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「車」を飛び出したナビゲーション

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 03/11

防滴、サイクルメーター――。「車」に押し込めておくにはもったいない

NV-U35

"nav-u"『NV-U35』/ソニー
自転車への装着には、別売の自転車クレードル『NVA-BU2』が必要。カーナビ機能としては、8GB内蔵メモリーを搭載し、過去の統計情報から、混雑を避けたルートでのスムーズなドライブも可能。渋滞統計情報や全国1335エリアをカバーする市街詳細地図など、3.5V型液晶のコンパクトなサイズで上位機種同等の情報表示も。オープン
http://www.sony.jp/

Fugeeのしごと 16点の鞄展

本コンテンツや編集部Blogでたびたび登場する、ソニーのナビゲーションシステム。敢えて「カーナビ」ではなく「ナビゲーション」というのは「車載」にこだわらず、多様な使用シーンが想定されていることの証でもある。そしてこの3月13日にまた新たなナビゲーションシステムが投入される。

『NV-U35』。人気の"nav-u"シリーズの最新型で、JIS規格で防水保護5等級の防滴機能を搭載し、本格的なアウトドアにも対応したモデルだ。そもそも"nav-u"では「車載」以外のシーンも想定されていたが、それに加えてこのモデルでは「自転車」というシーンを具体的にイメージした作りになっている。GPS情報をもとに速度や距離、経過時間、消費カロリーなどの走行情報を表示するサイクルコンピューター機能も初搭載された。

さらに注目すべきは、「スーパースタミナモード」。走行時に画面をオフし、音声のみでルート案内をすることで、従来の省電力モードに比べて約183%となる約11時間の連続使用を可能にした。走行中、片時も視界を狭めたくないというユーザーにとっては、走行時の画面表示は電力を食うだけの存在ということか。完全にユーザーを向いた、ユーザーしか見ていないと言えるかのような徹底ぶりだ。

例えば携帯電話で言えば、当初日本で不評だったiPhoneが爆発的人気となった理由はいくつも考えられる。そのうちのひとつにインターフェースの一元化という根源的な課題の解決がある。従来の「Web」「アプリ」というユーザーにとっては必要ない手間を省き、画面上のアイコンをタッチするだけで直接ブラウザやアプリに飛べる。そんなiPhoneに象徴されるように、現代ではツールの使い方を決めるのは作り手ではなく使い手なのだ。

実はこのナビゲーション、当Webの副編集長が所有するNV-U3Cの後継機でもある。年明け早々Blog(http://magazine.carsensor-edge.net/edgenews/category_582/_7255.html)でも「上位機種が好調らしい」と垂涎の様子だったが、またも新しいモデル登場にどう反応するのか、iPhone使いの副編集長のリアクションが楽しみで仕方がない。

  • 文/三上真治 Text/MIKAMI Shinji

"新解釈"に出会える3冊

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"新解釈"という刺激に興じる

意見を求められて、ありきたりなコメントしかできないのは、いかにもつまらない。とっさに気の利いたことを言えるのは、大人の余裕であり、たしなみだといえるだろう。そこで、今回は「"新解釈"に出会える3冊」を紹介したい。

決してモテないわけではないのに、恋愛やセックスに消極的な"草食男子"。その正体を動物行動学の観点からひもとく『草食男子0・95の壁』。著者の竹内久美子氏によると、「草食系男子は生物的に正しくない」という。「動物の世界ではメスがオスを選ぶのが常識」であり、「男は女に選ばれるために必死に自己をアピールし、女を口説かなければ繁殖に成功しない」のが、その理由だ。

なぜ、草食男子は増えたのか。この本では、チンパンジーの繁殖スタイルや、ツバメの尾羽の長さと浮気の成功率の関係など、さまざまな事例を取り上げ、草食化という"退行"の謎に迫る。

