無類の本好きから見た電子書籍とは
米光一成 Kazunari Yonemitsu
ゲームクリエイター/立命館大学映像学部教授/ライター
1964年生まれ。大学卒業後、ゲーム制作会社コンパイルに入社。『ぷよぷよ』『トレジャーハンター』シリーズなどを手がけ、スティングに移籍後、『BAROQUE』などのゲームを監督。現在ネットワークゲーム・携帯コンテンツ・WEB記事の制作など幅広く活躍中。主な著書に『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』(ベストセラーズ)、編著『デジタルの夢でメシを食うためにボクらは!』(マイクロマガジン社)、共著『恋愛ふいんき語り』(ポプラ社)など。
●米光一成公式ブログ「こどものもうそうblog」
http://blog.lv99.com/
●米光ラジオ(平日毎日24時30分~25時・Twitterで開始予告)
https://twitter.com/yonemitsu
昨年10月に日本でも発売がスタートし、雑誌・新聞市場への影響が取沙汰された米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」。米光さんは発売直後に購入している。
「通常であれば、発売されてすぐには買わないんですよ。キリがないから。キンドルもしばらく様子を見るつもりでした。ところが、飯田くん(※1)という友人が深夜0時過ぎに電話をかけてきて『キンドルすげぇ。これで人が死ぬ!』、『もうPCは終わった!!』と言うんです。さっぱり意味がわからなかったけれど、ここで買うとそのこと自体が面白いなと思ったんですね。『飯田くんが大騒ぎするから買ったけど、全然ダメじゃん』というオチでも、それはそれで愉しいなと(笑)」
"本好き"は、電子書籍に抵抗が強いイメージがある。だが、米光さんにとっては紙の本と電子書籍は優劣を競い合うものではないという。
「キンドルでは『青空文庫』(※2)からダウンロードした太宰治の作品を読んでいます。家に文庫本があるんですが、昔買ったものなので紙も黄ばんでいるし、字が小さくて読みづらい。その点、キンドルはフォントサイズもそれなりに大きいし、作品によってはサイズを変えることもできる。僕にとっては単純に"読みやすい本"という位置づけですね」
自分との相性さえ良ければ、ツール自体は何でもいい。その「ツールに貴賤なし」というスタンスが、新たな発想を呼び込む土台となっているのかもしれない。
※1ゲームクリエイターの飯田和敏氏。代表作に「アクアノートの休日」「太陽のしっぽ」など。
※2インターネット電子図書館。版権が消滅した文学作品などのテキストをWebからダウンロードできる。






