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Testdrive

M・ベンツSLクラス【海外試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/05/16

オールアルミボディを量産モデルで初採用

  • M・ベンツSLクラス 走り|ニューモデル試乗
  • M・ベンツSLクラス リアスタイル|ニューモデル試乗
走行状況などに応じてサスペンションを制御するABC(アクティブ・ボディ・コントロール)を装着。ロールを60%以上低減させるという
SLクラスが第6世代に進化した。テクニカル面でのハイライトは、ほぼオールアルミニウムボディの採用、に尽きる。 SLSのような凝ったスペースフレーム構造ではないにせよ、メルセデスのフラッグシップスポーツがアルミボディ構造を採用した意味は大きい。軽量化は、パフォーマンスとエココンシャスの両立に利くからだ。もちろん、パッシブセーフティ性能も上げることができる。

ボディの9割をアルミとした。マグネシウムや樹脂も使っている。AMGになればカーボン樹脂も加わる。いわゆる、ハイブリッドボディだ。ボディ単体で、スチール設計より110㎏軽い。

パワートレインは、CSLやSクラスでお馴染みの、V6自然吸気&V8ツインターボ(いずれも直噴ユニット付き)に7速ATを組み合わせたもの。もちろん、AMGモデルには63(最新のターボとなったが)と65(12気筒! )が準備されている。

パワートレインの息吹が伝わる

  •  M・ベンツSLクラス インパネ|ニューモデル試乗
  • M・ベンツSLクラス シート|ニューモデル試乗
低音スピーカーを前席足元に配置することでルーフ開閉に関わらず良好な音響を実現させる、FrontBassシステムを採用
日本での発表直前にマラガで試乗したのは、SL500(日本名SL550)だった。

最初は70㎞ほど、街中から山間部まで、助手席で過ごしたのだが、これがもう身体が蕩けそうになるくらい具合がよかった。乗り心地がいい、という以上に、気分がいい。オープンにして、音楽を控えめにならして、素晴らしい景色を楽しみながら走る。要素が揃えば、かくも極上な気持ちになれるものか…。

もちろん、ハンドルを握れば、もっと気分がいい。派手すぎず、けれども助手席ほど無関心すぎず、パワートレインの息吹がドライバーに伝わる。心地よいサウンドを棚引かせて、風の巻き込みも最小限にワインディングをリズミカルに抜けていく。アルミ特有のドライな走り質感はなく、どこかしっとり。攻め込めば、電子制御が上手に手助けしてくれて…。SLクラスはやはり世界を代表するスポーツだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード SL500
全長×全幅×全高(mm) 4612×1877×1315
車両重量(kg) 1785
エンジン種類 V8DOHCターボ
総排気量(cc) 4663
最高出力[ps/rpm] 435/5250
最大トルク[Nm/rpm] 700/1800-3500
Tester/西川淳  Photo/メルセデス・ベンツ日本

マクラーレンMP4-12C【海外試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/05/11

最新テクノロジーのオンパレード

  • マクラーレン MP4-12C 走り|ニューモデル試乗
  • マクラーレン MP4-12C リアスタイル|ニューモデル試乗
7速デュアルクラッチ(SSG)とアダプティブダンパーを、走行状況に応じてノーマル/スポーツ/トラックの3段階に設定できるADPを採用
F1トップチームのマクラーレンがいよいよ量産スポーツカーに本格参入する。その第1弾モデル「MP4-12C」は、まさに最新テクノロジーのオンパレードと言うべき驚愕の内容を誇る。

車体の基本骨格にはF1と同様に軽量・高強度なCFRP製バスタブ「カーボンモノセル」が使われ、前後サスペンションやエンジンが搭載されるアルミ製フレームはこれと一体成形されている。

ミッドマウントされるエンジンは、軽量コンパクトなV型8気筒3.8Lツインターボ。最高出力600ps、最大トルク600Nmの強大なパワーは、7速デュアルクラッチギアボックスを介して後輪へ伝達される。サスペンションからはアンチロールバーが廃され、代わりに4輪のダンパーを連関させたプロアクティブシャシーコントロールを装備。LSDも備わらずブレーキステアを搭載するなど、全身にF1由来の独創の技術を満載した。

