EDGE.net > EDGE Motor Cycle > Bike News&Topics

Motorcycle

乗りたいのはどっち!? PARTⅡ【前編】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 08/19

蘇ったHondaの代名詞『Honda CB1100』VS スポーツするV4『Honda VFR1200F』

50年以上の歴史を持ちHondaの代名詞として知られるCBの最新モデルCB1100。
レーシングマシンからはじまったV4エンジンを搭載するスポーツツアラーVFR1200F。
同時期に進化して蘇った2つの伝統的モデルのそれぞれの乗り味とは…


バイク

Honda CB1100
750㏄並みのボディに新設計空冷直4エンジンを搭載した最新CBモデル。アップライトなポジションのTypeⅠとスポーティなポジションのTypeIIを用意

(左上)深いグリーンをあしらった2眼メーターは往年のCBを思わせる
(右上)中低速域のトルク感を大事にした1140㏄空冷直4エンジン
(下) フロント110㎜、リア140㎜のタイヤが軽快で安定感のある走りを実現している

SPECIFICATIONS(Honda CB1100 TypeII ABS) TRANSMISSION:5-SPEED /// LENGTH:2205mm /// WIDTH:795mm /// HEIGHT:1100mm /// WEIGHT:247kg WHEELBASE:1490mm /// SEAT HEIGHT:765mm /// ENGINE:INLINE4 DOHC DISPLACEMENT:1140cc /// POWER:88ps/7500rpm /// TORQUE:92N·m/5000rpm TIRES:F:110/80R18 R:140/70R18 /// PRICE:1,071,000yen

今年の一推しと言っても過言でないCBの秀逸さ

金山:今回は、今春発売されたホンダ肝入りの2台のオートバイを用意しました。伝統の空冷4気筒エンジンのCB1100と先進技術を盛り込んだV4エンジン搭載のVFR1200F。ある意味、対極のキャラクターの2台が同時期にデビューしたわけですが、如何でした?

堀江:最近、特にCB1100は週末の高速道路なんかでよく見かけるよね。CBシリーズは50年以上の歴史を持っていて、1969年発売のCB750FOURは日本中の男子を魅了した一台。
今回のCBも馴染みやすいイメージのまま何気なく乗ったんだけど、実際に乗ってみて正直驚いた! 一見、復刻版のようなレトロなイメージが強かったのだけど、オートバイの純粋な楽しさを追求して生まれた本物志向とでも言うべきか…。
例えば、軽やかな走行感を損なわないように、いたずらに太くされていないタイヤ。どんなバンク角でも一定のグリップで走れる面厚にとすごくよく研究されているんだよ。それとあわせてとりわけ素晴らしいのが、ハンドリングの味付け。そこの部分の開発は、オフロードレースの選手でもある人が担当していて、とにかく軽快で扱い易いハンドリングにこだわったみたいだよ。試乗中、高速道路のわだちをすっと抜けられた安定感にも安心できたしね。。

金山:堀江さんやけに詳しいですね。あんまり気に入ったから直接お話し伺ったとみた(笑)。でも、想像以上の扱い易さに私も驚きました。750㏄モデル並みのコンパクトなボディに、適度にしなるダブルクレードルフレーム、それにニーグリップのおさまりの良さ。身長168㎝の私と185㎝の堀江さんがポジションに満足しているってすごいことかも。

堀江:そうだね。あと、特に目新しさを感じないように言ってしまったフォルムだけど、前後フェンダーのクローム加工や、ステー回りの金属処理の丁寧さなど大人の乗り物としての雰囲気がちゃんと出ているところが実は、結構気に入ってるんだよ。

金山:ここ最近、一番の褒めっぷり。 (後編に続く)

【試乗 JUDGE】Honda CB1100

堀江:ただのレトロバイクではなくデザインから走りまで微細に計算されたまとまり方は最上。走行感覚の味付けに関しては、フレームのしなやかさからタイヤの選び方、パワーのスムースな押し出し方まで完全にバランスが取れている。スチール製クロームパーツを多用するなど質感にも不満はない。イチオシだ。

金山:低回転域からゆっくりと立ち上がってくるエンジン特性はとにかく扱い易く、ストレスなくゆったりと乗れます。それでいて、1140㏄空冷直4エンジンには十分な加速感とパワーも伴っているので、エントリーユーザーからベテランまでオートバイを操る楽しさを存分に感じられるとっても優秀な一台。

