興味の向こうに広い世界が待っている。
小遣いで毎月1冊ずつルパン・シリーズを買い揃えた少年時代。当時の“読書熱”は今もなお、真山さんの中に息づいている
1962年生まれ。2004年に『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
2年ぶりの最新作『ベイジン』は中国と原発を巡る壮大な物語だ。
現在、「ザ・メディア 新聞社買収」(『週刊ダイヤモンド』・ダイヤモンド社)、「レッドゾーン」(『小説現代』・講談社)、「亡国偽装」(『小説トリッパー』・朝日新聞社)、「ハゲタカ」シリーズのスピンオフとなる「ハーディ」(『IN★POCKET』・講談社)など連載多数。
事務所の執筆スペースに置いてある本棚には、ハヤカワ・ポケット・ミステリシリーズがズラリと並ぶ。
これらは事務所のスタッフから「何か面白い本ありませんか?」と聞かれたときの貸し出し用(!)なのだとか。
http://www.mayamajin.jp
仕事柄、当然ながら資料として大量の本を読む。しかし、「仕事に役立つ本だけを読んでいたら、結局のところ仕事から抜け出せない」と真山さんは語る。これは世の社会人にも当てはまる事実に違いない。
「小説の世界に浸るということは、日常のしがらみから解放されること。でも、同じ忙しさの中でも男性よりも女性のほうが小説を読んでいる印象があります。やはりオンとオフの切り替えが上手なのではないでしょうか。小説の世界で想像を広げる時間は、とても自由な遊びができる、贅沢な時間。デキる人ほど時間の作り方が上手なものです。小説を読む時間を作り、その世界で遊ぶことができるのは余裕の表れであり、ある種のステータスにほかなりません」
真山さん自身は「一度読んで面白いと思ったら、その作家の作品を全部読みたくなるタイプ」だという。
「アガサ・クリスティーを読み始めたのは、中学時代に観た映画がきっかけ。クリスティーのような古典のあとがきには、ミステリー作品の系譜のような解説が盛り込まれている。じゃあ、今度はその解説に登場している作家を読もうといった具合に、どんどん広がっていく。非常にオタク的な部分があるんですね」
自動車が好きなら自動車が登場する小説を読んでみる。男女の駆け引きが気になるなら恋愛小説――。自分の興味を大事にする。それが“相性のいい本”、そして“相性のいい作家”との出会いにつながるという。




