LEXUS IS F レクサス IS F
これまでの日本車とは明確に違う
基本性能に優れたモデルをベースに、よりプレミアムなモデルを作る。メルセデスのAMGや
BMWのM、アウディのRが代表例だが、それに比する日本初のクルマがついに登場した
今年からレクサスに新しい「F」シリーズが誕生する。その先兵として登場したのが5LV8エンジンをISのボディに搭載したIS
Fだ。広報資料によると「F」は富士山の頭文字に由来するとあるが、実は60年代に東富士研究所で開発されたトヨタ2000GTのコード
番号にも「F」が使われていた。つまりトヨタにとって「F」はスポーツカーのスピリットを意味する重要な文字であるわけだ。そし
てこのIS Fから「F」の新しい伝説が始まろうとしている。ちなみに来年くらいには登場するかもしれないV10エンジンのスーパーカ
ーLFAもこの「F」シリーズとなる。
ところでIS Fはプレミアムなスポーツサルーンとして知られるBMW M3とその生い立ちがよく似ている。実際に開発のベンチマーク
は旧型のM3とポルシェカレラ(997)であったという。
試乗会場はあいにくの雨の富士スピードウェイ。 F1を思い出したが、滑りやすい路面を400馬力超のFRで走るのはエキサイティン
グだ。スピードリミッターと統合制御装置VDIMをカットして、思いきりドライビングを楽しんだ。最終コーナーをドリフトしながら
立ち上がり、長いホームストレートでは軽く240km/hを超える。雨でかすんだ第一コーナーのクリッピングポイントを目指してスロッ
トルを踏み続ける。念のため250mくらいの看板でフルブレーキング。何周も同じポイントからフルブレーキングができるのは、いっ
さいフェードしていないことの表れだ。
19インチのスポーツタイヤはブリヂストンとミシュランが採用されるが、試乗車にはミシュランタイヤが装着されていた。ハイド
ロプレーン現象も少なく雨でも安心して走れるが、トラクションコントロールを切っていると、すべてのコーナーでパワードリフト
大会。忙しくステアリングを操作することになったが、パドルシフトのおかげで両手をステアリングから遠ざけないですむのはあり
がたい。まるでレーシングカーのように小気味よくシフトできるのでドライビングの楽しさは倍増する。ATはLS460の8速ATを改良し
て開発されたもの。2~8速ギアはすべてロックアップされ、マニュアル車並みのダイレクト感が味わえる一方、発進のためだけに
1速はトルクコンバーターを使うから日常的には普通のATのようなスムーズさ。スポーツ走行時の変速スピードはフェラーリ599をタ
ーゲットにしたというが、0.1秒という速さは本当であった。
エンジンはLSの4.6LV8をベースに、ヤマハがシリンダーヘッドのチューニングを手がけた結果、 423馬力まで出力を引き上げられ
ている。普段は静かで燃費のよい上品なV8エンジンだが、スポーツモードにスイッチすると相当なパフォーマンスとなる。乗り心地
は一般道路を乗っていないので正しく評価できないが、上質なドライブフィールは ISをさらに進化させた印象であった。
街乗りからサーキットまでフレキシブルなニーズに応える、IS Fには、明確にこれまでの日本車にはない欧州車の香りが感じ取れ
る。
SPECIFICATIONS
PRICES:7,660,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:8AT
LENGTH:4660mm
WIDTH:1815mm
HEIGHT:1415mm
WEIGHT:1690kg
WHEELBASE:2730mm
SEATS:4
ENGINE:V8 DOHC
DISPLACEMENT:4968cc
POWER:311kW(423ps)/6600rpm
TORQUE:505Nm(51.5kg-m)/5200rpm
USE FUEL:PREMIUM
FUEL CONSUMPTION(10・15MODE):8.2km/r
TIRES:225/40R19・255/35R19
文/清水和夫 写真/向後一宏













