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EDGE Book Sensor~噴き出す汗を快楽に変える3冊

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 2009/06/23

汗腺をガッチリ開いて、本格的な夏に備える

ビールの科学物 見遊湯 僕たちのミシシッピー・リバー
日増しに蒸し暑くなり、何をするのも億劫になりがちな時期。だが、こんな時こそ、あえて汗をかく気持ちよさに目を向けたい。そこで今回は「噴き出す汗を快楽に変える3冊」を紹介したい。

噴き出す汗には、ビールがよく似合う。日本国内のビール消費量は世界7位。大瓶に換算すると1年間で約100億本にもなるという。そんな身近な存在であるビールを"科学的"にひもといているのが『ビールの科学』だ。この本では歴史的背景や文化、製造技術などさまざまな視点から、ビールの本質に迫る。

かつては職人の「勘と経験」に支えられていたビール造りは、科学技術の進歩により、より科学的にコントロールされて造られるようになったという。
この本には、ビールのおいしさを客観的に計測するために開発されたという「コクキレセンサー」や「喉ごしセンサー」などの最新技術も登場する。

第7章に登場する「ビールを美味しく飲むための『掟』」も興味深い。「注ぎ足しは厳禁」などおなじみのアドバイスから、「喉ごしを体感するために喉から胃袋のラインができるだけ直線となるよう心がけて」といった"姿勢"まで、徹底した解説ぶりに思わずニヤリとさせられる。

『物見遊湯』。イラストレーター・大田垣晴子による温泉体験ルポ。北は北海道・登別温泉から、南は鹿児島・妙見温泉まで全国300もの温泉施設を紹介する。有名どころが中心だが、意外にシビアな草津温泉の湯治スタイル、蒲田の温泉銭湯散策など、知る人ぞ知る温泉ネタが登場するのも、この本の魅力。パラパラめくっているだけで、"温泉熱"が上がる一冊だ。

『僕たちのミシシッピ・リバー』。さまざまな人生を四季の移り代わりに重ねて描く短編集「季節風」シリーズの夏編。転校する友達との夏休み最後の冒険を描いた表題作のほか、不登校児のためのフリースクールでボランティアを続ける45歳の教師、バンドへの夢が捨てられない24歳など、12の物語が収められている。ありふれた日常の中にある、小さなドラマ。過ぎゆく季節をリアルに体感できる一冊でもある。

毎年、夏は訪れるが、今年の夏は一度きり。そう意識することが、この夏を思う存分愉しむための第一歩なのだ。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

ビールの科学
『ビールの科学』
著・サッポロビール価値創造フロンティア研究所編
講談社/980円
物見遊湯
『物見遊湯』
著・大田垣晴子 新潮社/1,260円
僕たちのミシシッピ・リバー
『僕たちのミシシッピー・リバー』
著・重松清 文藝春秋/1500円

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