クイーンアドリーナ
『ジン』
前作、『ライド・ア・コック・ホース』は初期のデモを現在なりの感覚で再構築した規格外作品だったが、そこで原点を再確認できたことは、自己破滅傾向のあるこのバンドに確かな未来をもたらすことになったようだ。前身は、ゴスロリの元祖とされることの多いデイジー・チェンソー。
紅一点のケイティは、ある種、狭くて暗い世界のなかで神格化された存在だが、ようやくメンバーの顔ぶれも定着してきた感のある現在、もっと評価されるべきなのは、過去最強レヴェルに達している“バンド力”の強さだろう。ケイティには、一瞥のみで対象物を石にしてしまうような妖力がある。
が、彼女がそれを発揮し得るのは、歪んだ美意識に支配された混沌世界が、バンド・サウンドとして機能的に成立しているからこそ。
不完全ゆえの美しさというよりは、完璧な闇を経てきたからこその眩さを感じる。



