アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ
『クライング・ライト』
ビョークやルー・リードとの共演でも音楽ファンの話題を集めた人物の新作。アルバム・カヴァーに用いられているのは100歳を超えて今なお踊り続けている日本の舞踏家、大野一雄のポートレイトで、実際、このアルバム自体が彼に捧げられている。
アントニー自身、「あらゆる所作のなかに、彼は子供と神の女性的な側面を表現していました」とコメントしているが、本作で触れることのできる彼の歌声もまた、性別や年齢、喜怒哀楽といった感情を超越した、まさに神々しさを感じさせるもの。
いや、むしろそうした言葉で安易に形容してしまうことに気恥ずかしさを憶えてしまうくらいの崇高さと神秘性、そして自然にこちらの深層に染み込んでくるかのような圧倒的な浸透力を感じさせる。
ジェフ・バックリィを、ルーファス・ウェインライトを初めて聴いたときよりも、ある意味"怖い"気がする。






