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EDGE Wave Sensor~ニッポンのサブカルの今に触れる~ジャポネ・パニック!

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あなたは、若き才能のきらめきを感じとれるか!

DESIGN FESTA PLANET06~ジャポネ・パニック!
大小29スペースに62の「アートピース」、またシャワールームやトイレ、外壁、庭に至るすべてのスペースが表現の場となるアートギャラリー「デザイン・フェスタ・ギャラリー」にて期間限定企画展。
11月8(土)9(日)日には、東京ビッグサイトで世界中のアーティストが集結するインターナショナル・アート・イベント「デザイン・フェスタ」も行われる。

DESIGN・FESTA・GALLERY
http://www.designfestagallery.com/

DESIGN・FESTA
http://www.designfesta.com/
世界から注目される日本のサブカルチャー。デザインという言葉のすそ野の広がりとともに、様々なカタチが派生している。イラスト、写真、フィギュアのようなものから、パフォーマンス・アートに至るまで、様々なサブカルチャーがデザインとして認知されてきている。

東京・原宿にあるギャラリー「デザイン・フェスタ・ギャラリー」は、大小29のスペースと62のアートピース(壁面などの小規模展示コーナー)に、様々なジャンルのアーティストが集まり、従来の概念にはないアート作品を次々と発信している。この10月10日~16日まで「DESIGN FESTA PLANET06~ジャポネ・パニック!」という期間限定の企画展が行われる。

期間中、会場では、イラストや写真作品、フィギュアなどの展示にとどまらず、「ジャポネ・パニック・シアター」の映像作品の上映や、ゴシック系ファッション・パフォーマンスも行われる。固定観念や流行の手法にとらわれるのではなく、「表現すること」自体がアートであるという、その本質を思い出させてくれる展示会である。

ここにあるのは完成されたアートではないかもしれない。だが、「発信したい」という熱意や情熱は確実にそこにある。むしろ、若い才能のきらめきを感じとれるかどうか、見る側の審美眼や柔らかさを試される機会としてとらえたい。訳知り顔で大上段から見るのではなく、フラットに、そして純粋な目で新しい何かに触れてみたい。

11月には、7000人のアーティストが世界中から東京ビッグサイトに集結するアートイベント「デザイン・フェスタ」も行われる。忘れかけていた表現者としての導火線に火がつけば、自らが出展者となる可能性すらある。そうした柔軟なスタンスこそ、EDGEでいるために必要な要件でもある。

文/高田純造 text/TAKADA Junzo

小説家・真山仁がすすめる「社会の裏側が見えてくる3冊」

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小説家・真山仁がすすめる「社会の裏側が見えてくる3冊」

真山仁 Jin Mayama
1962年生まれ。2004年に『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
著作に『虚像(メディア)の砦』(角川書店/講談社文庫)、『マグマ』(朝日新聞社/朝日文庫)、『バイアウト』(講談社/講談社文庫 ※文庫版は『ハゲタカⅡ』に改題)など。
最新作となる『ベイジン』は中国と原発を巡る壮大な物語だ。
現在、「ザ・メディア 新聞社買収」(『週刊ダイヤモンド』・ダイヤモンド社)、「レッドゾーン」(『小説現代』・講談社)、「亡国偽装」(『小説トリッパー』・朝日新聞社)、「ハゲタカ」シリーズのスピンオフとなる「ハーディ」(『IN★POCKET』・講談社)など連載多数。
http://www.mayamajin.jp
現代社会の光と影に注目し、常識のウソに鋭く切り込む作家・真山仁。雑多な情報が飛び交う中、どうすれば先入観にとらわれず、本質をとらえることができるのか。執筆の合間に読書をするほどの読書家である、真山さんが選んだ「社会の裏側が見えてくる3冊」はこれだ。

