DIR EN GREY
『UROBOROS』
世界でいちばん認知されている日本のロック・バンド。もはやこのバンドをそう呼ぶことは誇大表現でもなんでもない。だが最重要なのは、そうした認識や実績、この約2年ぶりの新作が世界17ヵ国でほぼ同時に発売されるという事実ではなく、ここで体現されている彼らのヘヴィ・ロックが、まさに芸術的次元にまで高められていることだろう。10年前には間違いなく新世代ヴィジュアル系の代表選手だったが、当時、彼らの周辺にいた同類項のバンドたちはほとんど消えてしまった。筆者とこのバンドとはその頃からの付き合いになるが、ストイックな探究心は持ちつつも、決して技術的に秀でたものを持っていたわけではない彼らがここまでの領域に足を踏み入れることになるとは、正直、予想も期待もしていなかった。
そんな個人的感慨を抜きにしても、この作品の重厚な説得力は素晴らしい。



