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作品を貫く想い。「プロを描きたい」

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作品を貫く想い。「プロを描きたい」

真山仁 Jin Mayama 1962年生まれ。
新聞記者、フリーライターを経て、2004年、『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
著作に『虚像(メディア)の砦』(角川書店/講談社文庫)、『マグマ』(朝日新聞社/朝日文庫)、『バイアウト』(講談社/講談社文庫 ※文庫版は『ハゲタカⅡ』に改題)など。
スケールの大きな意欲作を次々に発表し、話題に。
2007年に放映されたNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」は『ハゲタカ』、『バイアウト』が原作となっている。
今年7月、北京五輪と原発を舞台にした最新作『ベイジン』を上梓。
http://www.mayamajin.jp
企業買収を題材にした『ハゲタカ』から、テレビ業界が抱える“暗部”を浮き彫りにした『虚像(メディア)の砦』、地熱発電ビジネスに焦点を当てた『マグマ』、最新作『ベイジン』――。いずれの作品においても、真山さんは業界特有の事情や矛盾に鋭く切り込んでいる。

「イメージと現実に起きていることのギャップやゆがみ。そこにある違和感が作品のヒントになることが多いですね。『常識を疑え』というのが一つの大きなテーマ。日本人は先入観やイメージに弱く、誰かが大声で言えば、疑いもなくレールに乗ってしまう。それは国民性もあるだろうし、必ずしもマイナスに働くとは限らない。でも、果たしてその“常識”は本当に正しいのかどうか、きちんと目を向ける必要があるのではないかと思うのです」

冷徹無比な凄腕ファンドマネージャー、原発の安全確認の重要性を粘り強く訴え続ける日本人エンジニアなど、真山さんの小説には魅力的な働く男が数多く登場する。そこにあるのは「プロを描きたい」という想いだ。

「不運としか言いようがない事態になっても、きっちり落とし前がつけられる。そういう人がプロだと思っています。一方で組織に埋もれていく人もいる。小説の中でこれらの人々を対比させることで、本来もっと評価されるべきプロの人たちに光を当てたいんです」

要領がいい。それは決して褒め言葉ではないが、会社組織で生き抜くための処世術としては重要なスキルだった。だが、今や要領だけで生き残れる時代ではない。今、求められているのは「やりたいことをやるなら、それに見合った責任をとること」だと、真山さんは語る。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami