EDGE Book Sensor~どうにも気力がわかない日の3冊
理由もなくブルー。そんな日に読みたい、心を軽くしてくれる3冊
気分転換しようにも、どうにも気力がわかない。やる気を復活させなくてはと焦れば焦るほどに気分は落ち込む。そんな時におすすめなのは「そんな日もあるさ」と思わせてくれる本。そこで今回は、どうにも元気が出ない時に読みたい3冊を紹介したい。京大名誉教授で数学者としても著名な森毅のエッセイ『ぼくはいくじなしと、ここに宣言する』。本書に登場するのは「スピードもパワーにも縁のない若者だった」という著者による、“ぼちぼち人生”のすすめだ。
学力低下、社会常識の欠如など何かと取りざたされるゆとり教育世代の若者。しかし、本来ゆとりとは「むだをなくして、ゆとりを作りましょう」というものではなく、「むだがあるから、ゆとりがうまれる」というのが著者の持論だ。
「信念を持たないことを信念にしてきた」という、ちょっとひねくれた著者のアドバイスの数々。「正しさ」よりも「あやふやさを愉しもう」という提案が心の“目隠し”をスルリと外してくれる。肩の力がストンと抜ける、マッサージ効果のある一冊。
『ぼくは猟師になった』。狩猟生活8年目、京都在住の33歳の猟師による書き下ろしエッセイ。獣医に憧れていた著者が猟師を志した経緯、“ククリワナ”を使って行う狩猟方法、獲物の解体方法といった、知られざる猟師生活が詳細に描かれている。「毎年猟期になると新しい発見と出来事がある」と著者は言う。普段あまり目にする機会がない、猟師の1年間に密着できるのが本書の魅力。“非日常”への旅を愉しませてくれるはず。
『世界の朝時間』。WEBサイト「朝時間,jp」の人気連載「ワールドモーニングフォトクリップ」に寄せられた、世界43カ国、170カ所の「朝の写真」を収録した写真集。通勤客でにぎわうNY・マンハッタンの駅、野の花が咲き乱れるシチリアの草原、登校前の子供たちが魚とりに励むガンジス河畔と、さまざまな朝の光景が登場する。次はどんな朝が待っているのかと、ページをめくるたびに心がはずむ。朝がもつリセット効果を体感できる一冊。
「病は気から」とは言うものの、無理に気力を充実させようと躍起になると、かえって逆効果になることもある。その時々に応じて、緊張と緩和を上手に使いこなすのも、大人のたしなみ。自らの気合の入れどき、ゆるめどきを見定めることができれば、少々のスランプではうろたえない、“本当のタフさ”が手に入れられるはずだ。
今週のEDGEな3冊
『ぼくはいくじなしと、ここに宣言する』
著・森毅 青土社/1470円
『ぼくは猟師になった』
著・千松信也 リトル・モア/1680円