「ミステリーの女王」の異名をとる、アガサ・クリスティーの代表作の一つ『アクロイド殺し』。名探偵エルキュール・ポアロが活躍する長編小説としてはシリーズ3作目にあたる。イギリスのある田舎町で殺人事件が起こる。容疑者の失踪、遺産相続を巡る思惑、人間関係のこじれ……と深まっていく謎。そして、ポアロが解き明かした驚くべき真相とは――。

「上質なミステリー小説を読むことは、社会を読む眼力を養う上で重要な意味があります。例えば、アガサ・クリスティーの作品を長く読んでいると、他人の言葉をうのみにしなくなる。多分、読み始めてすぐは悔しいぐらい簡単に騙されると思うんですよ。でも、何冊も読んでいると次第に彼女の手法がわかってきて、作品中にちりばめられた謎の意味が見えてくる。人間の勘違いや思い込みを体感すると、物事を見る目が変わってきます」

『消されかけた男』。ベテラン諜報部員が活躍する傑作スパイ小説シリーズの第一作。優秀さが逆に災いし、組織から疎まれ、題名通り消されそうになる主人公。しかし、孤立無援の中、卓越した頭脳と経験知を駆使して危機を切り抜けるという物語だ。

「本当のプロは、組織から潰されてもやっていける。この小説の主人公はまさに、そのプロの典型です。優秀さゆえに組織から疎まれるという展開はサラリーマン社会に通じるところがあります。会社という組織の一員という立場で読めば、身につまされるシーンもあるでしょうし、リストラされない処世術も学べる。読み応えのある一冊です」

『白い巨塔』。陰謀うごめく大学病院を舞台に、知られざる医学界の実態にメスを入れた社会派小説。1966年に故・田宮二郎主演で映画化されて以降、繰り返し映像化されており、昨年には韓国でリメイク版が放映されるなど、海外でも熱い関心が寄せられている。

「生き方が違う2人の医者の闘いを描いた物語ですが、日本の小説によくある“勧善懲悪”ではないところが、この作品の面白さですね。それぞれにプロとして譲れないものがあり、だからこそ激しくぶつかる。ドラマでご覧になった方も多いでしょうが、私としては原作の感動はテレビドラマを凌駕すると思っています。読みこむほどに面白くなるのが小説というもの。みなさん、ぜひ小説を手にとって、読んでみてください」

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

今週のEDGEな3冊


アクロイド殺し|EDGE Book Sensor
『アクロイド殺し』
著・アガサ・クリスティー
早川書房/714円
消されかけた男|EDGE Book Sensor
『消されかけた男』
著・ブライアン・フリーマントル
新潮文庫/620円
白い巨塔|EDGE Book Sensor
『白い巨塔』
著・山崎豊子 新潮文庫/620円

興味の向こうに広い世界が待っている。

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小遣いで毎月1冊ずつルパン・シリーズを買い揃えた少年時代。当時の“読書熱”は今もなお、真山さんの中に息づいている

真山仁 Jin Mayama 1962年生まれ。
1962年生まれ。2004年に『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
2年ぶりの最新作『ベイジン』は中国と原発を巡る壮大な物語だ。
現在、「ザ・メディア 新聞社買収」(『週刊ダイヤモンド』・ダイヤモンド社)、「レッドゾーン」(『小説現代』・講談社)、「亡国偽装」(『小説トリッパー』・朝日新聞社)、「ハゲタカ」シリーズのスピンオフとなる「ハーディ」(『IN★POCKET』・講談社)など連載多数。
事務所の執筆スペースに置いてある本棚には、ハヤカワ・ポケット・ミステリシリーズがズラリと並ぶ。
これらは事務所のスタッフから「何か面白い本ありませんか?」と聞かれたときの貸し出し用(!)なのだとか。
http://www.mayamajin.jp
「今、私にとって最も幸せなのは、小説を読んでいる時間。原稿をたくさん書かなくてはいけないときは、『新しい刺激をもらえる』、『絶対にハラハラできる』という、とっておきの本を近くに置いておくんです。そして、執筆の合間に原稿を書いた自分への褒美として少しずつ読むんです」