さらに、本書には「草食を装っているが、本質は肉食」の判別法も登場する。薬指の長さに対する、人差し指の長さの比率を計算。その「指比」から、「優れた遺伝子を持つ男である可能性」を推測できるという。自分はもちろん、周囲の行動に対する興味も喚起する、好奇心をかき立てる一冊だ。

『共在感覚』。誰もいない広場に向かって延々と語り続けるザイール・ボンガンドの人々。一方、多数の人々が同時に話すバカ・ピグミーの文化も登場する。
著者はアフリカにおけるフィールドワークを軸を通じて、コミュニケーションのあり方をとらえ直す。母集団が異なると、会話のスタイルや行動はガラリと変わる。そこには、最近、何かと話題のTwitterとの共通項も見てとれる。"双方向性"の深淵に触れる一冊でもある。

『盗聴 二・二六事件』。NHKライブラリーから発掘された、古びた録音盤。それは二・二六事件(※)の首謀者とされる、青年将校たちの電話を傍受・録音したものだった。著者は録音盤に刻まれた声を手がかりに、事件の真相に迫る。30年来に渡る取材が浮き彫りにする"新事実"とは――。ひとつひとつ裏を取る。その気が遠くなるような作業の先に、新たな発見があると、この本は教えてくれる。

着眼点や手法、そして発想の連結力。それらは次々と新たな解釈を生み出す。そして、新解釈を見出すことは、自らの可能性の地平を拓くことにもつながるのだ。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
  • 写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

草食男子0・95の壁
『草食男子0・95の壁』
著・竹内久美子  文藝春秋 /1000円
共在感覚
『共在感覚』
著・木村大治  京都大学学術出版会 /3990円
盗聴 二・二六事件
『盗聴 二・二六事件』
著・中田整一  文春文庫 /690円

ゲームクリエイター・米光一成が勧める「世界を"遊び場"に変える3冊」

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世界を"遊び場"に変える3冊

躊躇なく新たなフィールドに飛び込み、"遊び場"に変え続けている米光さん。どうすれば、思いもよらない切り口で発想し、「面白い」を見出すことができるのか。米光さんが選んだ「世界を"遊び場"に変える3冊」はこれだ。

科学という単語には、どこか権威的なイメージがつきまとう。だが、そんな先入観をあっさりと覆すのが『サはサイエンスのサ』だ。著者はサイエンスライターの鹿野司氏。15年以上に渡り、「SFマガジン」(早川書房)で連載しているコラムをまとめた科学エッセイ集だ。

「科学的なものの見方や思考の過程を追体験できる本です。専門書にありがちな"科学のための科学"のような小難しさがなく、文体も『~だよね』と、くだけていて読みやすい。SF映画に登場する"テレパシー・マシン"がじつは実際に研究されている……といったワクワクするエピソードがたくさん登場します。自分の専門分野から遠いジャンルの本を読むと、違う視点を手に入れることができる。僕自身もそうなんですが、根っからの文系という人にこそ、ぜひおすすめしたいです」

『天才 勝新太郎』。豪放磊落なエピソードの数々で知られる、昭和の名優・勝新太郎。その役者人生、映画制作者としての生涯を辿る。「既存の映画の常識を徹底的に破壊」することで頂点に登りつめ、己の理想を追求する余り破滅に向かう。その混沌と狂気の現場をスタッフなどへの丹念な取材をもとに浮き彫りにする。

「勝新太郎の映画を作り上げていくプロセスも無茶苦茶で、周囲はひたすら振り回される。でも、だからこそ筋道を立てて考えていたら、絶対にできないような凄いものが生まれた。ものづくりの現場では一般的には欠点とされることが、結果としてプラスに働くことがあります。"デタラメ"の素晴らしさを教えてくれる一冊でもあります」

『タロットの魔法 未来からの伝言』。タロット占いの初心者向け入門書。「愚者」や「皇帝」、「死神」など、カードに描かれた絵柄が示唆するメッセージをひもとく。愚者のカードは「常識にこだわらない、きままでのびのびしたスピリッツの象徴」、戦車は「努力のあとの成功などの象徴」といった具合だ。タロットカード22枚付。