乱れぬ姿勢はまるで手品のよう

  •  マクラーレン MP4-12C エンジン|ニューモデル試乗
  • マクラーレン MP4-12C インパネ|ニューモデル試乗
軽量化によりエンジン重量は199㎏に抑えられた。高回転になるほど迫力のサウンドを奏でるスポーツエグゾーストもオプションで用意
なにしろ600psのミッドシップである。身構えるなというのは無理な相談だが、いざ走り出すと、快適な乗り心地に緊張が和らいだ。アンチロールバーで規制していない分、アシの動きがしなやかなのだ。おかげで路面追従性は抜群。カーボン製の強固なボディと相まって、縁石を踏み越えても姿勢はまるで乱れない。まるで手品のように。

コーナリングもきわめてソリッド。サスペンションの位置決めが正確無比で、挙動すべてがダイレクト。600psのミッドシップにもかかわらず、立ち上がりで全開にしてスライドを楽しむ余裕すらあった。こんな走りの一体感、初めてである。

気がかりだったエンジンも8500rpmまで一気に回り、ターボのネガはなし。ブレーキも強力だ。 ひけらかしのためでなく、心から走りを楽しみたいと望む真のスポーツカーフリークに乗ってほしい1台。自分でもいつか絶対手に入れたい!

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード MP4-12C
全長×全幅×全高(mm) 4509×1908×1199
車両重量(kg) 1336
エンジン種類 V8 DOHCターボ
総排気量(cc) 3799
最高出力[ps/rpm] 600/7000
最大トルク[Nm/rpm] 600/3000-7000
車両本体価格 2790万円
Tester/島下泰久  Photo/マクラーレン・オートモーティブ

BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス【ニューモデル試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/05/09

初期受注の7割は"ブルーパフォーマンス"

  • BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス 走り|ニューモデル試乗
  • BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス リアスタイル|ニューモデル試乗
JC08モード燃費11㎞/Lと、3Lガソリンエンジン(35i)と比べ約30%向上。尿素水溶液を噴射しNOxを低減するSCRなどを備える
このところのBMWはハイブリッドにディーゼル、そしてEVと“エコカー”対策に余念がない。しかも、価格が戦略的にリーズナブル。もちろん、従来の路線も堅持したままでだ。

世界で最も厳しい日本のポスト新長期排気ガス規制をクリア(もちろんユーロ6も)する最新のディーゼルターボエンジンを積んだX5は、発売後たちまち人気を博し、初期受注では何と7割の X5が“ブルーパフォーマンス”だという。もっとも、現行モデルとはいえ、E70のデビューは2007年だったから、モデル自体の人気もひと息ふた息ついたのちのディーゼル登場ゆえ、7割ど ころか8割、9割になってもおかしくないところ。

最新世代の直噴ユニットを3L直6ディーゼルターボ+8ATに組み合わせ、V8搭載車級の力強さを直6搭載車より3割も好燃費で実現した、というあたりがパフォーマンスのキモ。

日本人のディーゼルイメージを木っ端みじんに

  •  BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス インパネ|ニューモデル試乗
  • BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス フロントシート|ニューモデル試乗
エアロパーツなどを備えるオプションのダイナミックスポーツパッケージ(54万円)にはスポーツシートを装着。ヘッドアップディスプレイも標準化
スポーティな装い(ちょっと派手だなあ)の試乗車。はたして乗ってみれば、重い巨体をモノともしない、また、当然のことながら日本人のディーゼルイメージを木っ端みじんにする、力強くて 歯切れのいい走りを、ほぼ全域で楽しめた。

街中をとろとろと走っているような状況では、たしかにディーゼルエンジンらしいゴロゴロ音が聞こえてくる。振動だって、ガソリンに比べれば小刻みながら伝わってきた。特に、エンジンをか けた瞬間の音は、けっこううるさいほうだ。

