VOLKSWAGEN PASSAT TSI COMFORT LINE フォルクスワーゲン パサート TSI コンフォート ライン
隠れた名車が秘かにパワーアップ
地味な存在ながら日本でも着実に販売台数を伸ばしているパサート/ヴァリアントに、ターボチャージャー付きTSIモデルが登場
エントリーグレードとはいえインテリアデザインにマッチした最新のカーナビを搭載するなど、トピックの多いモデルだ
日本じゃ地味だけど世界じゃ凄い、なんて一台。Dセグメントに収まりきらないオトクなサイズ感が、プレミアムDセグメント以下の
お値段で、というのがパサートクラスのウリ。
主にアメリカ市場で売れなきゃいけないモデルで、だからこそクルマの成り立ちはオーソドックス。奇をてらわない地道なクルマ作りが
要求されるというわけで、セダン&バンに目もくれない日本市場じゃ必然的に目立たぬ存在になってしまう。
さらにVWの場合は、偉大なるゴルフの存在に功罪両面あって、トゥアレグぐらい突き抜けるならまだしも、1つ上ぐらいの差じゃわかり
やすい価値判断ができない。そこがプレミアムブランドとの違い。例えばBMWなら、3より5、5より7の方が一般的に“偉い”と思われて
いる。
そんなパサートだからこそ“こいつに目をつける人は本物志向だね”という知る人ぞ知る方程式が成立していた。秘密の隠れ家というか
隠れた名車。例えば、多くのジャーマンブランドに乗り尽くした人が行き着くクルマ、とか。
一つには価格的なことも大きく影響していると思う。ほとんどEセグメントノリの立派な姿と十二分な居住性、これにドイツ車らしい走り
味が加わって、最新モデルなら新車のお値段329万円~。これってゴルフトゥーラン2.0と同じだし、話題のゴルフGTとの差が20万円もない
。その上、人気モデルじゃないから、中古もお値打ち価格。本物なのに安いからこそ、モノを見る目が備わった人の美味しい狙い目モデル
だったというわけ。
さて。このたび2.0(FSI)に変わる最廉価グレードとして、TSIコンフォートラインというモデルが発売になった。既にアウディA3などで
好評を博している直噴1.8Lインタークーラー付きターボエンジンを搭載するもので、TSIとはいうもののゴルフGTのようなツインチャージャ
ーではない。VWでは一連のガソリンエンジン+過給器付きエンジンをTSIファミリィと位置づけている。
ただし組み合わされるミッションはDSGではなく以前の2.0FSI用と同じ6AT。アメリカ市場の好みや供給量の問題(コスト的にはもうあま
り変わらないそう)、さらにはDSGの今後の展開(7速化など)といった戦略的な意図が見え隠れする。
従来のFSIエンジンに比べて10ps/50Nmアップというだけあって、走りは十二分に快活になった。トルコンATのおかげで低速域の違和感が
まるでなく、気兼ねなく乗れる実用車に仕上がっている。スポーツカーじゃないのだから、全域で過不足ないトルコンATで十分という考え
方だ。
ターボが効く、と言ってもそれはあくまでもトルク増強剤のようなもので、ドッカーンと迫力いっぱいに加速させる性質のものではない
。あくまでも実用上不足のないパワー感を得るためのもの。そういう意味でもATとマッチさせて正解だ。
29.4万円オプションの新型ナビ「RNS510」は画面がキレイだし、新しさも感じられる。操作感にやや難があるが、毎度のことながらナビ
は慣れ。毎日使えばなんとでもなるのだろう。
SPECIFICATIONS(PASSAT/VALIANT)
PRICE:3,290,000/3,450,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4785mm
WIDTH:1820mm
HEIGHT:1490/1530mm
WEIGHT:1440/1520kg
WHEELBASE:2710mm
SEATS:5
ENGINE:INLINE4 DOHC TURBO
DISPLACEMENT:1798cc
POWER:118kW(160ps)/5000-6200rpm
TORQUE:250Nm(25.5kg-m)/1500-4200rpm
USE FUEL:PREMIUM
FUEL CONSUMPTION(10・15MODE):10.8km/L
TIRE:215/55R16
文/西川 淳 写真/尾形和美