仕事柄、当然ながら資料として大量の本を読む。しかし、「仕事に役立つ本だけを読んでいたら、結局のところ仕事から抜け出せない」と真山さんは語る。これは世の社会人にも当てはまる事実に違いない。

「小説の世界に浸るということは、日常のしがらみから解放されること。でも、同じ忙しさの中でも男性よりも女性のほうが小説を読んでいる印象があります。やはりオンとオフの切り替えが上手なのではないでしょうか。小説の世界で想像を広げる時間は、とても自由な遊びができる、贅沢な時間。デキる人ほど時間の作り方が上手なものです。小説を読む時間を作り、その世界で遊ぶことができるのは余裕の表れであり、ある種のステータスにほかなりません」

真山さん自身は「一度読んで面白いと思ったら、その作家の作品を全部読みたくなるタイプ」だという。

「アガサ・クリスティーを読み始めたのは、中学時代に観た映画がきっかけ。クリスティーのような古典のあとがきには、ミステリー作品の系譜のような解説が盛り込まれている。じゃあ、今度はその解説に登場している作家を読もうといった具合に、どんどん広がっていく。非常にオタク的な部分があるんですね」

自動車が好きなら自動車が登場する小説を読んでみる。男女の駆け引きが気になるなら恋愛小説――。自分の興味を大事にする。それが“相性のいい本”、そして“相性のいい作家”との出会いにつながるという。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

読書の醍醐味。それはヒーローとの出会い

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読書の醍醐味。それはヒーローとの出会い。

真山仁 Jin Mayama 1962年生まれ。
1962年生まれ。2004年に『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
著作に『虚像(メディア)の砦』(角川書店/講談社文庫)、『マグマ』(朝日新聞社/朝日文庫)、『バイアウト』(講談社/講談社文庫 ※文庫版は『ハゲタカⅡ』に改題)など。
最新作となる『ベイジン』は中国と原発を巡る壮大な物語だ。
現在、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)にて「ザ・メディア 新聞社買収」、『小説トリッパー』(朝日新聞社)にて「亡国偽装」、『小説現代』(講談社)にて「ハゲタカ」第三弾となる「レッドゾーン」など連載中。
http://www.mayamajin.jp
女性は経済小説を好まない。真山さんの作品はそんな先入観も鮮やかに裏切る。例えば、『ハゲタカ』に登場する敏腕ファンドマネージャー・鷲津。ドラマで彼に惹かれて原作を読み、より一層魅了されたという女性ファンも少なくない。

「企業の中で活躍している女性の多くは、男性以上にプロであることを求められ、厳しい環境の中にいます。だからこそ、余計に同世代の男性に対してある種の物足りなさを日々感じている人が多いのではないでしょうか。ましてや、現実の社会ではさまざまな要因が絡み合ってヒーローが生まれにくくなっている。でも、本を開けば、その非現実的な存在であるヒーローに会える。それも小説を読むことの面白さの一つだと言えるかもしれません」


真山さんが思い描くヒーロー像はどのようにして形づくられたのか。その原体験は小学生の時に出会った『アルセーヌ・ルパン全集』だったという。

「確か、父親に『何か面白い本はない?』と聞いたら、ポプラ社版のルパン・シリーズを1冊買ってくれたんですよ。当時、子供は21時ぐらいには寝るように言われるものでしたが、親の目を盗んでこっそり夜更けまで読んでいた。いい本は途中で閉じることができないんですね」

ルパン・シリーズを夢中になって貪り読んだ少年時代。中学時代になるとアガサ・クリスティーやフレデリック・フォーサイスなどを読むようになる。「小説にしても、映画にしても海外のものが好き」という真山さん。今も“趣味として読む本”の9割は翻訳ものが占めているそうだ。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