けれども、ひとたび、上の回転を使うような場面になれば、驚くほどスムーズにエンジンが回って、軽快のひとこと。速度にノってしまえば、ディーゼルエンジンであることも忘れてしまう。パ ワーのノリの良さ以外は。そして、そのディーゼルパワーを支えるシャシー&サスの良さ。段差の越え方など、高級サルーン以上に極上もんだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード xDrive35d BLUE PERFORMANCE
全長×全幅×全高(mm) 4860×1935×1775
車両重量(kg) 2220
エンジン種類 直6DOHCディーゼルターボ
総排気量(cc) 2992
最高出力[ps/rpm] 245/4000
最大トルク[Nm/rpm] 540/1700-3000
車両本体価格 839万円
Tester/西川淳  Photo/阿部昌也

ジープ コンパス【ニューモデル試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/04/27

日本初となるFFのジープ

  • ジープ コンパス 走り|ニューモデル試乗
  • ジープ コンパス リアスタイル|ニューモデル試乗
CVTにはMT操作が行えるオートスティックを採用。JC08モード燃費は10.5km/Lとされる。なお、パワーガラスサンルーフ付きは308万円
ジープ コンパスは、ジープのエントリーモデルであるパトリオットとプラットフォームを共用するSUVだ。ジープ伝統の7スロットグリルは、各スロットをクロームで縁取り、上級モデルのグランドチェロキー譲りのヘッドライトを採用。Cピラーとともにブラックアウトされたリアドアのノブなど、シティユースをメインに想定したというだけあって随所にこれまでのジープのイメージとは異なるデザインが盛り込まれている。

エンジンもパトリオットと同様の2ℓ直4にCVTの組み合わせ。燃費は10.5km/L(JC08モード)と、いまどきのSUVとしてしっかり2桁を稼ぎ出す。インテリアもエントリーモデルながら、レザーシートやソフトタッチのドアトリムなど、上質な素材が用いられている。

ちなみにこのコンパス、日本に導入されたジープとしては初のFF、2WDモデルである。

“ジープ”をもっと身近に

  •  ジープ コンパス インパネ|ニューモデル試乗
  • ジープ コンパス フロントシート|ニューモデル試乗
インテリアはツートーンでまとめられ、レザーシートを標準装備。助手席のシートバックを倒すとテーブルとしても使える
今年はじめ、ジープ ラングラーの商品企画担当者にインタビューする機会があった。そのときに聞いた興味深い話がある。「アメリカで売れているラングラーの約50%は2輪駆動です」。そもそも日本には2駆のラングラーは導入されていない。インポーターの戦略か、顧客がそう望むからか。ジープ=4WD=オフロードの象徴、実はそんな固定概念にとらわれているのは日本だけで、彼の地の人々はもっとフツーに、スタイルで、足として“ジープ”を捉えているというわけだ。

乗れば良い意味で軽快である。乗り心地も相当に良い。かつてのダッジ キャリバーやパトリオットでは少々不満のあった2L直4+CVTにも驚いた。トルクの出方も不足なく、熟成の感ありだ。

298万円。日本初の2駆のジープは、素直にブランドやカタチで選んでいい、ジープだと思う。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード Limited
全長×全幅×全高(mm) 4460×1810×1665
車両重量(kg) 1450
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力[ps/rpm] 156/6300
最大トルク[Nm/rpm] 190/5100
車両本体価格 298万円
Tester/藤野太一  Photo/向後一宏

ボルボS60 T4 R-DESIGN【ニューモデル試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/04/25

エコ+スポーティな100台限定車

  • ボルボS60 T4 R-DESIGN 走り|ニューモデル試乗
  • ボルボS60 T4 R-DESIGN リアスタイル|ニューモデル試乗
フロントにタワーバーを装着、ダイナミックシャーシー搭載モデルと比べ、スプリングを15%、リアブッシュを20%強化。フロントブッシュは旧型比で400%強化されている
昨年の「S60/V60シリーズ」の発売以来、ボルボのセールスが好調だ。昨年度は対前年比約52%増。過去5年で最高を記録している。それを牽引するのが、XC60を含めた60シリーズで、販売構成比は全体の5割を超えるという。

そのS60をベースにした、100台の特別限定車「S60 T4 R-DESIGN」の日本への導入が開始された。R-DESIGNとは専用のエクステリアやインテリア、そしてシャーシセッティングが施されたスポーティグレードである。

これまで、3L 直6ターボエンジン+AWDのT6にのみ設定されており、装備類を考慮すればそもそもお買い得なモデルなのだが、579万円とS60としては最も高価格帯にあった。そこで、このたび、満を持して1.6L 直噴ターボエンジン+6速DCTを搭載する、廉価なT4にもR-DESIGNが用意されたというわけだ。

R-DESIGN代は、わずかに10万円!