「タロットカードは占いではなく、思考のツールとして使うと面白い。全世界を"イメージ"という切り口で分類したタロットは、カードをシャッフルし展開することで世界観を再構築します。ものごとがうまくいかないときは、たいてい何らかの思い込みがある。カードが示す"意味"を考えることは視野を広げ、新たな発想を生み出すことにもつながります」

常に新しい視点を取り入れ続ける。それは新たな発想を生み出す土壌となり、 トップギアで未知の世界に飛び込む原動力にもなるはすだ。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
  • 写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

サはサイエンスのサ
『サはサイエンスのサ』
著・鹿野 司  早川書房 /1575円
天才 勝新太郎
『天才 勝新太郎』
著・春日太一  文藝春秋 /987円
タロット魔法 未来からの伝言
『タロット魔法 未来からの伝言』
著・鏡リュウジ  集英社 /1450円

過去に学び、未来に向かう

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米光一成

米光一成 kazunari yonemitsu
ゲームクリエイター/立命館大学映像学部教授/ライター
1964年生まれ。大学卒業後、ゲーム制作会社コンパイルに入社。『ぷよぷよ』『トレジャーハンター』シリーズなどを手がけ、スティングに移籍後、『BAROQUE』などのゲームを監督。現在ネットワークゲーム・携帯コンテンツ・WEB記事の制作など幅広く活躍中。主な著書に『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』(ベストセラーズ)、編著『デジタルの夢でメシを食うためにボクらは!』(マイクロマガジン社)、共著『恋愛ふいんき語り』(ポプラ社)など。
●米光一成公式ブログ「こどものもうそうblog」
http://blog.lv99.com/
●米光ラジオ(平日毎日24時30分~25時・Twitterで開始予告)
https://twitter.com/yonemitsu

今月27日、米光さんが専任講師を務める「編集・ライター養成講座<上級コース>」(宣伝会議)が開講した。雑誌が次々と休刊し、出版不況と言われるが、米光さんは「むしろ、今がチャンス」だという。

「今、出版をとりまく環境は大きく変わりつつあります。紙媒体をつくるのは編集の仕事の一部でしかなくて、『人を集めて編む仕事』だと考えると、ものすごく可能性を秘めている。電子書籍もそうですし、Twitterも"出版"の新しい形です。自分がカスタマイズした"雑誌"がリアルタイムで流れてくるのがTwitter。好きなように"ライター"をセレクトし、つまらないと思ったらすぐクビにできる(笑)。Twitterをやっている人は、ひとりひとりがライターであり、編集者なんです」

米光さんは、平日月曜~金曜の深夜0時半から30分間、リアルタイム動画配信サービス「USTREAM」を使って、WEBラジオを配信している。放送内容は当日、Twitterで告知される。時には編集・ライター養成講座の受講生とスカイプでやりとりしながらの「文章推敲」が生中継されることもある。

「みんなで協力して面白いものを生み出す方法論をつくれないかなと思っているんです。写真を撮りたくても、ピントを合わせるだけで一苦労だった時代には、一人の天才がチームを引っ張っていくというやり方でもよかった。でも、デジタルカメラを使えば、誰でもそこそこ写真が撮れるようになった今は『オレについてこい!』と言われても、ついていくだけの説得力を見出せない。ひとりひとりが好きなことをやり、リーダーはうまくまとめて形にする。そんな新しい"編集"のスタイルが、今なら可能だと確信しています」

既存の尺度にとらわれず、未来に向かって発想する。それは、自分にとって快適で愉快な"明日"を手に入れることにつながる。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

