ゲームクリエイター・米光一成が勧める「世界を"遊び場"に変える3冊」
世界を"遊び場"に変える3冊
躊躇なく新たなフィールドに飛び込み、"遊び場"に変え続けている米光さん。どうすれば、思いもよらない切り口で発想し、「面白い」を見出すことができるのか。米光さんが選んだ「世界を"遊び場"に変える3冊」はこれだ。
科学という単語には、どこか権威的なイメージがつきまとう。だが、そんな先入観をあっさりと覆すのが『サはサイエンスのサ』だ。著者はサイエンスライターの鹿野司氏。15年以上にわたり、「SFマガジン」(早川書房)で連載しているコラムをまとめた科学エッセイ集だ。
「科学的なものの見方や思考の過程を追体験できる本です。専門書にありがちな"科学のための科学"のような小難しさがなく、文体も『~だよね』と、くだけていて読みやすい。SF映画に登場する"テレパシー・マシン"がじつは実際に研究されている……といったワクワクするエピソードがたくさん登場します。自分の専門分野から遠いジャンルの本を読むと、違う視点を手に入れることができる。僕自身もそうなんですが、根っからの文系という人にこそ、ぜひおすすめしたいです」
『天才 勝新太郎』。豪放磊落なエピソードの数々で知られる、昭和の名優・勝新太郎。その役者人生、映画制作者としての生涯を辿る。「既存の映画の常識を徹底的に破壊」することで頂点に上り詰め、己の理想を追求するあまり破滅に向かう。その混沌と狂気の現場をスタッフなどへの丹念な取材をもとに浮き彫りにする。
「勝新太郎の映画を作り上げていくプロセスも無茶苦茶で、周囲はひたすら振り回される。でも、だからこそ筋道を立てて考えていたら、絶対にできないような凄いものが生まれた。ものづくりの現場では一般的には欠点とされることが、結果としてプラスに働くことがあります。"デタラメ"の素晴らしさを教えてくれる一冊でもあります」
『タロット魔法 未来からの伝言』。タロット占いの初心者向け入門書。「愚者」や「皇帝」、「死神」など、カードに描かれた絵柄が示唆するメッセージをひもとく。愚者のカードは「常識にこだわらない、きままでのびのびしたスピリッツの象徴」、戦車は「努力のあとの成功などの象徴」といった具合だ。タロットカード22枚付き。
「タロットカードは占いではなく、思考のツールとして使うと面白い。全世界を"イメージ"という切り口で分類したタロットは、カードをシャッフルし展開することで世界観を再構築します。ものごとがうまくいかないときは、たいてい何らかの思い込みがある。カードが示す"意味"を考えることは視野を広げ、新たな発想を生み出すことにもつながります」
常に新しい視点を取り入れ続ける。それは新たな発想を生み出す土壌となり、
トップギアで未知の世界に飛び込む原動力にもなるはすだ。
今週のEDGEな3冊
『サはサイエンスのサ』
著・鹿野 司 早川書房 /1575円
『天才 勝新太郎』
著・春日太一 文藝春秋 /987円






