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EDGE Book Sensor~ 走る快感を追体験する3冊

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2010/02/23

なぜ、人々は走りたがるのか――。

今週末に開催を控えた「東京マラソン」。参加希望者は年々増え続け、今年は定員3万5000人に対して30万人以上もの応募が集まったという。一体、そこにはどんな魅力があるのか。今回は「走る快感を追体験する3冊」を紹介したい。

"超運動不足"のイラストレーターがひょんなことからマラソンを始め、ホノルルマラソンを完走するまでの過程を描いた『マラソン1年生』。当初は30分間歩き続けることさえままならなかった著者が、公園や河原などの"近所ラン"を経て、さまざまな大会に出場。5kmから10km、ハーフマラソンと次第に距離を延ばしていく。

著者は「子どもの頃に体育の授業でマラソンをさせられたときは、つらくて長くてみんなより遅くて、『もうマラソンなんて大嫌い!!』とすら思っていた」という。では、なぜマラソンにハマったのか。著者の答えはこうだ。 「走った後のごはん(とビール)がおいしすぎることでしょうか。あれを一度味わうと、またもう一度走って、再び味わいたくなってしまいます」

その言葉通り、この本には頻繁に「走った後のビール」が登場。じつに旨そうに描かれている。序盤で登場するランニングコーチ・金哲彦氏直伝の「ビールがうまくなる走り」も興味深い。ストイック一本槍ではない"大人のマラソン"を教えてくれる。

『雑草軍団の箱根駅伝』。かつて松野明美選手らを育てた実績を持つ著者が、亜細亜大学陸上部を箱根駅伝初優勝に導くまでを綴る。著者によると、箱根駅伝は「交響楽団で完璧な演奏をするようなもの」であり、「一握りの選手が勝敗のカギを握るレースではない」という。亜細亜大学は「じっと我慢の往路5区間」を経て、ついに復路9区でトップに躍り出る。息もつかせぬ展開にページをめくる手が止まらなくなる一冊でもある。

『東京マラソンの舞台裏』。国内最大の市民マラソン大会「東京マラソン」はいかに実現したのか――。都心をママチャリで駆け巡り、コースを作り上げるなど、東京マラソンを実現すべく奔走した人々。この本によると「東京を3万人が走る――文字にしてしまえば、わずか1行である。だが、それは容易なことではない」という。警視庁を説得し、制限時間「7時間」にこだわった理由や"祭り"としての側面など、複眼的に東京マラソンをひもとく。

走ることの意味とは何か。その答えは無数にある。そんな"解"をひとつずつ解き明かすも良し、新たな問いを見つけるのもまた良しなのだ。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
  • 写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

マラソン1年生
『マラソン1年生』
著・たかぎなおこ  メディアファクトリー /1155円
雑草軍団の箱根駅伝
『雑草軍団の箱根駅伝』
著・岡田正裕  ファーストプレス /1470円
東京マラソンの舞台裏
『東京マラソンの舞台裏』
エイ出版社  マガジンハウス /1260円

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