EDGE Wave Sensor~先進と笑止の狭間に収まるiPodドック
聖夜に走るか、新年に備えるか。伝説のラジカセが甦る
iPod BoomBox i931/LASONiC/CONRAN SHOP
1980年代に流行したラジカセの名機『LASONIC』をiPod用ドックとして復刻させた。高音・低音が独立調整可能。iPodのほか、MP3ファイルはUSBメモリ、SD、MMCに対応し、アラーム/スリープ機能やリモコンなども。機能面でわざわざ「ヘッドフォンジャックアウトプット」や「マイクロフォンインプット/ボリューム、エコー調節可」などと謳うディテールもノスタルジーを喚起する。並行輸入品も出回っているが、正規輸入品以外は国内保証対象外となるので要注意。3万1290円
http://www.conran.ne.jp/
1980年代に爆発的人気を博した伝説のラジカセがあった。『LASONiC TRC-975』。「ダブルデッキ」「オートリバース」「録再可能」「10バンドグラフィックイコライザー」という、このポータブルオーディオは持ち運び(ギリギリ)可能な当時の最高スペックの「イケてる」アイテムだった。姉妹機に『TRC-931』というシングルデッキのギアもあったが、当時の「ストリートのキッズ」たちにとって「ラジカセ」の最高峰は間違いなく「975」だった。
それから20年以上が経ち、当時ストリートにたむろしていた「キッズ」はビジネスの中枢を担うポジションに就いた。多忙な日常の隙間に、当時持っていた夢想する気持ちとスタイルを取り戻せる機会がやってきた。
『iPod BoomBox i931』。当時の"ラジカセ"スタイルを忠実に再現した、iPod用ドックである。当時のサイズと色使い――スタイルをそのままに現代のオーディオのど真ん中を走るiPodに適応させた。USB接続でiPod以外のMP3プレーヤーの音源も楽しむことができるオーディオギアであり、"男の趣味のインテリア"にもなり得るアイテムである。
惜しむらくはイコライザー。この"復刻版"では、そのまま無段階で操作できるツマミ型イコライザーは姿を消し、代わりに「POP」「CLASSIC」「ROCK」「JAZZ」などのプリセットEQが備えられている。当時の「キッズ」たちは、自分好みの音を試行錯誤しながら模索していた。どの周波数帯をどうイジれば音像がどう変わるのかを興味半分で体験できたが、この最新機はすぐさま完成型の音をセレクトできる。
自らのノスタルジーに浸ることができるアイテムであるのは言うまでもない。だが、このアイテムは、ほんの20年前に起きたムーブメントや物語を口にして次代へのギフトにすることもできる。聖夜に走るも良し、新年に備えるも良し。テクノロジーの進化を転がすように受け入れることは、個の、そして文化のさらなる進化につながっている。