  •  ボルボS60 T4 R-DESIGN インパネ|ニューモデル試乗
  • ボルボS60 T4 R-DESIGN 前シート|ニューモデル試乗
本革コンビネーション・スポーツシートやアルミニウムパネルを備えた専用インテリアを採用
「まず前提として価格に注目してください」。プレゼンテーション会場での、ボルボ広報担当氏の第一声だ。それほどまでに力の入った注目の価格は435万円。例えば、ベースとなるDRIVe(375万円)にナビ+レザーパッケージを組めば425万円、ということは単純計算だが、R-DESIGN代はわずか10万円プラスということになる…安すぎる。

安いからと言って、カッコだけじゃない。R-DESIGNを名乗る以上、ステリングのギア比も足回りもアッパーマウントやブッシュに至るまでマジメに強化している。そこはT6と同じ。乗れば明らにノーマルよりは硬いが、いやな硬さではない。スペックから受けるイメージよりは、ソフトな味付けだとすら思った。

ボルボが先鞭をつけた衝突回避ブレーキ、シティセーフティは標準装備だし、エコカー減税対象車だし、ホントにこの価格、注目である。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード S60 T4 R-DESIGN
全長×全幅×全高(mm) 4630×1845×1480
車両重量(kg) 1540
エンジン種類 直4DOHC+TURBO
総排気量(cc) 1595
最高出力[ps/rpm] 180/5700
最大トルク[Nm/rpm] 240/1600-5000
車両本体価格 435万円
Tester/藤野太一  Photo/向後一宏

ベントレーコンチネンタルGT/GTC V8【ニューモデル試乗】

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環境性能と情感に訴える部分を巧みに両立

  • ベントレーコンチネンタルGT V8 走り|ニューモデル試乗
  • ベントレーコンチネンタルGTC V8 走り|ニューモデル試乗
ダークメッシュグリルやエアインテークを3分割したデザインのロアバンパーなどが12気筒モデルとの違い。"ウイングドB" も赤で差別化
パワートレインは改良キャリーオーバーで、スタイルもほぼ不変。なるほど一流ブランドのフルモデルチェンジは慎重だ、と感心していたら、"本命" の新パワートレイン搭載、とあいなった。

アウディとの共同開発。気筒休止システム付き直噴4L V8ツインターボエンジン+8速オートマチックである。パワースペック的には旧型用W12ツインターボに遜色なく、それでいてCO2排出量はほぼ3分の2に抑えこめた。ダウンサイジング成功。これで"走り" がベントレーらしいなら、もうW12の出番はない、と思ったり…。

しばらくは、W12を併売する。12気筒という記号性を好むユーザーも多く、それはそれで"お金"を取りやすい。というわけで、W12モデルはラグジュアリーサイドを受け持ち、V8モデルでは新たに“ヤング” なスポーツ志向層を獲得したい、というのがベントレーの皮算用。お値段も少し安め。

走りはいたって快活、W12より予想通り軽快

  •  ベントレーコンチネンタルGT V8 インパネ|ニューモデル試乗
  • ベントレーコンチネンタルGT V8 エンジン|ニューモデル試乗
ウッドパネルはダークフィドルバックユーカリプタス(Dark FiddlebackEucalyptus)を採用。センターコンソールもショートタイプとされた
結論からいうと、ボクはもうW12は要らない。確かに12気筒のほうがきめ細かな味わいがあるけれど、V型ほどには官能的に回ってくれない12発にそこまでの思い入れはないし、だったらベントレーは8気筒がお似合いとかなんとか言い張って、12発への欲求は他のブランドで満たすだろう。買えるほどに金持ちであったなら、当然(笑)。まあ、ベントレーもそこが気になっているんだろうなあ。ロールスロイス ゴーストの存在、とか。

走りのほうはといえば、いたって快活、W12より予想通り軽快だった。特に、前アシのさばきに意のまま感が増した。存分にスポーティである。

パワーフィールも申し分ない。ゆるやかに踏み込むと多少、ぽろぽろと雑味が出るが、それもヘルシーさの証拠。それよりも8速クロスレシオATによる小気味のいい加速が嬉しい。ちなみに、気筒休止を感知することはほとんどできなかった。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード GT V8
全長×全幅×全高(mm) 4806×1943×1404
車両重量(kg) 2295
エンジン種類 V8DOHCターボ
総排気量(cc) 4000
最高出力[ps/rpm] 507/6000
最大トルク[ Nm/rpm] 660/1700
Tester/西川淳  Photo/ベントレー モータース ジャパン

アウディA6アバント【ニューモデル試乗】

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環境性能と情感に訴える部分を巧みに両立

  • アウディA6 走り|ニューモデル試乗
  • アウディA6 リアスタイル|ニューモデル試乗
走行性能を切り替えられるドライブセレクトは従来の4モードに加え、3.0TFSIクワトロにエコドライブを助けるエフィシエンシーを採用
セダンより約半年遅れで、A6アバントがフルモデルチェンジされた。アルミとスチールを組み合わせた流麗なボディは先代より約20%軽く、また前後オーバーハングが切り詰められている。 燃費、運動性能の向上はもちろん、自慢のスタイリッシュさにもさらに磨きがかけられているのだ。

設定されるのは、V型6気筒の2.8L直噴エンジンを積む2.8FSIクワトロと、同3Lスーパーチャージャー付きエンジンを積む3.0TFSIクワトロの2グレード。いずれもフルタイム4WDであり、またスタートストップシステムや減速エネルギー回生システムなどを搭載し、燃費を20%以上も向上させている。

特に前者は、ライバルの4気筒ターボ化に対して6気筒を継続。装備、そして価格も戦略的な設定とされており、A4などのモデルからのステップアップ、そしてライバルからのユーザー奪取を狙った意欲作である。

意外に大差アリ。買うなら3.0TFSIクワトロ

  •  アウディA6 インパネ|ニューモデル試乗
  • アウディA6 ラゲージ|ニューモデル試乗
ラゲージスペースは通常565Lから最大1680L。リアゲート下方で特定の動作をすると自動で開閉するオプションも用意される
新鮮味はないが、プロポーションの改善で、自慢のスタイルはさらに洗練された。内装の設えも立派。荷室も含めて、いいモノ感が漂っている。

グレードは2つあるが、お勧めは断然3.0TFSIクワトロだ。エンジンはトルクフルで吹け上がりも爽快。スペック上は大きな違いはないはずなのだが、足回りもしなやかに感じられる。デジタル 感は強いが、快適な走りを味わえるはずだ。

一方の2.8FSIクワトロは、ライバルに対して優位性をアピールしているV型6気筒エンジンが、確かにスムーズではあるが、いかんせん非力なのが残念。試乗したのがオプションの20インチタイヤ装着車だったこともあり、乗り心地やロードノイズも端的に言って期待値には及ばない。使い勝手や走りの質の面で、ライバルより特に秀でているわけではない。見た目重視なら、まあ悪くはないのでは? といったところだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 3.0TFSIクワトロ
全長×全幅×全高(mm) 4940×1875×1495
車両重量(kg) 1890
エンジン種類 V6DOHCスーパーチャージャー
総排気量(cc) 2994
最高出力[ps/rpm] 310/5500-6500
最大トルク[ Nm/rpm] 440/2900-4500
車両本体価格 865万円
Tester/島下泰久  Photo/阿部昌也

フォルクスワーゲン トゥアレグ ハイブリッド/ゴルフ TSIトレンドライン【ニューモデル試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/03/30

2006年のポロから始まったブルーモーションテクノロジー

  • VWトゥアレグ 走り|ニューモデル試乗
  • VWトゥアレグ リアスタイル|ニューモデル試乗
ブルーモーションテクノロジーは現時点でゴルフ/ゴルフヴァリアント(トレンドライン)、パサート/パサートヴァリアント、シャラン、トゥアレグに搭載されている
今やエコのイメージが完全に定着したVWブランドだが、その中で「ブルーモーションテクノロジー(BMT)」とは燃料節約とエミッション低減を指向するプロダクトや技術の“すべて”を意味する。