作品を貫く想い。「プロを描きたい」

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作品を貫く想い。「プロを描きたい」

真山仁 Jin Mayama 1962年生まれ。
新聞記者、フリーライターを経て、2004年、『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
著作に『虚像(メディア)の砦』(角川書店/講談社文庫)、『マグマ』(朝日新聞社/朝日文庫)、『バイアウト』(講談社/講談社文庫 ※文庫版は『ハゲタカⅡ』に改題)など。
スケールの大きな意欲作を次々に発表し、話題に。
2007年に放映されたNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」は『ハゲタカ』、『バイアウト』が原作となっている。
今年7月、北京五輪と原発を舞台にした最新作『ベイジン』を上梓。
http://www.mayamajin.jp
企業買収を題材にした『ハゲタカ』から、テレビ業界が抱える“暗部”を浮き彫りにした『虚像(メディア)の砦』、地熱発電ビジネスに焦点を当てた『マグマ』、最新作『ベイジン』――。いずれの作品においても、真山さんは業界特有の事情や矛盾に鋭く切り込んでいる。

「イメージと現実に起きていることのギャップやゆがみ。そこにある違和感が作品のヒントになることが多いですね。『常識を疑え』というのが一つの大きなテーマ。日本人は先入観やイメージに弱く、誰かが大声で言えば、疑いもなくレールに乗ってしまう。それは国民性もあるだろうし、必ずしもマイナスに働くとは限らない。でも、果たしてその“常識”は本当に正しいのかどうか、きちんと目を向ける必要があるのではないかと思うのです」

冷徹無比な凄腕ファンドマネージャー、原発の安全確認の重要性を粘り強く訴え続ける日本人エンジニアなど、真山さんの小説には魅力的な働く男が数多く登場する。そこにあるのは「プロを描きたい」という想いだ。

「不運としか言いようがない事態になっても、きっちり落とし前がつけられる。そういう人がプロだと思っています。一方で組織に埋もれていく人もいる。小説の中でこれらの人々を対比させることで、本来もっと評価されるべきプロの人たちに光を当てたいんです」

要領がいい。それは決して褒め言葉ではないが、会社組織で生き抜くための処世術としては重要なスキルだった。だが、今や要領だけで生き残れる時代ではない。今、求められているのは「やりたいことをやるなら、それに見合った責任をとること」だと、真山さんは語る。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

自分が体験していることが“真実”とは限らない

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自分が体験していることが“真実”とは限らない

真山仁 Jin Mayama 1962年生まれ。
1962年生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、『ハゲタカ』(ダイヤモンド社/講談社文庫)でデビュー。
著作に『虚像(メディア)の砦』(角川書店/講談社文庫)、『マグマ』(朝日新聞社/朝日文庫)、『バイアウト』(講談社/講談社文庫 ※文庫版は『ハゲタカⅡ』に改題)など。
経済小説の枠を越える、優れたエンタテイメント小説の書き手として注目を集める。
2007年に放映されたNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」は『ハゲタカ』、『バイアウト』が原作となっている。
今年7月、北京五輪と原発を舞台にした最新作『ベイジン』を上梓。
http://www.mayamajin.jp
外資系企業と日本企業の攻防を描き、国内外で数々のTVドラマ賞を総なめにした大人気ドラマ「ハゲタカ」。その原作者である真山さんの最新作『ベイジン』はその名の通り、北京(ベイジン)――中国が舞台となっている。北京五輪、原子力発電所をモチーフに国家や組織の思惑、現代社会の不条理、そして希望を描いた物語だ。

真山さんが初めて中国を訪れたのは2005年。それまでイメージしていた中国と、現実はあまりにも違っていた。「日本のメディアを通じて知る中国の姿はほんの一部でしかない」という衝撃が小説『ベイジン』を生んだ。

「日本人と中国人は顔も見た目も似ているけれど、持っている価値観がまったく違う。例えば、日本人にとって謙遜は美徳とされますが、中国では『へりくだるということは、何か負い目があるはずだ』と判断され、相手にされなくなってしまう。もしかしたら、我々は勝手に『近い国』だと思いこんでいるだけなのではないかと強く感じたんです」