無類の本好きから見た電子書籍とは

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米光一成

米光一成 kazunari yonemitsu
ゲームクリエイター/立命館大学映像学部教授/ライター
1964年生まれ。大学卒業後、ゲーム制作会社コンパイルに入社。『ぷよぷよ』『トレジャーハンター』シリーズなどを手がけ、スティングに移籍後、『BAROQUE』などのゲームを監督。現在ネットワークゲーム・携帯コンテンツ・WEB記事の制作など幅広く活躍中。主な著書に『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』(ベストセラーズ)、編著『デジタルの夢でメシを食うためにボクらは!』(マイクロマガジン社)、共著『恋愛ふいんき語り』(ポプラ社)など。
●米光一成公式ブログ「こどものもうそうblog」
http://blog.lv99.com/
●米光ラジオ(平日毎日24時30分~25時・Twitterで開始予告)
https://twitter.com/yonemitsu

昨年10月に日本でも発売がスタートし、雑誌・新聞市場への影響が取沙汰された米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」。米光さんは発売直後に購入している。

「通常であれば、発売されてすぐには買わないんですよ。キリがないから。キンドルもしばらく様子を見るつもりでした。ところが、飯田くん(※1)という友人が深夜0時過ぎに電話をかけてきて『キンドルすげぇ。これで人が死ぬ!』、『もうPCは終わった!!』と言うんです。さっぱり意味がわからなかったけれど、ここで買うとそのこと自体が面白いなと思ったんですね『飯田くんが大騒ぎするから買ったけど、全然ダメじゃん』というオチでも、それはそれで愉しいなと(笑)」

"本好き"は、電子書籍に抵抗が強いイメージがある。だが、米光さんにとっては紙の本と電子書籍は優劣を競い合うものではないという。

「キンドルでは『青空文庫』(※2)からダウンロードした太宰治の作品を読んでいます。家に文庫本があるんですが、昔買ったものなので紙も黄ばんでいるし、字が小さくて読みづらい。その点、キンドルはフォントサイズもそれなりに大きいし、作品によってはサイズを変えることもできる。僕にとっては単純に"読みやすい本"という位置づけですね」

自分との相性さえ良ければ、ツール自体は何でもいい。その「ツールに貴賤なし」というスタンスが、新たな発想を呼び込む土台となっているのかもしれない。

※1ゲームクリエイターの飯田和敏氏。代表作に「アクアノートの休日」「太陽のしっぽ」など。

※2インターネット電子図書館。版権が消滅した文学作品などのテキストをWebからダウンロードできる。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

“謎解き”という読書の愉しみ

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米光一成

米光一成 kazunari yonemitsu
ゲームクリエイター/立命館大学映像学部教授/ライター
1964年生まれ。大学卒業後、ゲーム制作会社コンパイルに入社。『ぷよぷよ』『トレジャーハンター』シリーズなどを手がけ、スティングに移籍後、『BAROQUE』などのゲームを監督。現在ネットワークゲーム・携帯コンテンツ・WEB記事の制作など幅広く活躍中。主な著書に『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』(ベストセラーズ)、編著『デジタルの夢でメシを食うためにボクらは!』(マイクロマガジン社)、共著『恋愛ふいんき語り』(ポプラ社)など。
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“謎解き”という読書の愉しみ 現代小説からノンフィクション、海外ミステリ、古典文学……と、米光さんの読書領域は幅広い。興味を惹かれるものに出会うと、関連書籍を10冊まとめて購入する。面白そうなものから読み始め、読んでみてつまらなかったら読むのをやめるという。

「門外漢でも一冊の本を通して読むと、なんとなく全体像がつかめます。その後、“つまらなかった本”を読み返すと印象が変わることがある。文章はわかりづらいけれど、内容は案外面白いぞと気づかされたりもする。つまらないのに無理に最後まで読もうとしない。でも、つまらないからといって切り捨ててしまわないことも大事なんです」

読書を愉しむ上で、必ずしも予備知識は必要ない。しかし、作品が書かれた時代背景などを知ることで、面白さを感じられるようになるケースもある。米光さんにとっては、夏目漱石の代表作となる長編小説『こころ』がまさに、そんな一冊だった。