基本のテクノロジーとしてはTDI(直噴ディーゼルターボエンジン)とTSI(直噴過給ガソリンエンジン)、そしてDSG(デュアルクラッチトランスミッション)があり、それを補っている技術がハイブリッドや電気駆動システム、そして回生ブレーキやアイドリングストップシステムとなる。またエコフューエル(天然ガスエンジン)などの革新技術もBMTというブランドにおいて展開されているのだが、簡単に言うとアイドリングストップ機構とブレーキエネルギー回生システムの2つが備わると「BMT合格!」となる。

現在日本でBMT装備モデルはシャラン、パサート、トゥアレグとゴルフの4車種。今回はトゥアレグとゴルフを試乗した。

VW環境対応技術の最高パッケージ

  •  VWゴルフ リアスタイル|ニューモデル試乗
  • VWゴルフ エンジン|ニューモデル試乗
ゴルフはエントリーグレードのみにブルーモーションテクノロジーを採用、同モデル史上最高の低燃費を実現した。価格は264万円(ゴルフヴァリアントは279万円)
トゥアレグハイブリッドは約2.3トンという車重を感じさせない力強い発進力が魅力。このハイブリッドシステムはエンジンが主で、電気モーターは更にパワーが欲しいときに作動する仕組み。

低回転域から太いトルクを生み出す3Lスーパーチャージャーに、モーターの大きなトルクが加わるのがその強みだ。アクセルペダルに足を軽く乗せるだけでグッと前に進みだす。ラゲージなどのパッケージも損なわれていない。

ゴルフのブルーモーションテクノロジーは1.2LのTSIトレンドラインというグレードに設定されたのだが、乗ってみると105psというスペックが信じられないほどに力強い走りを見せる。ゴルフとしては初のアイドリングストップ機構搭載となるが、再始動のショックが少なくて快適。回生ブレーキも作動の違和感はまったくない。10・15モード燃費は6%向上して18.4km/Lとなった。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード トゥアレグ ハイブリッド
全長×全幅×全高(mm) 4800×1945×1740
車両重量(kg) 2340
エンジン種類 直6DOHCスーパーチャージャー+モーター
総排気量(cc) 2994
最高出力[ps/rpm] 333/5500-6500+46
最大トルク[ Nm/rpm] 440/3000-5250
車両本体価格 898万円
Tester/堀江史朗  Photo/向後一宏

ポルシェ パナメーラGTS【ニューモデル試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/03/23

単なるラインナップの穴埋めにはあらず

  • ポルシェ パナメーラGTS 走り|ニューモデル試乗
  • ポルシェパナメーラGTS リアスタイル|ニューモデル試乗
4ドアGTモデルのパナメーラで、ポルシェが最もスポーティと謳うのがGTS。0-100km/h加速は4.5秒とNAモデルで最速を誇る。エクステリアは専用デザインのバンパーなどを装着しスポーティさを高めた
ターボと4Sの間に位置するパナメーラの新グレード「GTS」は、単にマトリックスの隙間を埋めるための存在ではない。指向しているのはサーキット走行まで含めたスポーツドライビングだ。

パワーユニットは、4S用のV型8気筒4.8L直噴自然吸気エンジンをリファイン。レヴリミットは400rpm引き上げられて7100rpmに。最高出力は30ps増の430psに、最大トルクは20Nm増の520Nmに向上している。7速PDKに、シフトアップ時に点火と燃料噴射をカットすることで変速を速めるシリンダーシャットオフを搭載したのも注目だ。

駆動方式は電子制御式フルタイム4WDである。PASM付きのエアサスペンションはセッティングがハードに振られ、車高も10mmダウンされる。外観は意匠としては、ほぼターボに倣う。ヘッドライトベゼルをはじめ各部をブラック仕上げとしているのが特徴的なアクセントだ。

走りの充足感の高さはまさにポルシェだ

  • ポルシェ パナメーラGTS インパネ|ニューモデル試乗
  • ポルシェ パナメーラGTS インテリア|ニューモデル試乗
4WDを標準装備し、エアサスペンションと各ダンパーの減衰力を調整するPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)が採用された。PASMは3段階(コンフォート、スポーツ、スポーツプラス)から選択可能
見るからに精悍な外観に、各部に「GTS」ロゴが入れられて気分を昂らせる内装。高まる期待を、パナメーラGTSの走りは決して裏切らない。

