EDGE Book Sensor (Tue)~ギフトの達人になれる3冊
気のきいたギフトを贈るヒントがつまった3冊
お中元の時季。お中元やお歳暮なんて過去の遺物に過ぎないと軽んじるのは早計だ。気持ちをより明確に伝えることができるのも、大人としてのたしなみの一つ。ギフトの腕をあげる絶好の機会としてとらえてみてはどうだろう。今回はギフト選びのセンスを磨いてくれる、そんな3冊を紹介したい。気がきいたものを選ぶ。口で言うのは簡単だが、いざ実行に移そうと思うと案外骨が折れるもの。贈る相手が年上の男性ともなれば尚更だ。目の肥えた年配の人への贈り物に迷ったら開いてみたいのが『とっておきの銀座』。月に一度は銀座を散歩し、訪れた店はランチだけで百以上という作家・嵐山光三郎がとっておきの店を紹介する。
雑誌「銀座百点」の連載をまとめた本書には、じつにさまざまな和洋老舗の逸品が登場する。手紐に伝統的な組紐を使っている「銀座くのや」のバッグ、江戸指物専門店「平つか」の和小物、ディプティックのアロマキャンドル、鳩居堂の懐中硯セット……etc。
ブラリと立ち寄るにはかなりの勇気が必要な錚々たる老舗にも、思いがけず手頃な値段で買えるものがあることに驚かされる。
著者曰く「銀座を歩くと、時代の風が、どの方向にいくのかが見えてくる。新店舗の意気込みもさることながら、老舗の底力を痛感した」という。商品の質の高さはもちろん、その店やブランドが持つ歴史やエピソードも同時に味わえるのが老舗の魅力。「銀座は値が高い商品が並んでいる店ばかりだが、高級店でいちばん安いものを買うのがコツである」という嵐山流銀座買い物術を参考に、銀座に贈り物を探しに行く。そんな大人ならではの遊びを愉しんでみたい。
『食の狩人取り寄せ帖』。マンガ雑誌『ビッグコミック』で連載中のコラム「名物に旨いものあり」をベースとしたお取り寄せガイド。群馬県の「てのしこんにゃく」や兵庫県の「天然真たこキムチ」など47都道府県の“名物”全61品が紹介されている。著者曰く「お取り寄せは、自分で自分に贈るお土産」であり、「自分が気に入った食品を友人知人に贈る快感には特別なものがある」という。旨いもの好き必見の一冊だ。
『お見舞い道楽。』。定番のメロンに始まり、世界の名水、絹のマフラー、外出帽子といったお見舞いの品々を、著者のお見舞い経験に基づき紹介。「相手の心を察し、思い遣ること。
それがお見舞いの妙味である」という著者のスタンスはすべてのギフトに通じる。お見舞いに限らず、一味違う贈り物を考えたいときのヒント集にも。
贈り物は、贈り手の人となりを映す鏡であると同時に、贈る相手との関係性をも映し出す。 シチュエーションに応じて相手に喜ばれるものを選ぶためには、日頃の人間観察や洞察力が欠かせない。ああでもない、こうでもない……と悩むことができるのは、日頃から深みのある人間関係を築いてきた人だけに与えられるギフトとも言えるのだ。
今週のEDGEな3冊
『とっておきの銀座』
著・嵐山光三郎 新講社/1500円
『食の狩人取り寄せ帖』
著・伊丹由宇
集英社インターナショナル/1575円