“先生”は、親友を裏切り自殺に追いやったという罪悪感に苦しみ、やがて自らも死を選ぶ。鎌倉の海岸で“先生”と出会った“私”が、遺書を通じてそのことを知るまでを語っている作品だ。 明治の知識人の内面を描いた傑作として知られるが……。

「はじめて読んだときの感想は『どうして、これが傑作?』でした。冒頭に登場する、若い学生である“私”は、偶然見かけた“先生”と知り合いになりたくて、せっせと海水浴場に通うというシーンから、すでによくわからない。ここだけ聞くと、海パン男子のボーイズラブ!? でしょう。でも、どうもそういう話ではないらしい。後半は先生の遺書が延々続くんですが、原稿用紙300枚近くもある手紙が『四つ折にして畳』まれているなんてありえない(笑)。しかも、ラストも唐突。期待していた謎解きもなければ、伏線もとじていない。はぐらかされたような印象しか残りませんでした」

なぜ、この作品が名作と呼ばれるのか。その謎を解き明かすべく、米光さんは『こころ』について書かれた解説書を読み漁ったという。

「すると、石原千秋さんの『こころ-大人になれなかった先生』に、僕が謎だと思ったことがすべて書いてあったんです。“私”が“先生”に声をかけた理由も、この本を読むとわかる。当時の社会状況や時代背景を知っている人であれば、誰でも理解できることでした。でも、今読むと全然わからない。こうした謎を解くのも読書の愉しみではないでしょうか」

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

わからないからこそ面白い

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米光一成

米光一成 kazunari yonemitsu
ゲームクリエイター/立命館大学映像学部教授/ライター
1964年生まれ。大学卒業後、ゲーム制作会社コンパイルに入社。『ぷよぷよ』『トレジャーハンター』シリーズなどを手がけ、スティングに移籍後、『BAROQUE』などのゲームを監督。現在ネットワークゲーム・携帯コンテンツ・WEB記事の制作など幅広く活躍中。主な著書に『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』(ベストセラーズ)、編著『デジタルの夢でメシを食うためにボクらは!』(マイクロマガジン社)、共著『恋愛ふいんき語り』(ポプラ社)など。
●米光一成公式ブログ「こどものもうそうblog」
http://blog.lv99.com/
●米光ラジオ(平日毎日24時30分~25時・Twitterで開始予告)
https://twitter.com/yonemitsu

1990年代に登場し大ブームとなったアクションパズルゲーム「ぷよぷよ」の生みの親である米光一成さん。現在はフリーのゲームクリエイターとして活躍する傍ら、立命館大学映像学部教授としてゲームのデザインや制作を教える。また、雑誌「POPEYE」(マガジンハウス)のブックレビューをはじめ、雑誌やWEBの連載を複数抱えるライターであり、発想力や表現力を鍛える講座の講師でもある。

一見すると、ゲームと執筆の世界はそう遠くないようにも思える。だが、米光さんのライターとしての初仕事は、当時マガジンハウスから出版されていた雑誌「鳩よ!」の映画評。著書も、いわゆる"ゲーム本"ではない。

例えば、『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』では、仕事をロールプレイングゲームに見立て、その攻略法を説く。一方、『恋愛小説ふいんき語り』は米光さんら本好きのゲーム作家3人が"女性作家による恋愛小説"について語り合うという書評鼎談。既存の枠にあてはまらない、新しいジャンルを次々と生み出す。その発想はどのようにして生みだされてきたのか。

「新しいことには胡散臭さがつきものだし、ある種の恐怖を感じてしまいがちだけれど、なるべくそういう目で見ないようにしようと心がけています。まったく興味がなかったことでも、機会があれば一度は試してみる。すると、思いがけない面白さを発見できたりするんです」