作中に登場する党上層部の腐敗や権力闘争、富裕層と庶民の格差などのディテールは虚実の境目がわからないほどにリアル。だが、真山さんが執筆を決めてから中国に滞在したのは延べ20日足らずだった。

「長期間滞在していれば、また違う物語になったかもしれません。でも、自分の見たことがすべてではないし、短期間の滞在だからこそ、そこに漂う“空気”を敏感に感じ取れるという側面もあると思うんです」

物事を見る際、真山さんが注目するのは共通点ではなく、相違点。取材期間中は、ひたすら現場に流れる“空気”を感じ、同時にそこで感じた“違和感”が普遍的なものなのか、それとも単なる例外なのかというヒアリングを重ねたという。
文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

EDGE Book Sensor~転機をつかむ3冊

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人生の転機。それは、ある日突然やってくる。

EDGE Book Sensor
ふいに訪れる転機を見逃さず、波にうまく乗る。その能力は仕事はもちろん、人生のあらゆる場面で役に立つ。運がいいとされる人の多くは、この“波乗りスキル”の持ち主だと言っても過言ではない。そこで、今回は転機を確実につかめるようになる、そんな3冊を紹介したい。

世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」で8度のチーム優勝という偉業をなしとげたヨハン・ブリュニール監督による手記『ツール・ド・フランス 勝利の礎(いしずえ)』。ツール史上初となる7年連続優勝を果たしたランス・アームストロング選手に「ヨハン・ブリュニールがいなければ、僕はツール・ド・フランスに勝てなかっただろう。七連覇どころか一度だって」と言わしめた著者の“勝利の法則”とは?

2人の出会いは1998年。当時、ランス選手はガン闘病から現役復帰したばかり。しかも、それまでツールを完走したことはなかったランス選手に対して、ブリュニール監督は「ツール・ド・フランスにねらいを定めよう」と提案する。それも、「ステージ優勝じゃない。表彰台に立つ君を見たいんだ。総合優勝を狙おう」と。
 
そして、彼らは1999年から2005年の7年間にわたって、ツール優勝の栄冠を手にする。著者は言う。「一つ確かなのは、勝利は信じることから始まるということだ」。どのように勝利をおさめ、敗退し、再び勝利を獲得するに至ったか。その軌跡が克明にしるされた本書は、人生の転機をどのようにとらえ、どう行動するべきなのかを教えてくれる。

『ボーイズ オン・ザ・ラン』。モテない、サエない、度胸もないヘタレ会社員・田口に一世一代の恋のチャンスが訪れたが――。そこに描かれているのは、転機というより災難と呼びたくなるような事件の数々。一貫して無様な姿をさらし続けながらも、田口は現実と向き合うことをやめない。勝負から逃げない男だけがつかめる何かがあると、教えてくれる。

『大人の時間はなぜ短いのか』。大人になると、子供の頃より時間が経つのが早く感じられるようになるのはなぜか? そんな時間を巡る身近な疑問を実験心理学の見地から解き明かす。物理的時計は一定の速度で進むが、「心的時計」――心で感じる時間はさまざまな要因によって進み方が変わるという。「身体的代謝」、「感情」、「空間の広さ」といった心的時計を左右する要因を知ることは、自分の強みや弱みを知ることにもつながる。

「チャンスは前髪をつかめ」とよく言われるが、転機はわかりやすい形で訪れるとは限らない。目の前に“転機めいたもの”が来てから慌てて考えてももう遅い。自らの価値を計る物差しは何なのか、日頃から考察を繰り返すこと。それこそが転機をつかむ秘訣なのだ。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

ツール・ド・フランス 勝利の礎(いしずえ)|EDGE Book Sensor
『ツール・ド・フランス 勝利の礎(いしずえ)』
著・ヨハン・ブリュニール
アメリカン・ブック&シネマ/1575円
ボーイズ オン・ザ・ラン』|EDGE Book Sensor
『ボーイズ オン・ザ・ラン』
著・花沢健吾 小学館ビッグコミックス/530円
大人の時間はなぜ短いのか|EDGE Book Sensor
『大人の時間はなぜ短いのか』
著・一川誠 集英社新書/735円

