そして、パワフルだ。セレクターレバーのBマークを押してSレンジにすると、リアが滑るほどに過激だ。ESPもスポーティなチューニングで、決して下品な介入をしない。ドライバーズカーであることをクルマの方から教えてくれる。
信じてもらえないかも知れないが、ハンドリングカーでもあった。大柄であるにも関わらず、ひらりひらりとトスカーナの狭いワインディングをこなしてゆく。時間の経過とともに体が馴染み、一体感を増すのはベントレーならでは。
これほど気持ちのいい走りを楽しめる理由の一つに強靭なブレーキシステムの存在が挙げられよう。アルナージ系とは違って、積極的に踏めて効くブレーキが、積極的な走りをもたらすのだった。
もちろん、このクルマが最も気持ち良く走ってくれるのは、120km/h前後のクルージングである。そこでの走りは"優雅"の二文字に尽きる。
SPECIFICATIONS PRICES:40,700,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:5411mm
WIDTH:2078mm
HEIGHT:1473mm
WEIGHT:2655kg
WHEELBASE:3116mm
SEATS:4
ENGINE:V8 TWIN-TURBOCHSRGED
DISPLACEMENT:6761cc
POWER:395kW(537ps)/4000rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRE:255/40ZR 20
TORQUE:1050Nm/3200rpm
文/西川 淳 写真/ベントレージャパン












