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EDGE Book Sensor (Tue)~青空と爽やかな風を感じる3冊

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この3冊が、梅雨時のうっとうしさを払拭してくれる

EDGE Book Sensor
湿度の高さに辟易し、晴れ上がった青空が恋しくなる時季。この時期に読むなら、重々しいテーマよりも、梅雨時のうっとうしさを払拭してくれる本を選びたい。今回紹介するのは、読むだけで青空と爽やかな風を感じられる3冊だ。

北は北海道、南は九州まで全国の浜を巡り、若い漁師たちの生きざまを浮き彫りにしたルポ『漁師になろうよ』。40代で会社員からフリーライターに転身した著者は、自らの「揺れる職業」と漁師という仕事に似たものを感じたと語る。本書にはさまざまな“漁師”が登場する。その振れ幅たるや、漁師の三代目なのに泳げない(!)男性がいたかと思えば、はたまた板前を経て漁師の世界に飛び込んだ元アパレル勤務の男性もいて……と、じつに幅広い。

漁師の仕事は「魚を獲ること」だけに限らない。ある者は獲れたてのアジの美味しさを知ってもらうために苦心惨憺し、またある者は漁業からスタートし、海洋深層水事業まで仕事の幅を広げていく。「自分の生い立ち、漁師としてのいままでの歩み、漁業の現状分析、これからの夢などをシャープな言葉で、時に饒舌に話してくれた」という彼ら。その力強さとすがすがしさは一服の清涼剤となってくれるはずだ。

『真夏の島に咲く花は』。注目の気鋭作家・垣根涼介が’00年にフィジーで勃発したクーデター事件を題材に、人種の違う4人の若者が織りなす人間関係の切なさや面白さ、苦悩を描く。フィジアンの底抜けの明るさと貧しさ、インド人の苦悩、日本人の悩み――。幸せな人生とは何かを考えさせられる1冊でもある。

『ワイルド・アット・ハート』。東南アジア放浪から始まり、庭師にブックショップのオーナー、映画の脚本家、そしてギャンブラーと破天荒な冒険人生を歩んできた著者が語る「アウトロー的人生論」。「まわりにまどわされない自分主体の暮らしをしていけば、おのずと不要なものがわかる。これを機にさっさとそれらを捨てていけばいい」と著者はいう。人生という旅を愉しむ極意が、そこにある。

読書がくれる愉しみは知識だけにとどまらない。どしゃ降りの日でも心をカラリと晴れさせ、つかの間の休息をバカンスに変える。本にはそれほどのパワーが秘められている。
文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

漁師になろうよ|EDGE Book Sensor
『漁師になろうよ』
著・吉村喜彦 小学館/1260円
真夏の島に咲く花は|EDGE Book Sensor
『真夏の島に咲く花は』
著・垣根涼介 講談社/1785円
ワイルド・アット・ハート|EDGE Book Sensor
『ワイルド・アット・ハート』
著・ロバート・ハリス 東洋経済新報社/1575円

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