EDGE Wave Sensor~ケータイを太陽光で充電する

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ライフスタイルを変える、“ながらエコ”ツール

inu|EDGE Wave Sensor
ソーラーチャージeco2
太陽光からでもACアダプターからでも充電可能な“太陽光発電ストラップ”
目安として冬場は1.5~2.5日、夏場は1~1.5日でフル充電できる。
全キャリア用のラインナップは揃っているが、個別の機種ごとの対応は要確認。
http://www.strapya.com/
inu|EDGE Wave Sensor
 この数年、ファッションとしてのエコはすっかり定着した。あらゆるジャンルで“エコ”を名乗るコンテンツやアイテムが大流行りだが、人類の叡智に基づいて醸成された文化という利便性はエコとは矛盾しかねない。だからこそ“エコ”を実現するには、日常の生活スタイルに浸透するものでなければ意味はない。

 つまり、“エコ”と名乗る資格があるのは、日常に欠かせないツールに寄り添うアイテム。そんなエコアイテムでいま、光を浴びているのが「ソーラーチャージeco」。ケータイのストラップにもなる太陽光充電器である。いや、ストラップだからこそ充電できる“エコ充電器”なのだ。

 晴天時の日中、この充電器のパネルに太陽光を浴びせれば、この56×37×14mmという小さなアイテムが電気を蓄えてくれる。カバンの中に納めるのではなく、太陽光が燦々と降り注ぐ位置で持ち歩けば、表面のソーラーパネルが蓄電してくれるのだ。光の強さや当たる角度にもよるが、6~10時間の充電で最大約40分の通話が可能となる。いざというときに、40分のリザーブタンクがあれば電池切れも恐るるに足らず。

 単純に“エコ”だけを追い求めているのではない。携帯のACアダプターからの充電なら3時間で完了する。この小さな筐体に、エコと利便性というアンビバレンツが凝縮されている。いざというときの非常用電源ともなるこのバッテリーは、この上なく日常に寄り添うエコアイテムなのだ。



文/高田純造 text/TAKADA Junzo

EDGE Book Sensor~「うまい」を知る3冊

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旬の旨さを知る。これぞ、大人の醍醐味だ!

EDGE Book Sensor
日常の忙しさにかまけていると、つい食がおろそかになることもある。だが、旨いものに出合うことは、大人ならではの愉しみ。“旬の味覚”がちまたにあふれるこの時季だからこそ、改めて自分と食との関係を振り返りたい。そこで今回は「うまい」とは何かを新たにする、そんな3冊を紹介したい。

自宅で旬の素材を美味しく食べる。その方法を教えてくれるのが『土井家のおいしいもん』。料理家・土井善晴初の書き下ろし料理エッセイとなる本書には「蛤の蒸し物」、「なすの揚げ浸し」、「いかと豚肉」といった四季折々の家庭料理のレシピが紹介されている。

例えば、さんま。魚焼きグリルで焼くなら、「最初は焼き上がったときに表になるほうを下に向けて焼き、ひっくり返して表を上に向けて焼くようにすればよい」と著者は言う。その理由はこうだ。「そうすることで表面の水分や脂が下に落ちて、上になるほうは見た目にもきれいにカリッと焼き上がるわけです」。

素材が「おいしいもん」になるには理由がある。本書は、その過程や仕組みを料理初心者にもわかりやすく解説してくれる。旬の味を存分に味わいたい。でも、料理は苦手だし……と尻込みしている人にこそおすすめしたい一冊だ。

『食べる落語』。二八そばから利休饅頭、猪の肉、酢豆腐と、落語にはさまざまな「うまいもん」が登場する。これらをいろは順に並べ、落語のあらすじと共に紹介。例えば、落語「長屋の花見」に登場するのは当時、庶民には手の届かないご馳走だった卵焼きとかまぼこ。金がない長屋の住民たちは漬け物をそれらに見立てて、花見に興じるのだが――。食べ物を巡るユーモラスなやりとりが落語の魅力を教えてくれる一冊でもある。