乗りたいのはどっち!? PARTⅡ【後編】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 08/19

蘇ったHondaの代名詞『Honda CB1100』VS スポーツするV4『Honda VFR1200F』

バイク

Honda VFR1200F
スポーツ性能とツーリング性能を高次元で融合した最新スポーツツアラーモデル。前衛的なフルカウルボディに先進技術を注いだV4エンジンを搭載する

(左上)中央に大型アナログタコメーターを配したデザイン性の高いインストルメントパネル
(右上)マスの集中化に貢献するショートタイプの1本出しマフラー
(下) ホンダ独自の前・後輪連動コンバインドABSを標準装備

SPECIFICATIONS(Honda VFR1200F) TRANSMISSION:6-SPEED /// LENGTH:2250mm /// WIDTH:755mm /// HEIGHT:1220mm /// WEIGHT:268kg WHEELBASE:1545mm /// SEAT HEIGHT:790mm /// ENGINE:V4 OHC DISPLACEMENT:1236cc /// POWER:111ps/8500rpm /// TORQUE:111N·m/6000rpm TIRES:F:120/70ZR17R:190/55ZR17 /// PRICE:1,575,000yen

金山:もう一台のVFR1200Fもかなりインパクトがある一台ですよね。スポーツツアラーという方向性での登場ですが、まずエッジの効いた独特のフォルムが未来カーみたいで印象的です。

堀江:多くはツアラー用途として扱われることを考えると少し前衛的すぎる気もするけど、マスの集中が図られた安定感のあるボディは好印象だし、乗り味もヒラヒラ感と地面を噛む粘りの両方が感じられて、すごくよくできているよ。CB同様、乗り心地に文句はないし、こんなエッジの効いたフォルムにも関わらずタンデムも快適にこなせる設計なのもいいね。

金山:前衛的な外観とは裏腹、すごく滑らかで扱い易いですよね。新設計V4エンジンには左右対称シリンダーが採用されていて、ピストンの往復運動から生じる左右方向の振動が抑えられて、結果V4の鼓動がよりダイレクトに感じられるというか。それと、フロントには6POTキャリパー、リアにはフットブレーキ操作で前・後輪が連動するコンビブレーキシステムに、前・後輪のロックを回避するABS機能を組み合わせたコンバインドABSを標準装備しているのも安心できるポイント。
今秋には、デュアルクラッチ採用のATモデルも追加されるので目が離せないですね。

堀江:ボクはCBが一推しだけど、提案型の良いバイク2台が登場したことは間違いないね!

【試乗 JUDGE】Honda VFR1200F

堀江:まったくもってよくできたバイクだけに、もっとパワーが欲しくなってしまうのは仕方のないところか。VFRシリーズ本来のコンセプトはスーパースポーツだが、街乗りからロングツーリングまでこなせるオールラウンドモデルに仕上がっている。尖がった個性派ライバルが多いカテゴリーなだけに、さらに強い「主張」が欲しい。

金山:エッジの効いた大胆なフェアリングに、独特な形状のショートマフラーが迫力たっぷりの前衛的なツアラー。新設計V4エンジンは、不必要な振動がキレイに抑えられていて重ったるさのないスマートな加速感を味わえる。新設計V4エンジンをはじめコンバインドABSなど盛り込まれる性能は価格に対してお得感を感じられるはず。

乗りたいのはどっち!? PARTⅠ【前編】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 07/22

新設計ミドルモタード『DUCATI HYPERMOTARD796』VS ドゥカティを身近にした一台『DUCATI MONSTER696+ABS』

共通のベースエンジンと近しいパワースペックを持ったドゥカティのミドルクラス2台。
ABSを装着したモンスター末弟とハイパーモデルの新設計ニューモデル試してみたくなるのはどちらのバイクでしょう


バイク

DUCATI MONSTER696+ABS
一昨年デビューし、ドゥカティユーザーの裾野を広げた一台。リアシートカウル&ビキニカウルのカスタムキットとともにABSを装備、安全性を向上させた

(左上)時計、外気温、無給油走行可能距離計などを備える多機能メーター
(右上)グリップ付け根とタンクの当たる部分に作られたエアダクト
(下) タイヤの完全ロックを防ぎ、パニックブレーキ時に効力を発揮するABS

SPECIFICATIONS(DUCATI MONSTER696+ABS) /// TRANSMISSION:6-SPEED /// LENGTH:2058mm /// HEIGHT:1060mm /// WEIGHT:161kg ///WHEELBASE:1450mm/// SEAT HEIGHT:770mm /// ENGINE:L2 /// DISPLACEMENT:696cc/// POWER:80ps/9000rpm/// TORQUE:69Nm/7750rpm ///
TIRES:F:120/60ZR17 /// R:160/60ZR17///
PRICE:1,090,000yen

堀江:いやー、久しぶりのドゥカティツーリングだったね! それにしてもこのモンスター696薄紫色だよ!?今はこんなカ ラー設定もあるんだ。

金山:何言ってるんですか、堀江さん! モンスターは、昨年から「カラーセラピー」という新たな試みを取り入れていてレッドを中心とした通常色に加えて、 今回試乗しているリックグラマーという色やオレンジ、イエロー、さらにはマン島TTをはじめレースを彷彿とさせるカラーリングも多数設定されているんですよ。これらは、タンクカバー、シートカウル、フロントフェンダー、マイクロビキニカウルの4点セットキットとして購入できるんです。ちなみに今回のカラーのキットは7万9840円。手軽に車体色を変えられるし、立ちごけしてタンクを傷付けた際の対策にもなりますよね。(笑)

堀江:ほう。確かに新しい試みのようだね。さて、肝心な乗り味は、正直身長185㎝の僕の体格にはバイク自体が小さすぎたけど想像以上にパワーはある。5000回転以上回した上でさらに伸びてくるからオォッと。金山:一昨年にデビューして、大型バイク初心者や背の低い女性にドゥカティを身近にした一台モデルといえど性能面でもかなり頑張っているんですよ。(後編に続く)

【試乗 JUDGE】ドゥカティ モンスター696+ABS

堀江:パッと見の可愛らしさとは裏腹に、走り込んでいくとドゥカティらしい勇ましさがスクッと顔を出してくるからおもしろい。低回転域ではちょいとパンチが足りないように感じる排気量ではあるが5000回転を超えたあたりから一気に暴力的なパワーがあふれ出てくる。全体的にコンパクトなデザインなので、リターンライダーにもおすすめだ。

金山:オプションの着せ替えキットが充実して色とりどりの選択が広がるモンスター。私のように飽きっぽい人にはもってこい(笑)。高速走行時には、素直な乗り味の中に中~高回転域での想像以上のパワーを感じられます。ファーストバイクにももってこいの扱い易さなので、ぜひ、小柄なライダーを中心に試してもらいたい一台モデルといえど性能面でもかなり頑張っているんですよ。

乗りたいのはどっち!? PARTⅠ【後編】

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 07/22

新設計ミドルモタード『DUCATI HYPERMOTARD796』VS ドゥカティを身近にした一台『DUCATI MONSTER696+ABS』

796は男子!696は女子!そんな印象。この2台に乗ってるカップルは相当カッコイイ!


バイク

DUCATI HYPERMOTARD796
2005年デビューし、アグレッシブなデザインで話題を呼んだハイパーモタードシリーズのミドルモデル。パワーユニット、フレームともに新設計された期待の一台

(左上)ラップタイム、A/Bトリップメーター、ハイビームなどの表示機能を備える 
(右上)696をベースにした新設計パワーユニット。696より19㎏も軽い
(下) リア回りのデザインを引き立てる片持ちスイングアーム

SPECIFICATIONS(DUCATI HYPERMOTARD796) /// TRANSMISSION:6-SPEED /// LENGTH:2120mm /// HEIGHT:1155mm /// WEIGHT:167kg /// WHEELBASE:1455mm /// SEAT HEIGHT:825mm /// ENGINE:L2 DISPLACEMENT:803cc /// POWER:81ps/8000rpm /// TORQUE:75.5Nm/6250rpm /// TIRES:F:120/70ZR17R:180/55ZR17 ///
PRICE:1,150,000yen(RED:1,190,000yen)

796のコストパフォーマンスに拍手!

堀江:従来のモンスターシリーズが苦手としていたハンドルの切れの浅さもデザインを崩さずにエアダクトで解消しているし、 モンスター末弟として相当イイ線だと思うよ。でも、今回はデザインも走りもハイパーモタードシリーズの新モデル796がダントツでイイね!

金山: ひとことでカッコイイですよね。あえて白か黒のボディを選びたいクールな感じ。

堀江:エンジンは696をベースにしているのにフィーリングは別モノで、馬力が1ps違いとは思えないくらいもっとパワーを感じる。パワーユニットはなんと696よりも1.9㎏軽量化されていて車重は167㎏という軽さ。フレームも新設計だし、これで115万円ってすごいコストパフォーマンスだよ。

金山:696も796もサーキットラップなどの計測が可能なDDAシステムの設定もできるんですよね。796はサーキットでも楽しめそうですか?

堀江:街中も高速道路もサーキットも楽しめると思うよ。タイトコーナーでは前方に座って膝をグッといれるイメージで、ツーリング時には椅子に座るような感じで後方に座って、と乗り方もアレンジ可能。タンデムにも向いてるし。

金山:確かに、十分満足できる走行性能が与えられた上で従来の1100モデルよりもシート高が20㎜低くなっているとこもイイですね。身長170㎝弱あれば足付きで諦めてほしくない一台です。1100モデルの価格は149万円から179万円…。796は本当にコストパフォーマンス抜群! これからバイクデビューする人、特に女性には696はお勧めですが、今回は796の印象が圧倒的に強かったですね。

【試乗 JUDGE】ドゥカティ ハイパーモタード796

堀江:ハイトのあるボディライン、前衛的なフロント回り、ケージのようなフレームなど、すべてのデザインがとにかくカッコいい。誰にでも簡単に乗りこなせるバイクではないが、一旦馴染むと間違いなく珠玉の一台となる。コストパフォーマンスも抜群にいい。モタードは振り回してナンボ。1100までいらないというアクティブ派にぴったりだ。

金山:まず、夜の都会でも日中の山でも映えそうな外観デザインで全て文句ナシといったカッコイイ良さがGOOD。体感パワーは81ps以上でトルクも十分。1100モデル同様外観のアイコンになっているバーエンドミラーは、すり抜け時には気を遣うポイントですが、LEDライトもクールでミラーの視認性は他モデルよりも断然上。

彼に乗ってほしいバイクNo.1

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 07/08

『トライアンフ ストリートトリプルR』

バイク

TRIUMPH STREET TRIPLE R

学生の頃、友達のカレが大型インポートバイクに乗っていて、いつも自慢の愛車で友達を迎えに来るのがとても微笑ましく、どこか羨ましかった記憶がある。今、自分もオートバイに乗るようになって当時よりか幾分知識も増えた。そこでカレが乗っていたらちょっと鼻が高いオートバイは何だろうとふと考えた答えがトライアンフだ。

世界最古のオートバイで、英国製のこだわりがたっぷりで、マン島をはじめレースでの活躍も華々しく…と褒め出せば切りがないのだが、そんなうんちくは抜きにしてもトライアンフの3気筒モデルはとにかく気持ちがイイ。無駄を感じさせないエンジンフィーリングが癖になるのだ。

遅咲きのライダーデビューではハードルが高そう? 乗れば皆はまってしまうのがトライアンフ。女子ライダーのアドバイスをぜひご参考までに。

TRANSMISSION:6-SPEED /// LENGTH:2030mm /// WIDTH:755mm /// HEIGHT:1110mm /// WEIGHT:189kg /// WHEELBASE:1385mm ///
SEAT HEIGHT:805mm/// ENGINE:3-cylinder DOHC /// DISPLACEMENT:675cc /// POWER:106ps/11700rpm /// TORQUE:68Nm/9200rpm /// TIRES:F:120/70ZR17 R:180/55ZR17 /// PRICE:1,144,500yen

世界一旅が似合うオートバイ

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 06/23

DOHC化でメカニズムを進化させたBMW R1200GS/GSアドベンチャー。
中低速域をパワーアップさせ、さらに磨きのかかった乗り味を本誌編集長・堀江が試乗リポートします

BMW R 1200 GS Adventure


この写真は本国仕様のハイシートを装着したもので、日本国内仕様は若干ライダーズシートが低くなり足付き性が良くなる。ブロックタイヤもオプション。ウインドシールドは大型でサイドディフレクターも装備されており高速巡航でも風圧を感じることはない

TRANSMISSION:6-SPEED
LENGTH:2240mm
WIDTH:980mm
HEIGHT:1525mm
WEIGHT:259kg
WHEELBASE:1510mm
SEAT HEIGHT:890/910mm
ENGINE:INLINE2 DOHC
DISPLACEMENT:1170cc
POWER:110ps/7750rpm
TORQUE:120Nm/6000rpm
TIRES:F:110/80 R19 R:150/70R17
PRICE:2,328,500〜2,465,000yen

堀江史朗の見解

GSアドベンチャーの出で立ちは実に勇ましい。今すぐダカール・ラリーに参戦できそうな装いは、男がもつ冒険心を思い切りくすぐってくれる。僕は初代アドベンチャーのR1150GSを所有しているのだが、「その気になればどこにでも確実に到達できそうなバイクはこのGSシリーズ以外にはない」と完全に信じ込まされてしまっており、そのGSのモデルチェンジにはいつも人一倍興味を抱いてしまう。そして今回もGSは期待通りの進化を果たしてくれた。変更のポイントはずばりパワーユニット。排気量やミッションレイアウトはそのままに、エンジンヘッドをDOHC化することで110馬力と120Nmを獲得している。BMWモトラッドは1920年代からこの水平対向エンジンを2輪上級モデルに搭載してきており、もはやそのクオリティは熟成の極みという感もあったが、まだまだ開発の余地があったということであろう。

さて、その新型DOHCエンジンだが、ほんの少しの距離を走るだけでその違いはすぐにわかった。エンジンの吹け上がり方が圧倒的にスムーズになり、かつレッドゾーン付近までしっかりとパワーが出ているのが伝わってくる。従来のエンジンも比較的よく回るものであったが、ある一定のゾーンを超えると「ただ回っているだけ」という感覚に変わってしまい、残念ながらリニアにパワーが立ち上がることはなかった。大きな躯体ながら俊敏な走りも楽しめるバイクだけに、このレスポンスの変化はとてもうれしい。

また、だからと言って低回転域のトルクを諦めてしまったわけではない。超低速走行でもグッと地面を掴んでくれるような力強さを残してくれており、エンデューロマシンらしい本来の性能をまったく損なっていないのはさすがである。

ところで本格的なオフロードバイクとして、この水平対向エンジンの組み合わせは理に適っていることを謳っておきたい。まず重心が低く出来ることは大きなメリットだ。走破性を考え地上高を稼ぐためにはどうしてもエンジンを高く搭載する必要があるが、ボクサーエンジンならば重いエンジンヘッド部分を低いポジションに残すことが可能になる。また道なき道を走るときに、このエンジンヘッド自体がレガース(脛当て)のような役割を果たしてくれるので安全性が高い。さらに、くるぶしの前にエンジンヘッドがあるので、寒冷時にはレッグウォーマー的な機能も果たしてくれるという特典もうれしい。ざっとこんな感じである。

ちなみにノーマル仕様のR1200GSも同時に乗り比べてみたが、これもある意味「別モノ」であった。迫力の33Lタンクがない分スリムに感じられることもあるだろうが、そもそもサスペンションストロークも短く足付きも良い。約30kgも車重が異なるのでブレーキタッチもいい。要はたいへんよく出来た普通のバイクなのである。

でも、どうせGSを選ぶなら絶対にアドベンチャーである。誰もが乗れるようなバイクに乗っても面白くない。GSは乗ること自体が「冒険」なのである。

陸上を駆る新しいカタチ

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 05/06

陸上を駆る新しいカタチ

SPECIFICATIONS(SPYDER Roadster RS)
TRANSMISSION:5-SPEED with R
LENGTH:2667mm
WIDTH:1506mm
HEIGHT:1145mm
WEIGHT:316kg
WHEELBASE:1727mm
SEAT HEIGHT:737mm
ENGINE:V TWIN DOHC
DISPLACEMENT:998cc
POWER:106ps/8500rpm
TORQUE:104.3Nm/6250rpm
TIRES:F:165/65R14 R:225/50R15
PRICE:2,300,000yen(MT)/2,500,000yen(AT)

堀江史朗の見解

3輪バイクをよく見掛けるようになった。はじめは交差点で足を地面に降ろすことなく信号待ちをする風景に違和感を覚えたが、慣れれば自然に見えるようになるものだ。ところで従来の前輪2輪バイクは、基本的にスクーターボディをベースにしており、バイクと同じようにコーナーリング時には乗車する部分がリーンする構造になっている。だがこのBRP社のcan.amスパイダーは、そういった他の3輪モデルとは異なる新しい感覚の乗り物だ。パラダイムシフトと呼ばれるスタイルでは旋回時でもシート部分が傾くことはない。向かう方向に身体を寄せながらフロントにしっかりと荷重し、捩じ伏せるように曲がる。この操舵感はバイクというよりはスノーモビルに近いと直感したが、それもそのはずで、実はBRP社はスノーモビルを発明し世界で初めて商品化した革新的なメーカー。また座り乗り型の水上オートバイをいち早く開発したメーカーとしても知られており、そもそも2輪とは発想の起点が異なるのだ。

正式車名はcan.amスパイダー・ロードスター。バイクとオープンカーの特徴をあわせ持つことに由来する。前輪のサスペンションはダブルウイッシュボーンで、ステアリングにはパワーアシストが装備される。エンジンはRotax社製V型2気筒 998ccDOHCで106馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは、5速マニュアルのほか電子制御セミオートマチックも選べる。もちろんどちらにもリバースギアが搭載されており、ガレージに収めるときも問題はない。

今回試乗したのはマニュアル仕様。普通のバイクと操作方法はほぼ同じ。唯一戸惑ったのは右グリップに前輪ブレーキレバーがなく右足で前後ブレーキを統括制御するくらいだが、これは慣れの問題。それよりも驚いたのは街中での注目度の高さ。踏ん張ったフロント2輪が相当の迫力のようで視線が痛い。道交法でヘルメット着用義務のない乗り物だが、安全面も含めて被るべきと確信した。さて、肝心の走りはユニークの一言。加速は鋭いしストッピングパワーも十分。カーブを抜けるときは身体全体を使って勢いよく乗り越えるように走り切る。高速巡航でもスタビリティが効いていて安定感もある。マシンと一体になるスポーツ感覚を楽しみたい方には、ぜひ乗ってみてもらいたい1台だ。

まるでコンセプトモデルVT1300CX

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 04/02

細く流麗なデザインのハイネックスタイルに1300cc大排気量Vツインを合わせた最新ビッグクルーザー

(右)細く流麗なタンクデザインを邪魔しないシンプルなダイヤモンド形状メーター。コンパクトなパネル内には速度計と液晶のオド、トリップメーターを配置する
(左)すっきりとした足回りには、フットブレーキの操作で前・後輪が連動するコンビブレーキシステムとABS機能を組み合わせた「コンバインドABS」技術を投入

(右)心臓部には1312㏄水冷OHC52°Vツインエンジンを搭載。電子制御燃料噴射装置の採用とあわせ、広い回転域で優れたスロットルレスポンスを実現している
(左)駆動システムにはメンテナンスフリーで耐久性と静粛性に優れたシャフトドライブを採用。また、エンジン後端部にスイングアームの支持部を設けることで振動を抑えている

金山史佳の見解

「東京モーターショーで発表されたコンセプトモデルにそのままナンバーが付いてる!」  

これが公道でVT1300CXを目の前にした第一印象。

実際、昨年の東モではすでに市販車両としてお披露目されていたわけですが、一瞬そんな勘違いをしてしまうほどにこのバイクの出で立ちにはパンチがあるのです。

昨年4月、北米モデル「Fury」として先行販売されたこのモデルは、クルーザーの本場アメリカですでに3000台を受注するヒットを記録。市況は厳しくとも、こだわりを突き通したプロダクトは強いのだ。やるじゃん、ホンダ。

全長2・5m超えの迫力たっぷりのボディに跨ると、意外にも身長168㎝のワタシでもすんなりと受け入れてくれるポジションで、この手のクルーザーにありがちな、シートの上での体のおさまりの悪さが全くない。コーナリング時に多少、ハンドルが遠くなるくらいで、足つき性も良く安心感も十分。

乗り味はというと、余分な振動を抑えながら低中速度域での力強さを感じさせてくれるエンジンは最高出力54psのスペックよりもずっとパワフル。また、図らずも試乗中にABSを体感する機会を得たのだが、とっさのブレーキ操作からリアタイヤに伝達、調整される制動力…なんというか本当によくできてる。

