クレイジーケンバンド
『ZERO』
毎年コンスタントに作品を発表し続けているクレイジーケンバンドのアルバムも、これで通算10作目。シンプルに銘打たれた表題が示しているのは、このバンドを成立させている『CKB-音楽=ゼロ』という公式なのだという。
そして実際、過剰なほどに音楽密度の濃い1枚に仕上がっている。
異ジャンルを合体/融合させながら新機軸のものを生み出そうとするのではなく、あらかじめジャンルという概念を持っていないことを、無言で、熱く、しかも冗談交じりに伝えてくれるのだ。
“エッジな人たち”には必聴と言うしかない「デトロイト音頭」や「中古車」をはじめ、独特の視点とユーモアにはニヤリとさせられるが、同時に、それと背中合わせの関係にある哀愁味に、腰まわりの贅肉にほろ苦い記憶が詰まった世代ならではの色気を感じずにいられない。
中毒患者的支持者が多いのも頷ける。



