デザインと機能を両立させた“異形”のマッサージソファ
このソファには圧倒的な"キモチイイ"がある
マッサージソファEP-MS40/Panasonic
デザインに注目が集まるが、「もみ」「ソフト指圧」「たたき」というこのジャンルのアイテムの必要十分条件を満たし、スタート時には肩位置の自動確認も。座面下には、ふくらはぎと足裏を包むエアマッサージャーが必要なときのみ引き出せるよう、収納されている。オープン価格
http://panasonic.jp/massage_chair/sofa/
デザインと機能を両立させる。モノにおいて本来当然のことではある。だが、その当たり前のことが、「マッサージ椅子」というジャンルにおいては通用しなかった。「マッサージ」という特殊な機能さえ充実していればいい。少なくとも作り手はそう考えているように見えた。通販番組のMCがどれほど「デザインもいいですねぇ」と連呼しても、視聴者側にはぬぐいきれない違和感が残る。そんなジャンルのアイテムだった。
あるジャンルの文化の醸成度を測るのは、さして難しいことではない。極端に言えば多様なイメージが想像できるかどうか。その点において「マッサージチェア」は、他のジャンルのアイテムの後塵を拝してきた。イメージされるのは温泉旅館で見かけるあの茶色い姿ばかりだったのだ。
だが進化は突然訪れる。昨年発売されたパナソニックの『マッサージソファ』は、それまでの「マッサージチェア」のイメージを過去の物にするだけの力が十分にあった。一見普通のソファに見えるという"異形"がそこにはあったのだ。11月にはユナイテッドアローズとコラボレートした『プレミアムカバー』も2000枚限定で発売されたが、こうしたアイテムがなじむということ自体、過去の"マッサージ椅子"からは考えられないデザインということに他ならない。
デザインは日常に潜むものであり、日常のなかに入り込む。つまりデザインとは日常を決定してしまう性質のものである。国内メーカーの家電製品において最大の弱点はここにあった。この10年ほど、北欧の家具や家電がもてはやされたのは、ひとえにそのデザイン性が際立っていたからだった。機能では決して劣っていないのに、もてはやされるのは「北欧のデザイン家電」ばかりだった。
作り手やその背景に、どんな脈々としたストーリーがあろうとも、「突然訪れた」と思えるほどの変化がなければ、その進化は伝わらない。車で言えばそれほどのインパクトがあったのは、古くはフォルクスワーゲンTYPE1であり、最近で言えば日産・GT‐Rくらいだろうか。
あとは常識を覆す"異形"がスタンダードになるかどうか。こればかりは、時代を経て初めてわかる。だが定番定着化してから手に取るより、先行して手に取った方が愉しいに決まっている。