米光さんの中で「つまらない→面白い」に転じたものは数えきれないほどある。ケータイ小説発のベストセラー書籍『恋空』もその一つだ。

「大人が読むと『え~!?』と思うような描写や展開がたくさんあるし、僕自身も最初はまったく面白さがわからなかったんです。主人公にも物語にも、まったく共感できない。でも、大勢の女子高生がこの作品にシンパシーを感じる理由を考え始めたら、読むのが愉しくなった。『共感できないものはつまらない』はじつは、思い込みに過ぎない。『共感できないからこその面白さ』を探すという愉しみ方もあるんです」

わからないからこそ面白い。その視座を手に入れると、見慣れたはずの日常の中に散らばる無数の好奇心の種が見えてくるのだ。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami

手縫いの鞄が持つ25年の歴史

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Fugeeのしごと 16点の鞄展

Fugeeのしごと 16点の鞄展

Fugeeのしごと 16点の鞄展
ギャラリープラーナ(JR恵比寿駅東口より徒歩7分)
東京都渋谷区恵比寿1-34-9
2月16日(火)~2月28日(日)まで。
11:00~19:00 最終日11:00~18:00
27(土)、28(日)日は在郎日
http://members.jcom.home.ne.jp/y-mo/fullhalter/fugee_s.html

Fugeeのしごと 16点の鞄展 東京の渋谷にある『Fugee』。カバン好きなら一度は持ちたい、手縫いのフルオーダー革鞄店だ。注文から商品渡しまで2年半を要し、試作品を2回作る徹底ぶりだ。店主をして「数十年は持つ」という恐るべき鞄。開業から25年が経ち、現在も予約が満杯で制作に取りかかれるまで数か月以上を要するという。

そんなFugeeの25年間の足跡を振り返る展覧会が東京・恵比寿で行われている。店主の藤井氏が実際に作った16点の鞄でFugee25年の歩みを振り返っている。

ギャラリーに「呼び戻された」のはいずれも現役の鞄たち。アタッシュケースからクラブバッグまで、顧客の注文に応じて堅牢に作られたさまざまな革鞄が16点集められている。なかには三国連太郎氏のヴァニティケースのリペア物までもが転じされている。革を厳選し、糸の材にまでこだわった。もちろんすべての鞄が手縫いである。

藤井氏は日常、店に立ち寄る客に対するのと同じように、このギャラリーでも鞄の自慢話をする。ただひとつ違うのは、普段は手元に置いておけない鞄が目の前にあるということ。「子どもたち」を目の前に自慢話を展開する藤井氏、ものすごくうれしそうである。

  • 文/三上真治 Text/MIKAMI Shinji

EDGE Book Sensor~ 走る快感を追体験する3冊

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なぜ、人々は走りたがるのか――。

今週末に開催を控えた「東京マラソン」。参加希望者は年々増え続け、今年は定員3万5000人に対して30万人以上もの応募が集まったという。一体、そこにはどんな魅力があるのか。今回は「走る快感を追体験する3冊」を紹介したい。

"超運動不足"のイラストレーターがひょんなことからマラソンを始め、ホノルルマラソンを完走するまでの過程を描いた『マラソン1年生』。当初は30分間歩き続けることさえままならなかった著者が、公園や河原などの"近所ラン"を経て、さまざまな大会に出場。5kmから10km、ハーフマラソンと次第に距離を延ばしていく。

著者は「子どもの頃に体育の授業でマラソンをさせられたときは、つらくて長くてみんなより遅くて、『もうマラソンなんて大嫌い!!』とすら思っていた」という。では、なぜマラソンにハマったのか。著者の答えはこうだ。 「走った後のごはん(とビール)がおいしすぎることでしょうか。あれを一度味わうと、またもう一度走って、再び味わいたくなってしまいます」

その言葉通り、この本には頻繁に「走った後のビール」が登場。じつに旨そうに描かれている。序盤で登場するランニングコーチ・金哲彦氏直伝の「ビールがうまくなる走り」も興味深い。ストイック一本槍ではない"大人のマラソン"を教えてくれる。

