ベン・フォールズ
『ウェイ・トゥ・ノーマル』
3人組なのにベン・フォールズ・ファイヴ。そんなトンチのきいたバンド形態での始動から、まもなく15周年を迎えようとしているオルタナティヴ世代のピアノマン。
ソロ転身後の第3作目となる3年半ぶりのこの作品は、エルトン・ジョンの「ベニーとジェッツ」を連想させずにおかない「ヒロシマ(ビー・ビー・ビー・ベニー・ヒット・ヒズ・ヘッド)」で幕を開けるのだが、なんとこれが「かつて広島公演の際に、ステージ上から、頭から真っ逆さまに転落したときの記憶」を描いたものなのだという。
本作では、そんな事実に象徴されるジョークと本気のせめぎあいを随所で楽しむことができるが、その絶妙なバランスは同時に、この稀有なメロディ・メーカーの王道的な魅力と、あくまで邪道であることを美学とするかのようなヒネクレ加減の関係をも象徴しているように思える。
素敵だ。



