Triumph Bonneville T100
眺めて楽しいクラシックバイク 走るともっと楽しいのがミソ!
Triumph Bonneville T100
トライアンフ ボンネビル T100
PRICE : 1,228,500yen
SPECIFICATIONS
LENGTH : 2230mm
WIDTH : 840mm
HEIGHT : 1100mm
WHEELBASE : 1500mm
TRANSMISSION : 5-SPEED
ENGINE : DOHC Vertical Twin
DISPLACEMENT : 865cc
MAX POWER : 67ps/7200rpm
MAX TORQUE : 70.5Nm/6000rpm
WEIGHT : 205kg
TIRES : F : 100/90 19 R : 130/80 17
タンクから大きく浮き上がったエンブレムがなんともレトロだが、その金属の感触が実にやわらかく心地よい。メッキパーツの質感は高く、エンジンハウスやマフラーなど使い込むほどに色合いが変わっていくことを楽しめそうだ
67馬力というスペックに大きな意味はない。ツインカム2気筒のスムーズさこそ身上。リアブレーキはドラムではなく、前後とも2ピストンのディスクブレーキを装備する。ツインマフラーは十分に静か。破裂音も少なくエンジンとのマッチングがいい。アルミ削りだしのハンドルクリップが美しいメーター回り。
「レトロな雰囲気を演出するならここまでやってほしい」
そんなクラシックバイクの規範になるべき本格ブランド
シンプルであることと美しさの両方を追求していくと、結果的にこんなバイクになるのか。そんなことを考えさせてくれたのが、このトライアンフボンネビルT100だった。
直立したシリンダーとクロームメッキされたエンジンハウスカバーの組み合わせは造形そのものが芸術的でさえある。タンクの2トーン塗装には手書きのラインが縁取られて、適度なボリューム感を打ち出している。両サイドに取り付けられたラバー製のニーパッドは、ノスタルジックなイメージを演出するだけではなく実用性も考慮されている。たぶん複数の製造工程を経て作り込まれているであろう、前後のスチール製フェンダーやツインマフラーはクラフトマンシップを感じさせてくれる。
正直なところレトロバイクはあまり得意ではなかった。60年代や70年代のバイクは、セコハンではあったがリアルに見てきた経験があり、中途半端で雰囲気重視の「なんちゃってクラシック」には反感さえ覚えたりする。いくつかのパーツにメッキを施しただけで細部にこだわっていないデザインとか、手に触れやすい部分にもかかわらずプラスティック丸出しの神経の無さにはがっかりさせられることが多かったからだ。趣味性の高い乗り物だけに、こういった手抜きは僕にとって許しがたいものだった。
トライアンフは最古のバイクメーカーである。その歴史の中で、およそ最もトライアンフという名前を有名にしたのは映画【大脱走】においてスティーブマックイーンが跨った'64年式ボンネビルだろう。いくつかの世代を経たもののボンネビルはトライアンフとして超ロングラン・ブランドとして今も残る。これほど年季の入ったバイクはまず見当たらない。
ではボンネビルはただ旧いだけのバイクなのか。
これがまったくそうではなかったことが、僕にとってうれしい発見であった。
スムーズにクラッチをつないで走り出すと、エンジンの心地よいパワーにまずは驚いた。アクセルをひねったぶんだけ、きちんと前に進む。どの回転域でも大きな振動はなくて、それどころかマルチシリンダーのようなフラットな盛り上がりが感じられた。何の変哲もないライディングポジションに余裕があるせいか、街乗りはもちろん、攻め込んだ走りでも正しい操縦を自然に助けてくれるのだ。速いかどうかと問われるとNOである。ただ、この素直な走りは本当に予想外であった。
どの老舗ブランドにも定番商品は存在して、それが永く愛される理由はきちんと説明することができる。バイクにおいてボンネビルほどわかりやすい定番はない。乗ってよし愛でてよしの正に優れものだ。
スクランブラー
新しく追加されたスクランブラーは「ストリート生まれのクールさ」がコンセプト。ボンネビルと同排気量ながら最高出力は55馬力に抑えられている。そのぶんトルクは厚めでパンチのある加速が楽しめそうだ。右側にまとめられたツインエキゾースト。すっきりとした一眼式メーターとハンドフィニッシュのペイントは、より本格的なレトロさをかもし出す。価格はボンネビルと同じ。
text/HORIE Shiro photos/SAKURAI Tatsuo









