JAGUAR XF ジャガー XF
本気で欲しくなる完成度の高さ
Sタイプの後継となる新世代サルーンXFがようやく日本に上陸した
評価の高いXKとプラットフォームを共用、その乗り味はドイツライバル勢をも凌ぐ
私が考えるに、人間の文化的憧れというのは世代間で大きな違いがあって、例えば今の40代ぐらいの日本人は“チョイ悪ファッション”? ことイタリア文化への憧れがかなり強いが、戦後生まれの60歳以上世代は微妙に違ってたりする。もっとクラシカルで王道を行く文化、例えば「シャネル」「バゲット」をイメージさせるフランスや「ダンヒル」「007シリーズ」をイメージさせるイギリスへの憧れが強く、クルマもジャガーやアストンマーティンへの憧れが強かったりするのだ。
具体的には60年代のマークⅡや葉巻を4本並べたようなスタイルのXJ。あの丸目ヘッドライトを持つ、イギリスならではの優美なフォルムに対する人気は根強く、しかもその傾向は世界的で、ジャガーはつい最近までそれにひっぱられてきた。それは今のXJサルーンやXタイプ、Sタイプのスタイルを見れば一目瞭然であり、要するに“懐かしく美しい”が最大のレゾンデートルだったのだ。
だがここ数年、ジャガーは変革期に来ている。デザインテーマをドラスティックに変化させ、「クラシカル」から「モダン」へ、「古くさい」から「イケてる」にチェンジしようとしている。それが2年前に生まれたスポーツカーの新型XKであり、スポーツサルーンのXFなのだ。
とにかくそのスタイルを見てほしい。網目グリルやエンブレムこそ懐かしのジャガーだが後は全然違う。小径プロジェクターヘッドライトを横に繋げたヘッドライトやサイドに流れる躍動的なクサビ型フォルム。もちろん全体に流れるエレガントさは健在だし、フロントフェンダーのエアインテークにしろクラシカルなディテールが随所に見られるが、全体のモチーフが全く違う。細かい話、リアのリーピングキャットまでジャガー初めての横姿勢であり、中でもリアスタイルは、一瞬、今のアストンマーティンすら思い起こすクーぺスタイル。歴代XJサルーンとは全く違い、事実、このデザインをプロデュースしたのは、アストンから移籍してきたカリスマデザイナーのイアン・カラム。“血”は争えないのかもしれない。
走りも大きく変化している。というよりこちらは、昔のスポーティかつエレガントな味に、さらに“重厚さ”“質の高さ”が倍加されたと言った方がいい。そのXK譲りの最先端鋼材を使ったボディは、独特の剛性感と軽さを合わせ持ち、路面からの衝撃をしなやかに吸収する。特にステアリングフィールの滑らかさ、剛性感ったらなく、まさしくメルセデスやBMWに匹敵する質の高さだ。
さらにエンジンが凄い。これまたXK譲りの243馬力の3LV6と304馬力と426馬力の4.2.LV8のスーパーチャージャー有り無しが選べるのだが、物凄い滑らかさとトルク感。パドルシフト付き6ATと相まってドイツ製サルーンに負けない動力性能を発揮する。
実はイメージ通りのクラシカルな側面とロンドンのクラブカルチャーに代表されるモダンな一面を併せ持つイギリス。XFはモダンでイケてる後者が作ったクルマなのかもしれない。
SPECIFICATIONS(4.2 Premium Luxury) PRICES:8,700,000yen
DRIVE SYSTEM:FR
TRANSMISSION:6AT
LENGTH:4970mm
WIDTH:1875mm
HEIGHT:1460mm
WEIGHT:1800kg
WHEELBASE:2910mm
SEATS:5
ENGINE:V8 DOHC
DISPLACEMENT:4196cc
POWER:224kW(304ps)/6000rpm
TORQUE:421Nm/4100rpm
USE FUEL:PREMIUM
FUEL CONSUMPTION(10:15MODE):6.8km/L
TIRE:245/45R18
文/小沢コージ 写真/篠原晃一