要らないものは全てはぎ落したような前衛的なデザインとそこに搭載される最新技術。

悪っぽいのにデキるところがやっぱりホンダっぽい。

まるでコンセプトモデルVT1300CX

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 03/15

細く流麗なデザインのハイネックスタイルに1300cc大排気量Vツインを合わせた最新ビッグクルーザー

バイク

SPECIFICATIONS(VT1300CX)
TRANSMISSION:5-SPEED
LENGTH:2575mm
WIDTH:900mm
HEIGHT:1150mm
WEIGHT:307kg
WHEELBASE:1805mm
SEAT HEIGHT:680mm
ENGINE:V TWIN water-cooled
DISPLACEMENT:1312cc
POWER:54ps/4250rpm
TORQUE:103Nm/2750rpm
TIRES:F:90/90-21 M/C 54H R:200/50R 18M/C 76H
PRICE:1,354,500~1,428,000yen(ABS)

堀江史朗の見解

スタイルは抜群にかっこいい。これはもう、吊るしの市販車には絶対に見えない斬新なデザインである。絞り切ったスリムなタンクと、そこから流れるように連なるボトムシートの組み合わせは、アメリカのショーにでも展示されそうな麗しさと言える。ひと昔前の日本のお役所なら、まず認可は下りないと思えるほど、VT1300のフォルムは前衛的だ。写真で見る限り、うっとりするほどのインパクトがあった。

乗り心地を云々するバイクではないが、実は乗っても十分に面白い。排気量の大きさから期待するほど暴力的なトルクがあるわけではないが、低回転から高めのギアを選んで乱暴にスロットルをひねると、ドコンドコンと本格的Vツインの鼓動を響かせながら力強く加速してゆく。高速での安定感もしっかりしており、意外にコーナーを深く攻めることが出来て驚いてしまった。プルバッグ型の異形ハンドルは自然なポジションを可能にしてくれるものの、さすがにハンドルを切ると小柄なライダーには腕が伸びきってしまうかもしれない。

さて、久々の独創的なホンダの挑戦に、「最高!」の評価を授けたかったのだが、プラスチックパーツが多く、ややゲンナリした。前後フェンダー、エンジンカバーほか、普段触れる可能性がある部分は、せめて金属を用いてほしかった。こういった装飾品のようなプロダクトは磨き上げる楽しみを何よりも大事にしなければならない。デザインに関して、これほどまで有機的に統一感をもって仕上げたのだから、ぜひフィニッシュにも気を使ってほしい。

トライアンフ・サンダーバード

Hatenaブックマークに追加 この記事をクリップ! 03/04

世界最大の1600㏄並列2気筒 TRIUMPH Thunderbird

バイク

自社のトレードマークであるバーチカルツインエンジンを搭載することを前提に設計された水冷1600㏄クルーザー。純正アクセサリーは100種類以上用意される

新設計1597㏄のパワーユニットにはスポーツモデルと共通する学習機能付きインジェクションを採用。最適なエンジン特性を発揮する。その他、初のベルトドライブ機構やABSを標準装備

堀江
どっしりとしたライディングポジション、座りのいいシートとしなやかなサスペンションがもたらす乗り心地、そしてディテールの作り込みの美しさ。この価格ならば満足度は抜群に高い。さすがにワインディングをヒラリというわけにはいかないものの、スペック以上にエンジンフィールはパワフル。高速クルーザーとしては敵無しである

金山
加速時の滑らかなタッチとどこまでも伸びてゆくパワフルさが◎。270°位相クランク&バーチカルツインの織り成す鼓動感は、力強さだけでなくどこかに上品さを感じるテイスト。足付き性は急停車時に多少気を配ればさほど気にならない。脱着可能のフェアリングを付けて長距離ツーリングに行きたい一台

SPECIFICATIONS(Thunderbird ABS)
TRANSMISSION:6-SPEED
LENGTH:2340mm
WIDTH:880mm
HEIGHT:1120mm
WEIGHT:308kg
WHEELBASE:1615mm
SEAT HEIGHT:700mm
ENGINE:2-cylinder 270°crank
DISPLACEMENT:1597cc
POWER:86ps/4850rpm
TORQUE:146.1Nm/2750rpm
TIRES:F:120/70R19 R:200/50R17
PRICE:1,953,000~1,984,500yen

金山史佳
  • 金山史佳

  • ひょんなことからEDGE編集部に迷い込み、気がつくと4輪AT限定解除、2輪中型大型免許を取得。現在、主にEDGE本誌でバイクの特集・連載の編集として奮闘中。
    愛車歴4輪:M・ベンツ「C200コンプレッサー」、ポルシェ「ボクスター」2輪:BMW「F800S」、BUELL「XB12Scg」

バックナンバー

Recent Posts

Daily EDGE Archives

EDGE Sensor Archives