DODGE AVENGER ダッジ アベンジャー
迫力と存在感ならDセグメント随一
キャリバー、ナイトロ、チャージャーに続き、ダッジ4車種目となるミッドサイズセダンが登場
競合ひしめくDセグメント市場に、アメリカ車らしい個性的なスタイリングを武器に殴り込む
ダッジブランドのグローバル新展開を担うモデル3車種、今回の主役アベンジャーとキャリバー&ナイトロをまとめて試乗し
たとき、最も好印象だったのがアベンジャーだった。ただし、Dセグメントのサルーンということで、高級プレミアム路線しかマーケ
ットニーズがほとんどない日本では辛いだろうな、というのも印象としてあった。
それゆえ、価格が最大の注目点だと思っていたのだが、最上級グレードの導入とあって、想像よりもちょっと高めの設定(税込み
413.7万円)になっていた。もちろん、V6を積む排気量2.7Lのクルマという観点では、ジャーマンプレミアムブランドはおろか、イタ
リア・フランス系の準プレミアムブランドよりも割安で、国産モデルより少し高いといった位置づけである。ポジションそのものは
間違っていないと思うが、やはり絶対値が高い。せめて税込みで400万円を割れば……。
それはともかく、このクルマの魅力はエクステリアデザインと素直な走りの性能にある。兄貴分チャージャーを意識したスタイリ
ングは、このセグメントとしては異例に迫力があるし、存在感も大きい。人とは違うものを、という選択肢が欲しい人にはもってこ
いである。
クライスラーセブリングとメカニズムを共有する。新世代のFFプラットフォームだ。サイズ的には、ホイールベースでCセグメント
、全長でDセグメント級である。つまり、キャビンスペースを考えると3シリーズ級だが、大きさは5シリーズ並みだということ。アベ
ンジャーを真横から見れば、前後のオーバーハングが主にデザイン的な要求で長くなっているのがよくわかる。
インテリアには、昨今のクライスラーモデルに共通のデザインテイストが感じられる。プラスティックの質感は決して高くないが
、使い勝手やアイデア性(保冷機能グローブボックスやドリンクホルダーなど)には優れている。それにしても、もう少し見栄え質
感が良ければ、エクステリアに見合ったインテリアになったのだが……。外観に迫力があるがゆえ、内装のチープさが目立ってしま
うのが残念だ。
肝心の走りはといえば、走り始めのステアリングフィールが重めなことと18インチタイヤがややオーバーサイズかなと思われる以
外、これといって過不足のない仕上がりである。このスタイリングから想像される以上にしなやかな乗り味をみせる。ちょっとハー
ドに攻め込んでも、けっこう粘り気があって、コントロールしやすい。シャシー性能はそこそこ上等なのだ。スペインで乗ったとき
に思ったように、素性のいいクルマだという印象は変わらなかったが、いかんせん、アピール力には乏しい。エンジンもミッション
も、フツウに過ぎる点が、国産ミッドサイズよりも高い値段で販売されるクルマとしては辛い。
18インチタイヤの乗り味も、これがミシュランあたりならもう少し違うのにな、と思わせるものであった。ブランドはクムホ。せ
っかくのシャシー性能を引き出しきれていないように思う。
SPECIFICATIONS(SXT)
PRICE:4,137,000yen
DRIVE SYSTEM:FF
TRANSMISSION:4AT
LENGTH:4855mm
WIDTH:1850mm
HEIGHT:1485mm
WEIGHT:1560kg
WHEELBASE:2765mm
SEATS:5
ENGINE:V6 DOHC
DISPLACEMENT:2735cc
POWER:137kW(186ps)/5500rpm
TORQUE:256Nm(26.1kg-m)/4000rpm
USE FUEL:PREMIUM
TIRE:215/55R18
文/西川 淳 写真/向後一宏