『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』。1963年の初版発行以降、ロングセラーとなっている料理エッセイ。「そとがわは、こげ目がつかない程度に焼けていて、中はやわらかくまだ湯気のたっているオムレツ」をはじめとする、さまざまな卵料理やフランスの家庭料理、著者のオリジナル料理などが紹介されている。文字を読んでいるだけなのに、あまりのおいしそうな匂いによだれがあふれてきそうになる。40年以上の時を経た今もなお、色あせないうまさがそこにある。

「うまさ」とは一食何万円も取るようなレストランにだけあるのではない。評論家気取りで目の前の食事を論じるのではなく、そこにある「うまさ」を見つけたい。そう心に刻みつけて、今日も食事を味わいたい。

文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

土井家のおいしいもん|EDGE Book Sensor
『土井家のおいしいもん』
著・土井善晴 講談社/1470円
食べる落語|EDGE Book Sensor
『食べる落語』
著・稲田和浩 教育評論社/1365円
巴里の空の下オムレツのにおいは流れる|EDGE Book Sensor
『巴里の空の下
オムレツのにおいは流れる』
著・石井好子 暮らしの手帖社/1050円

EDGE Wave Sensor~日本最大級の“イヌの祭典”~スーパードッグカーニバル

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競う、愛でる、ふれ合う。“愛犬”の意味がわかる2日間

inu|EDGE Wave Sensor
スーパードッグカーニバル2008
メイン会場ではチャンピオンシップ決勝大会のほか、スーパードッグショーやウェルカムドギー、わんわんショッピングモールなど。
第2会場ではエクストリーム体験教室やディスクドッグ教室、ドッグカフェなども。
一部コーナーを除いて愛犬同伴での入場も可能。
大人(高校生以上)1000円(当日1700円)
小人(小・中学生)600円(当日1000円)
http://www.super-dogs.net/
inu|EDGE Wave Sensor
「人類最古の友」といわれる犬は、有史以前から人と寄り添ってきた。そんな犬の祭典、「スーパードッグカーニバル2008」が今週末の9月20、21日の両日、西武ドームで行われる。1999年にスタートし、今年10周年を迎えるこのイベントには熾烈な地区大会を勝ち抜いてきた犬の精鋭が大集結する。

注目のイベントは、アスリート犬が集結する「ユーカヌバ杯エクストリームチャンピオンシップ」。「オープンの部」、「ミニチュアの部」それぞれの部門で全国各地の予選を勝ち抜いた精鋭数頭からチャンピオンを決定する大会だ。それぞれ、「総合競技」、「ハイスピード競技」、「ハイジャンプ競技」という3つの競技が行われる。

ジャンプ、リング(タイヤ)、フラッグ(スラローム)、トンネルなどから構成される総合競技。ジャンプ障害を飛び越しながらタイムを競うハイスピード競技。より高いバーを飛び越えるハイジャンプ競技……。いずれも、全国各地の予選を勝ち抜いた、粒ぞろいのアスリート犬がその能力を競う。

「ふれあいゾーン」では、オーディションで全国から選ばれた約200頭のウェルカムドギーとふれ合うこともできる。飼い主とコミュニケートすれば、しつけや散歩のポイントなどを学ぶことも可能。犬好きが集まる会場内には、ほてった犬の身体を冷やすためのシャワーなども用意されている。

会場には、柴犬、トイプードル、シェットランドシープドッグ、ビーグル、コーギーなど、ありとあらゆる犬種の精鋭が集まる、文字通りの「スーパードッグカーニバル」。帰宅すれば玄関まで出迎え、時にはドライブのお供もしてくれる。いつも人間の近くにいる犬が、さらに身近になる2日間だ。



文/三上真治 text/MIKAMI Shinji