高回転型にしつけられてトップエンドでのさらなるひと伸びを手に入れ、新採用のサウンドシンポーザーが室内に快音を届けるエンジンの何と気持ちの良いことか。ますます小気味良い変速ぶりを見せるPDKと相まって、切れ味は抜群である。それに輪をかけて心酔させるのが痛快なフットワークだ。日常域ではしなやかかつフラットな快適な乗り心地を提供する一方、「SPORT PLUS」モードで攻め込めば、掛け値なしにステアリングとスロットルの連携で、どんな姿勢も思うまま。5m弱の全長のことなど忘れてしまう。

ブランド車としてというより、スポーツカーとしてのポルシェに思い入れている人が買うべきパナメーラ。それは間違いなく、このGTSである。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード パナメーラGTS
全長×全幅×全高(mm) 4970×1930×1410
車両重量(kg) 1940
エンジン種類 V8DOHC
総排気量(cc) 4806
最高出力[ps/rpm] 430/3500
最大トルク[ Nm/rpm] 520/6700
車両本体価格 1554万円
Tester/島下泰久  Photo/ポルシェジャパン

スマートフォーツー ブラバス エクスクルーシブ【ニューモデル試乗】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2012/03/21

効率的な存在をあえてToo Muchに仕立てた

  • スマート ブラバス 走り|ニューモデル試乗
  • スマート ブラバス リアスタイル|ニューモデル試乗
専用デザインのエアロパーツやセンター出しのデュアルクロームエグゾーストを装着。インテリアも本革シートやアルミ製シフトレバー&パーキングブレーキレバーなど備えた
“BRABUS(ブラバス)エクスクルーシブ”はスマートフォーツークーペ/カブリオをベースに、M・ベンツチューナーであるブラバスが手がけた限定車だ。ドイツ本国で「ブラバス テイラーメイド」という名称で用意されているオプション装備を日本向けにパッケージ化したもの、と理解して良いだろう。

1L3気筒エンジンにターボチャージャーを装着し、最高出力は102psとベース車両比+40%以上となっている。パワーアップにともない足回りを強化したほか、当然のことながら内外装にブラバスパーツをまとう。

スマートフォーツークーペ/カブリオの“都会派コミューター”という効率的な存在に、あえてToo Muchなパフォーマンス/アピアランスに仕立てている。“あえて”というコンセプトは人気で、カブリオは50台、クーペは200台の限定販売と発表されていたが、既にカブリオは完売だという。

操る楽しさを改めて教えてくれる“乗り物”

  •  スマート ブラバス インパネ|ニューモデル試乗
  • スマート ブラバス エンジン|ニューモデル試乗
チューニングが施されたエンジンはベース比約44%(31ps)出力が向上。併せてミッションもクラッチ容量を拡大、1-4速のシフトスピードを20%短縮した
走らせた瞬間、笑いがこみ上げてきた。102psと聞くと大したパワーではないが、880kg(カブリオ)のボディには十分すぎる。“シュゴーッ”という吸気音を微かに響かせながら爆走する様は、唯一無二。

パワーアップにともない引き締められた足回りは当初ドタバタしているように感じたが、走らせるにつれガッチリと路面を捉えていることに気付かされる。言うなれば下半身は安定していて、上半身がヒョコヒョコしている雰囲気だろうか?

洗練とは無縁かもしれないが、シティコミューターに似つかわしくない走りっぷりに誰もが興奮させられると思う。初めて自転車に乗って操る楽しさ、風を切る快感を覚えた感覚に似ているかもしれない。車とは違う、“乗り物”に出会ったかのようだ。経済的、効率的というコンセプトを覆すようなToo Muchさは、遊び心以外の何物でもない。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード カブリオ ブラバス
全長×全幅×全高(mm) 2750×1580×1530
車両重量(kg) 880
エンジン種類 直3DOHCターボ
総排気量(cc) 999
最高出力[ps/rpm] 102/6000
最大トルク[ Nm/rpm] 147/2500-3600
車両本体価格 290万円
Tester/古賀貴司  Photo/阿部昌也

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