『雑草軍団の箱根駅伝』。かつて松野明美選手らを育てた実績を持つ著者が、亜細亜大学陸上部を箱根駅伝初優勝に導くまでを綴る。著者によると、箱根駅伝は「交響楽団で完璧な演奏をするようなもの」であり、「一握りの選手が勝敗のカギを握るレースではない」という。亜細亜大学は「じっと我慢の往路5区間」を経て、ついに復路9区でトップに躍り出る。息もつかせぬ展開にページをめくる手が止まらなくなる一冊でもある。

『東京マラソンの舞台裏』。国内最大の市民マラソン大会「東京マラソン」はいかに実現したのか――。都心をママチャリで駆け巡り、コースを作り上げるなど、東京マラソンを実現すべく奔走した人々。この本によると「東京を3万人が走る――文字にしてしまえば、わずか1行である。だが、それは容易なことではない」という。警視庁を説得し、制限時間「7時間」にこだわった理由や"祭り"としての側面など、複眼的に東京マラソンをひもとく。

走ることの意味とは何か。その答えは無数にある。そんな"解"をひとつずつ解き明かすも良し、新たな問いを見つけるのもまた良しなのだ。

  • 文・島影真奈美 text/SHIMAKAGE Manami
  • 写真・嘉川ニ奈 Photo/KAGAWA Nina

今週のEDGEな3冊

マラソン1年生
『マラソン1年生』
著・たかぎなおこ  メディアファクトリー /1155円
雑草軍団の箱根駅伝
『雑草軍団の箱根駅伝』
著・岡田正裕  ファーストプレス /1470円
東京マラソンの舞台裏
『東京マラソンの舞台裏』
エイ出版社  マガジンハウス /1260円

EDGE Wave Sensor~「X100」という新しいファイテン

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アスリートがこぞって身につける肉体解放アイテムの極み

RAKUWAネック

RAKUWAネック「X100」シリーズ/ファイテン
赤いラインの入ったリーシュモデルと、シンプルな「P」の彫金が映えるチョーカースクエアモデル。どちらもシャープなデザインだが、長さ40cmのチョーカースクエアモデルは首回りを少し苦しく感じる男性もいるかもしれない。機能面を重視するならば、デザインだけでなく、無理のないサイズを選びたい。 リーシュモデル 1万3650円/チョーカースクエア 9450円
http://www.phiten.com/

この数年、アスリートの首元のファッションが劇的に変わってきた。ひと昔の野球選手と言えば、首回りのオシャレには純金/喜平のネックレスが定番だった。だが最近は、アスリートの首元はカラフルな布製のネックレスで彩られている。

「ファイテン」。数年前、主婦が物干し竿を重量挙げさながらに持ち上げるCMで話題になった、ヘルスケアアイテムを開発・販売するブランドである。この数年、アスリートの首回りを彩るネックレスもこのブランドのもの。人体に発生するストレスやこり、痛みなどの「生体電気の乱れ」を調整するというアイテムだ。

アクアチタンを布に含ませたアイテムで、リラックスを演出するというファイテンは、その進化の過程で「X30」「X50」という高濃度のアクアチタンを含ませるシリーズを開発してきた。そして昨年「X100」という最高含浸濃度のネックレスの開発に成功。期間限定で発売したところ、あまりの人気に瞬く間に完売。「X100」は12月にレギュラーモデルとして復活した。

デザインは2種類。長さ50cmのリーシュモデルと40cmのチョーカースクエアモデルだ。どちらも布生地に100倍濃度のアクアチタンを含浸させ、中芯にミクロチタンボールを配合した。

愛用者にとっては「インフレ」とも感じられそうなほど、アクアチタンの含浸濃度は濃厚になっていく。だが使用者のクチコミのテンションは一向に下がる気配を見せない。それどころか、ますます「欠かせないアイテムになっている」という。過去に体験したことがなければ、その世界観はより強烈に伝わる。驚愕の体験は、自らをまた新しいステージに連れて行く。

  • 文/三上真治 Text/MIKAMI Shinji

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