シガー・ロス
『残響』
得体の知れない幻想的なもの。アイスランド出身のこのグループが奏でる音楽にはどこかそんな掴みどころのない印象があったが、通算5作目にあたる今作には、いつになく躍動感が伴っている。
もちろん肉体派ロックに一変したというわけじゃないが、これまで閉ざされた世界での密室作業に徹していた者たちが、いきなり外界へと飛び出したという感じ。
開放感を絵にしたようなジャケット写真のイメージにもそれは重なるし、本作がバンド史上初めて母国を離れて録音(NY、ロンドン等)されたものだという事実も、そうした感触と無関係ではないだろう。
荘厳とか崇高とか神々しいとか、そういった決まり文句で形容することには抵抗があるが、実際そんな言葉が似つかわしい。
しかも同時に、心地好いBGMにもなってくれる。



